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中瀬ゆかり「実は失顔症で上役の顔も覚えられず、やらかした過去」
中瀬ゆかり 中瀬ゆかり
中瀬ゆかり「実は失顔症で上役の顔も覚えられず、やらかした過去」
中瀬ゆかり(なかせ・ゆかり)/和歌山県出身。「新潮」編集部、「新潮45」編集長等を経て、2011年4月より出版部部長。「5時に夢中!」(TOKYO MX)、「とくダネ!」(フジテレビ)、「垣花正 あなたとハッピー!」(ニッポン放送)などに出演中。編集者として、白洲正子、野坂昭如、北杜夫、林真理子、群ようこなどの人気作家を担当。彼らのエッセイに「ペコちゃん」「魔性の女A子」などの名前で登場する名物編集長。最愛の伴侶、作家の白川道が2015年4月に死去。ボツイチに 初デートというのは緊張する(※写真はイメージ)  初デートというのはこんな歳になってもやはり緊張する。しかも、相手と会うのは2回目。初対面の日は暗いバーで酔っぱらって話していたし、正直、顔をちゃんと見分けられるかも怪しいレベルだ。脳科学者に教えてもらったのだが私には軽い「相貌失認」(失顔症ともいい、人の顔が覚えられない脳の疾患で、人口の1%位いるらしい)の傾向があるようで、他人の顔をなかなか認識できない。同級生や同僚であっても、思いがけない場所で会うと誰だかわからなくなるくらいだ。30代のはじめに編集部を異動して間もない頃、執筆者である高齢のご夫妻に夕食に招かれたので料亭に出かけたら、そこに上役であるK氏によく似た方が座っていた。一瞬「Kさんに似てる」とは思ったのだが、ご夫妻が「こちら新潮社の中瀬ゆかりさんよ」とその方に紹介するので、反射的に「はじめまして。中瀬と申します。よろしくお願いします」と名刺を差し出した。するとその方は「ああそう」とにこやかに名刺をうけとって胸ポケットにしまい、「よろしく」とのたまうものの、一向に名刺を取り出す気配もないし、ご夫妻も彼の名前や属性を紹介してくださらない。どこの誰だろうと訝りながらも、しばらく4人で和気藹々と食事をしてご夫妻の近況や世間話をしていていたら、30分ほどして奥様が「Kさんはどう?」とその上司の名前をその方に呼びかけた。驚愕してよくよく顔を見たら、やはり、さきほどまで同じ編集部のソファで新聞を読んでいたKさんではないか!私はひどい失態に顔から火が出る思いだったが、突っ込みのひとつも入れずに名刺を普通に黙って受け取っていたKさんもKさん。さすがは京都人!そんな過去もあるくらいだし、ほかにも枚挙にいとまがないくらい「やらかしている」過去を持つ女。少なくとも好ましいと感じた男性の顔くらいは覚えていたいものだが、はてさて……。  新宿の映画館のチケット売り場の前で待ち合わせたのだが、向こうから声をかけられて、あわてて「あー、アニキ、久しぶりー!」とまるで最初からわかってたかのように取り繕う。前の印象は深夜の泥酔中のやんちゃ顔だったが、今日の彼は黒縁眼鏡もかけているし、ずいぶん雰囲気が違う。思ったより筋肉質で色が黒い。太陽の光が似合わない、夜のまなざしをした人だ。彼も心なしか緊張して見える。そりゃそうだ。仕事も違えば共通の知人はただ1人きりという8歳も年上の肥えたおばさんと初対面からたった2回目にしてはじめての2人きり。今更ながらの日光に照らされたジャバザハット並みのシルエットに、なんでこんなデブのおばさんデートに誘っちゃったんだろうオレ、などと後悔しているかもしれない。ここは年上の余裕で私がリードせねば、と思い直し、ドリンクを買う長蛇の列に並ぼうとしたその時、「上映時間も迫ってますし、間に合わないといけないから、外に出て自販機で買いましょう」と提案され、そのまま外へ連れ出された。小銭を出すのに手間取っていると、さすがは新宿、後ろにヤカラ感まるだしの首筋に刺青をした3人組が並び、「早くしろよオーラ」を投げつけている・・・因縁つけられたらヤダナ、と思ったその瞬間、アニキがくるっと振り向いて「すみませんねぇ!もたついちゃって」と満面の笑顔&大声で声をかけたら、3人組は「あ、どうぞごゆっくり!」と笑顔で答えて、なんだか和気藹々としたムードになっているではないか。アニキ……面白い奴!  映画を観終わってビストロに移動し、その話をふってみた。アニキは「僕らバーテンダーは空気を読む、空気を作るのが仕事ですから」と笑ったあと、「そしてあえて空気を読まない、さらにはあえて空気を壊すというのもやるんですよ。こっちのほうが上級技ですが」と語った。そして恋愛の話になると「僕は、恋愛は加点法だと思っています。100から引き算をしていくタイプもいるようですが、足し算のほうが楽しくないですか?」  あまりに話が尽きなかったので、次回の映画デートもすぐ決まった。2回目のその日、酔っぱらった私は焼鳥屋さんのトイレで用を足して出てきたら、アニキが間をおかず「失敬!」と私のあとに駆け込み、出てきたときには満面の笑みで後ろから肩を抱き、「ゆかりちゃん、流してなかったね」とささやくではないか!「うそ!恥ずかしい」と耳まで真っ赤になったら、「大丈夫。トイレットペーパーの上におしっこかけて粉々にして流しといた」だと。爆笑。「これは女子として減点だね」と問うと「いや、ゆかりちゃんにもドジなところがあるってわかって、加点でしかないな」だと。やばい。これって、ちょっと好きになりかけたのかも。いやいや、そんなうまい話があるわけはない……。これは彼の「あえて空気を読まない」という技に、してやられただけではないのか。 その夜、私が手に取ったのは白川道のデビュー作「流星たちの宴」。バブル紳士でもあった彼の自伝的小説だが、キザなセリフが全編に炸裂していて、読んでいるこちらが気恥ずかしいほどだが、同時に多くの男性ファンをとりこにした白川流男の美学の極致だ。これがトウチャンの本質をよく表している。このロマンチストな魂が、ほかの男の出現に揺れている私を見ていまあの世でなんと思っているのか。考えただけで怖くて、身がすくむのだった。 顔だけではなく、心もうまく認識できなくなっている私には、これが新しい恋のサインなのか新手の詐欺なのかもわからず、ひたすらトウチャンの笑った顔を思い出していた。
中瀬ゆかり
dot. 2018/10/18 16:00
城田優が語る、大坂なおみ選手の国籍問題で「ズルい」と差別を感じた理由
城田優が語る、大坂なおみ選手の国籍問題で「ズルい」と差別を感じた理由
城田優さん(撮影/写真部・片山菜緒子)  舞台映えする190センチの長身と甘いマスク。16歳のときにミュージカルでデビューし、テレビドラマへの出演、歌手、舞台演出としても活躍の場を広げてきた俳優・城田優(32)。その実力が高く評価され、ラミン・カリムルーなど世界的なスターと次々と共演を果たし、ついにミュージカルの名曲を集めたアルバム「a singer」をリリースする。日本とスペインのハーフに生まれ、背負ってきた自らの“コンプレックス”と、そこで見出した次なる目標を語った。 *  *  * ――ミュージカルの名曲を集めたアルバム「a singer」を24日にリリースされ、6年ぶりの再始動となります。まずはアルバムに込めた思いを聞かせてください。  6年前にオリジナルアルバムを出したときは自分で歌詞を書いて、作曲して、ジャケット写真も声や音の一つ一つのバランスもできる限りの頭の中の世界観を具現化したんですが、「a singer」に関しては、タイトルが物語っているように歌い手として参加しました。  まずミュージカルの曲たちを集めるということで、そもそも自分の曲ではないですし、すべて自分の好みにしてしまうと独りよがりになってしまう。この大切な曲たちを届けるために、僕の主観よりも、プロフェッショナルの方たちが真剣に考えて選んだものを信じてお任せしました。  6年前はドラマの撮影が終わって夜からレコーディングしたり、撮休の日に朝からブースにこもって曲や音をいじったり、歌詞を書いたり。24時間、スケジュールがびっしり決まっている中でやらなきゃいけない状況だったので、視野も狭まっていたし、音楽が豊かじゃなかったなと思うんですよね。みなさん、過去の自分を振り返れば「もっとできたな」と思うことがあるかもしれませんが、僕は音楽に関してはそれがすごくあって。今回のプロジェクトが始動したとき、まったく違う形で挑戦してみようと決めました。 ――数ある名曲の中から、どのように選んだのでしょうか。  これまでに自分が参加したミュージカル作品の中から思い入れのある曲や、作品自体には参加していないけれど歌ってみて周りからの評価が高かった曲やファンの方に人気があった曲を選びました。  自分が参加した作品から必然的に一番初めに挙げた曲は「エメ(ロミオとジュリエット)」、「母は僕を産んだ(ファントム)」、「闇が広がる(エリザベート)」ですね。ほかにも、僕は出ていないけど「僕こそ音楽(モーツァルト!)」とか、「ホール・ニュー・ワールド(アラジン)」を英語でなら歌いたいと、ひとつずつピースが入っていきました。 ――これまで役者として演じるだけでなく、裏方の演出や監督もされてますね。  はい。僕はそっちのほうが好きだなと思っていますね。やっぱり出る側は才能とセンスのある人たちがやっていくべきで、僕はプレッシャーとの戦いなんですよね。なるべく失敗したくないとか、自分の一番いいときの9割ぐらいを絶対にキープしたいとか……。もちろん芝居するのも歌うのも好きなんですけど、体力がそんなにないし、続かないんですよ。精神的に弱くて心の中はめちゃくちゃもろいので、家族とか友達の思いでなんとか自分を輝かせているようなところがあります。 (撮影/写真部・片山菜緒子)  でも世界には僕たちより上のレベルの人がいっぱいいて、その人たちと一緒に仕事をすると「まだまだだな……」と思います。だからできる人たちを育てたいというプロデュースや裏方目線にもなりがちで、監督や演出をさせてもらっているときって楽しいんですよね。  役者として参加するときは与えられた一人の役を一生懸命やるわけですけど、一つのピースよりも全体をつくるほうが圧倒的に楽しいし、やりがいがある。もちろん労力も責任も増すんですけど、圧倒的に作り手のほうがワクワクします。今後は演出や裏方の仕事も増やしていきたいとは思っています。 ――歌や演技などミュージカルでの評価はむしろ高まっているのに、限界を感じることもあるんですか。  毎回、感じますね。もっとうまくなりたいと思います。  僕は13歳で以前の事務所に入ってボイストレーニングを始めて、「あなたは歌手としては難しい」と突きつけられました。その頃の音源があるんですけど、本当に超素直な、何の魅力もない真っ直ぐな声の子なんですよね。それに比べるとずいぶん伸びたとは自分でも思いますよ。感情表現や音のキー、テクニカルな部分でも、僕は努力でここまで来たんです。でも、例えば、今回のアルバムで「闇が広がる」を一緒に歌っているラミン・カリムルーは、誰からも音楽のレッスンを受けないまま、唐突にオーディションに行って受かって、そこからスター街道まっしぐらの人なんですよ。そういう人が世の中にはいるんです。だからそういう人たちがもっと出てくればいいし、その人たちがもっと努力をしてもっと高みに行ければいいと思っています。  少なくとも僕の成長も十分な成果なんですけど、10年以上やってきて自分の伸びしろは自分でよくわかっているので、そういう意味で限界を感じています。決して日本の中で僕のレベルが低いと言うつもりは無いけど、僕なんかよりもっと上手い人は現れるべきだし、現れないシステムは変えなきゃいけない。ミュージカルがやりたいと思っている人も、上手い人ももっともっと世の中に溢れていると思う。そういう人たちを発掘して育てたいという気持ちが強いですね。 (撮影/写真部・片山菜緒子) ――例えば、ミュージカルでブロードウェイに行きたいとか、映画でハリウッドに挑戦したいという演者としての夢は?  無いですね。もちろん人生の経験として一回ぐらいはやってみたいなというふわっとした思いはありますけど……。本気で挑戦したら、ブロードウェイで役をもらうことができるかもしれないし、それをやって帰ってきたら日本での評価は上がると思うんですけど、ステイタスとか箔がつくとか、そういった評価は今の僕にはいらないと思っています。  それよりも日本国内から変えて行かなきゃいけないし、いつまでも「アメリカすごい、アメリカに行きたいって」言ってるんじゃなくて、「日本のミュージカルっていいよね」って世界から注目されるぐらい頑張らなきゃいけないんですよ。僕自身も留学したいって思っていた時期もあるし、実際に5、6年前に1カ月間だけですけどLAに行っていたこともあるんですが、最近は、みんな外に出ることしか考えていなからもったいないと思いますね。小さいころから「いつかハリウッドに出たい」と言っていた気持ちはだんだん薄れていってる。それは諦めとかではなく、単純に心の変化ですね。 (撮影/写真部・片山菜緒子) ――きっかけになったことが何かありましたか?  積み重ねだと思います。知識が付けば付くほど、いろんなものに違和感が生まれるんですよ。言ってみれば地球の中のある国、ある地域でしかないわけで、そこに優れた作品を作っている人と、優れた出演者たちが集まっているからいい作品ができる。日本でそれできないのはエンターテインメントにかけるエネルギーが違うのかなと思います。  僕はNYとかLAにいるときに何度か撮影に立ち会っていますけど、道を閉鎖して、街を閉鎖して国を上げて撮影するわけですよ。車をぶっ壊して、ビルを爆破して。日本人はエンターテインメントとか、フィクションを作るためにノンフィクションを壊さないんですよね。絶対にこれはあるべきだというルールがありすぎて、つまらないなと思うこともあります。  それに時代がどんどん変わってきていて動画配信サービスのNetflixとかHulu、amazonプライムなどでオリジナル作品を作るようになって、ハリウッドに行かなきゃ海外作品に出られないという時代じゃないんですよね。実際に僕にもいくつか話があったりするぐらい身近になってきて、どこの国がいいというよりも、いい作品がバズって、残っていくという時代になっています。日本でも「カメラを止めるな」の例もありますが、ずば抜けて良いものは100%口コミで広がる。我々が日本で低予算で作品を作っても海外に出せる可能性はあるわけだし、わざわざ海外に飛び出すことが近道かというと、人によるんですよ。  こうやって具体的に、すごくシビアに、メリット・デメリットが見えちゃうので、小学生のころに漠然と抱いていた夢のようには思えなくなったということです。 ――最近は演者から裏方に回る方も多いですね。  そうですね。起業する人もいて、とてもいい傾向だと思います。海外では多いんですよ。レオナルド・デカプリオにしてもアンジェリーナ・ジョリーにしても、自分たちで企画して監督して作品を出して、社会に対してもこれをやろう、これを無くそうと自分たちの思想をどんどん伝えている。エネルギーに満ちているし、自分を偽らないのが素晴らしいなと思う。  日本にもプレイヤーをやりながら映画監督をされてる方もいらっしゃいますが、まだまだ少ないですよね。日本はなるべく波風立てないように、協調性を保ちましょう、なるべく炎上しないようにしましょうって、どんどん本音を言えない環境になっていくし、特に我々みたいに矢面に立つ人たちにとっては、何か言えば反対側の人たちに罵倒されるような状態です。何なら僕たちが日本の芸能界の変わらなきゃいけない部分とか、変わったほうがいい部分を少しずつでも崩していかないといけないと思っています。だからこそ日本の中で、内部を変えられるようなクリエイターになりたいと思いまいますね。 ――そもそも、エンターテインメントの世界を目指したのはいつごろだったのでしょうか。  7歳ぐらいまでスペインに住んでいたんですけど、向こうで初めてテレビで歌ったり、踊ったり、お芝居をしたりしているのを見て、僕もこれやりたいと思って、日本に帰ってきてからも歌やお芝居がしたいとずっと思っていて、自分の意思で履歴書を書いて事務所に送ったのが13歳ですね。僕はJ-POPで育ちましたから、KinKi KidsとかV6、ほかにもゆずやコブクロ、ケミストリーも大好きで、よく歌っていました。 ――最近、ジェジュンさんとの王子様ユニットも人気ですね。「リアル王子様」と言われることをどう感じていますか。 (撮影/写真部・片山菜緒子)  いやもう全然! まったく王子様じゃないですね。外国の血が入ってることで顔が洋風で、身長が高いことからそうやって思われがちですが、プライベートは王子の「お」の字も無い。まったくかけ離れてますからね。いまはお仕事だから真面目に話していますけど、普段はただの「こども」なんで(笑)。  僕らはSNSでもテレビでも世間でも好き勝手に言われるから、気にしないですね。誹謗中傷されると傷つくし、いい意味でちょっと鈍感になってると思うんですよね。だから、それこそ王子様とかイケメンとかよく言ってもらう良い言葉も、あまり真に受けてないです。悪口と同じで、プラマイゼロにしちゃってるというか。 (撮影/写真部・片山菜緒子) 「1日でいいから城田君と変わりたい」とか、よく言われるんですよ。「それでどうするんですか」って聞いたら、「できるだけ女の子に声かかる」とか(笑)。でも僕の生活って何も変わらないですよ。みなさん、ないものねだりでそう思っているだけで、そもそも僕は小さい頃からコンプレックスの塊だったし、そういう発想が無いのかもしれないけど。周りからチヤホヤされてきたことも無いし、むしろ否定され続けてきたと思っています。 ――そこまでのコンプレックスの理由は何だったんでしょうか?  身長と顔! いまはもう割となくなってますよ。むしろこの顔で生まれてよかったなとか、身長があってよかったなと思うようになったというか、思うようにしたんですが、20歳ぐらいまでは両方がコンプレックスでした。ハーフ特有のアイデンティティークラッシュと呼ばれるものですが、スペインに住んでいるときに仲間はずれにされて、僕はこの国の人じゃないんだと思って、日本に帰ってきてからもその思いは消えなくて、自分はどこに行けばいいんだという時期がありました。それからやっとテレビに出るという夢ができて、13歳で事務所に入っても、どこのオーディションでも顔見せでも、決まって身長と顔のことを言われるんです。「かっこよすぎるんだよなぁ、ちょっと……」って、ようはダメってこと。当時の僕はカッコいいって言葉が本当に嫌いだったんですよ。「カッコいいからいいじゃん」って言われるのも、僕にとっては少しもメリットじゃなかった。  身長も14歳で180センチぐらいあったので、「顔が大人っぽいし、背が高いからさすがに学生役とか難しいよなー」ってプロデューサーと監督が目の前で話したりしているんです。その世界の偉い大人に言われる言葉は、思春期の子どもにはとても重いもので、「君は無理だね」って言われた言葉の通り、僕はダメなんだと思っていました。オーディションの帰り道はめっちゃ泣いたし、学校でも、ずっと腰と背中を丸めて授業を受けていましたね。これ以上、背が伸びないように。 城田優さん(撮影/写真部・片山菜緒子) ――それが変わってきたのが20歳ごろだったと。きっかけは何だったのでしょう。  16歳でミュージカルが決まって、20歳までミュージカルを中心に活動していたんですが、そのころ、あれだけ無理だと言われていたテレビドラマに出ることができました。普通の役はできない、群像劇には出られないと言われていたんですけど、朝ドラや大河ドラマにも日本人の役として出させてもらった。それって、実はすごいことなんですよ。  前例がないことや、ちょっと難しいよねって言われていたことが実際にできて、自信につながって自分を肯定してあげられるようになったんです。もちろん割とクセがある役とかは多いですけど、それはこの図体のおかげとプラスに取っていますね。  それからいろんなメディアに出させていただくようになってからとかは、キャーキャー言われたり、こんなに人気があるんだと思わされたりすることはあったんですが、偉そうに街を歩くこともないですし、僕は「変わらないのが目標」。たぶん人との接し方も昔からあまり変わっていないと思うんです。  僕の話は割と自分が感じたことをストレートに伝えることはしていますけど、人として調子に乗るとは違うことだと思う。残念ながら、みなさんが想像しているようなミステリアスな王子様ではないし、イケイケの遊び人でもなく、普通の32歳。むしろちょっと変わった32歳ですね。 ――無理だと言われてきたことが実現できて、コンプレックスを克服してきた。いま悩んでいる子どもたちとか、若い人たちの力になりそうです。  いま僕が一番力を入れたいのは、ハーフのエンターテイナーたちを伸ばしてあげることなんです。ハーフの俳優って実は少ないんですよ。僕以外にハーフで俳優やってる子を5人挙げてくださいって言われたら、出てきますか? 最近、ハーフのモデルやタレントは増えているんですが、それでも女性が圧倒的に多くて、男性俳優はまだまだ少ない。ハーフの人口は増えているのに、です。  僕の学生時代はクラスに1人だったけど、いまは1クラスに3人、4人いる時代ですよね。それなのに、日本のドラマで外国の人はほぼ出ていないじゃないですか。みなさん海外のドラマ見てください、アジア系の人もアフリカ系の人も3人ぐらいいますよ。日本のドラマでも違う国の人がいていいし、学園ドラマにハーフが3人ぐらいいてもいいわけですよ。むしろもっといてもいいぐらい。僕がデビューして10年以上経ちますが、ハーフの俳優はなかなか出てこないし、それだけ日本はガラパゴスなんだなと思います。いまでも扱いづらいと思われていて、僕は本当に異分子だった。偶然と奇跡が切り開いた道を進んできていまここにいるんです。だからこそ、後に続いてくる子たちを「こっちだよ」って引っ張ってあげたいんですよね。 ――女子テニスの大坂なおみ選手が全米オープンを制覇したときも、国籍のことが話題になりましたね。  ああいうのを見ていると、どこに言ってもここだという居場所がない我々からするとズルいなと思う。良いときだけ「日本人初」って持ち上げるくせに、都合が悪くなったら「やっぱり外人だから」って言うんですよ。その人の個性とアイデンティティーである国とが、必ずしも一致するわけじゃない。もちろん僕だって「ラテンの血が入ってるから明るいんですよ」とは言いますけど、ネタみたいに周りがとやかく言うものじゃないんです。  昔に比べたら差別が無い時代ですが、実はめちゃめちゃあるんですよ。みんな悪気はなくても、勝手に区別しているんです。「あの子は外国の血が入ってるからこういうマインドなのよ」とか「彼はスペイン人だから……」って言われることも、僕にとっては差別なんですよ。いろんな経験をしてきて、最近はこれが差別の始まりなんだなと思います。 ――そういう状況も中から変えたいということなんですね。  そうですね。次世代のイケメン俳優ランキングとか、そこから出てくる子はいっぱいいるのに、ハーフはほとんどいないんですよ。単純に目指してる子がいないのかもしれないんですが、たぶん夢を持っているけどなかなか踏み出せないとか、いまの時代にも昔の僕と似たような思いを抱えている子たちがいると思うんです。それを考えると胸が痛い。人種とかハーフとかに関わらず、そういう子たちの可能性を少しでも広げてあげたいし、城田優っていう俳優のことを知って、「じゃあ僕も私も頑張ろう」って思ってくれたら嬉しい。それは僕がいまプレイヤーとして活動している意味の一つになっていて、落ち込んだときに自分を奮い立たせてくれますね。 (聞き手/AERA dot.編集部・金城珠代)ドラマ、映画、舞台など幅広いジャンルで活躍する城田優、初のミュージカル・アルバム『a singer』が10月24日発売。ミュージカルを彩る様々な楽曲を厳選し、多彩なアレンジとクールで魅惑的な声で描き出す。デュエットには、盟友で本場ブロードウェイやウエストエンドで活躍する世界のミュージカル・スター、ラミン・カリムルーや、女優・歌手のすみれ、乃木坂46の生田絵梨花など豪華ゲストも。<フリー観覧&握手会>10/20(土)ららぽーと豊洲、10/28(日)ヴィーナスフォート教会広場、11/3(土)タワーレコードNU茶屋町店、11/25(日)HMV&BOOKS SHINSAIBASHI <抽選イベント>10/24(水)タワーレコード渋谷店B1「CUTUP STUDIO」、10/25(木)山野楽器銀座本店JAM SPOT <コンサート>2019年3月21日(木) 中野サンプラザホール
ドラマ
dot. 2018/10/18 11:30
松本人志の「死んだら負け」論 不登校新聞編集長が抱く違和感
石井志昂 石井志昂
松本人志の「死んだら負け」論 不登校新聞編集長が抱く違和感
死んだら負けなのか……(※写真はイメージ)  ダウンタウンの松本人志さんが自殺に対する持論をツイートし、話題になっている。自身も不登校経験者で、いじめ裁判や当事者の取材を重ねてきた全国不登校新聞の編集長、石井志昂さんは違和感を持っているという。 *  *  *  話題になっている松本人志さんのツイートはこれです。 「自殺する子供をひとりでも減らすため【死んだら負け】をオレは言い続けるよ。。。」(@matsu_bouzu)  農業アイドル「愛の葉Girls」の元メンバー・大本萌景さん(当時16歳)が自殺した問題を受けて、10月17日の深夜にツイートされたものです。松本さんは、10月14日にもフジテレビ系「ワイドナショー」で「ついついかばってしまいがちなんやけど、僕は『やっぱり死んだら負けや』ということをもっとみんなが言わないと。死んだらみんながかばってくれるっていう風潮がすごく嫌なんですよ」などと発言し、賛否両論が起きていました。  ネットではこんな意見が見られました。 「【死んだら負け】そんな言葉が追い詰められた精神を更に追い詰めるかもしれない」 「ずっと死のうと思ってたからなんかグッときた。女子高生です」  10月17日午後6時現在で約18万の「いいね」と約3万のリツイートがされています。  私は不登校経験者であり、いじめ自殺についても取材を続けています。その経験から言うと「一理はあるが賛同はできません」というのが、ツイートに対する見解です。 「一理はある」と思えるのは、松本さんのツイートや発言が「死ねば苦しかった経験に周囲が耳を傾けてくれる」という誤解に警鐘を鳴らしている点です。  私自身も中学2年生で不登校をする直前は「自分が死んだら学校は反省をしてくれるかもしれない」と思っていました。理不尽な教員や校則に苦しめられてきたからです。いじめに苦しんできた人からは「俺が死んだら、俺をいじめてきたやつらが裁かれる」と思い、自殺を考えていたという話も聞きました。  しかし、それは誤解です。  死んでも学校や裁判所は、苦しかった子どもの気持ちに耳を傾けてくれません。  すぐに思い出すのは「北本いじめ自殺裁判」です(2013年東京高裁判決)。  2005年10月、埼玉県北本市の中井佑美さん(当時12歳)が亡くなりました。両親らによると佑美さんは、小学生から中学生にかけて、悪口や無視、靴や文具を隠される、ジャンパーを鳥小屋に投げ入れられるなどのいじめを受けていました。  佑美さんは、担任との交換日記で「いじめ」を訴えましたが、担任は同級生らと話し合いの場を設けるだけの対応に終始しました。担任が介入した後、いじめはよりひどくなり、佑美さんはトイレへ連れ込まれて「便器に顔を突っ込め」と言われるなどの事態に発展しました。  2005年10月11日、佑美さんは「生きるのに疲れました。本当にごめんなさい」と書き残して亡くなっています。  しかし佑美さんの死後、「いなくなってせいせいした」と話す生徒や、佑美さんの使っていた机に「see you, the end」と落書きされていた、ということがあったそうです。  つまり佑美さんは亡くなってからもいじめを受け続けたのです。  さらにひどい仕打ちをしたのが学校や裁判所です。  遺族らの訴えにより、学校は佑美さんの死後、校内アンケートも行ないましたが、アンケート結果の8割を破棄。さらに佑美さんの遺書を「手紙」と呼び、内容を軽視して「いじめはなかった」と裁判で主張しました。裁判所は、こんな学校の主張を支持。「自殺につながるいじめはなかった」(東京地裁)と判決を下しています。  裁判の結果に驚いたのが同級生のひとりです。  同級生は「自分が証言しなかったせいで、いじめがないことにされてしまった」と思い、2012年11月29日、証人尋問を受け、証言をしました。  同級生は「いじめはたしかにあったし、佑美ちゃんはつらかったと思うのでそのことをわかってほしい」と泣きながら裁判所で訴えました。  私もその場で同級生の話を聞きましたが、彼女の号泣によって裁判所が静まり返ったのをよく覚えています。  しかし、同級生の証言などを受けても東京高裁は「自殺につながるいじめはなかった」(東京高裁/2013年)と判決を下したのです。  あらためて伝えたいのは、死んでも子どもの気持ちに耳を傾けないのが司法や学校という組織だということです。 「死ねば苦しかった経験に周囲が耳を傾けてくれる」という誤解は報道によって与えがちです。そのため、松本人志さんのツイートには一理あると思っています。  しかしそれでも、このツイートは、自殺を個人の問題、とりわけ個人の「気概」で自殺を回避できるような印象を与えてしまいます。自殺は個人ではなく社会の問題です。自殺にまで追い詰められた背景や環境に目を向けなければなりません。  松本さんが主張した「死んだら負け」というのは、おそらく自殺した人もわかっていたと思います。「死んでもしょうがない」という理屈はわかっていても、苦しさがコップからあふれ出すように亡くなってしまう、と言われています。  本人の努力や気概、気の持ちようで自殺は回避できません。本人がSOSを挙げられなかったのはなぜなのか。学校、家庭、本人に関わってきた第三者たちは、なぜリスクに気がつけなかったのか。本人だけではどうすることもできない環境に目を向けるべきです。  環境や背景に目が向けば、自殺した本人だけでなく周囲も追い詰められていた事実が明らかになるはずです。なにかしらの暴力や重圧が本人を含む周囲一帯にのしかかっていて、その重圧を一番受けていたのが自殺した本人です。  せめて自殺を機にこうした「苦しさの連鎖」に気が付き改善していく必要があると思うのです。  その意味でも、自殺が個人の問題にされてしまうようなツイートには賛同できません。  しかしこの機会にたくさんの議論が起きてほしいという思いもあります。最後に以前、『不登校新聞』の取材でシナリオライター・虚淵玄さんが語ってくれた話を紹介して終わりにしたいと思います。  取材者は、友人を自殺で失い、取材者自身も自殺願望を抱いていた青年です。私が松本さんのツイートに対して感じていた違和感のひとつが、ここに集約されています。 ■シナリオライター・虚淵玄さんに聞く ――私は友人を自殺で失いました。なぜ彼を救えなかったのか、今でもそのことをすごく悔いています。  私の価値観から言えば後悔する必要はかけらもありません。彼を死に追いやるぐらいの苦痛に対して敬意を払ってもいいのではないかと思うからです。彼は死に追いやられるほどの苦痛にさらされていた。その事実から目を背けちゃいけないだろう、と。  若いころはけっこう荒れた時代だったので自分のまわりでも自殺者が出ています。いろんな死生観にさらされてきました。ただ彼らが死を選んだことを「まちがいだ」とは口が裂けても言いたくないんです。  彼の判断が傍から見れば愚かに見えたとしても、その死の意味は彼にしかわからないはずです。彼らに敬意を払うのならば、自分が害を被ったことだけに怒ればいいんです。「この野郎、おれを悲しませやがって」とかね。  それに関しては怒ってもいいし、現に自分自身もいまだに許していません。仮に彼らをそういう苦痛に追いやるだけの原因が自分にあったとしても、それはまったく別の問題です。 ――私も自殺願望にとらわれたことがあります。だからこそ死ぬのは逃げなんじゃないか、と思えてしまうんです。  彼が背負っていたものは、あなたの想像を超えていたんでしょう。自分が想像できる苦痛がすべてではありません。その領域を超えた苦痛は、かならず存在するわけです。それを背負った人にかける言葉はありませんが、苦しんだ人に対する想像力は豊かであったほうがいいとは思います。(2011年9月1日『不登校新聞』より) ■保護者や子どもの相談窓口 「子どもの人権110番」(電話0120-007-110) ■18歳までの子どものための専用電話(相談電話) 「チャイルドライン」0120-99-7777
dot. 2018/10/18 07:01
齋藤飛鳥は“肉食系女子”? 意外な息抜き法を明かす
齋藤飛鳥は“肉食系女子”? 意外な息抜き法を明かす
齋藤飛鳥(さいとう・あすか)/1998年生まれ、東京都出身。2011年、乃木坂46の1期生オーディションに合格。12年、乃木坂46の1stシングル「ぐるぐるカーテン」で選抜入りしてデビュー。16年、「少女のみる夢」でドラマ初主演。17年には舞台「あさひなぐ」で主演を務める。初出演映画「あの頃、君を追いかけた」は10月5日(金)全国公開。(撮影/川島小鳥、ヘア&メイク/宇藤梨沙、スタイリング/市野沢祐大(TEN10)、アートディレクション/福島源之助+FROG KING STUDIO、衣装協力/イキュウ、メルロー(共にメルロー))  人と接するのがあまり得意ではないと語るが、インタビューに答える様は礼儀正しく、笑顔はやわらか。乃木坂46のエース・齋藤飛鳥さんが、「あの頃、君を追いかけた」で映画初出演を果たした。 「最初は『なんで私なんだろう』『できないんじゃないか』という気持ちでしたが、スタッフさんや共演の方がこもりがちな私の殻を破るように接してくださり、とても助けられました。演じることは難しいけれど、少しずつ楽しさを見つけられた気がします」  13歳でデビューし、現在20歳。仕事に対する思いに変化は? 「デビュー当時は“仕事” というよりもメンバーといたりカメラの前に立つのが楽しいという気持ちでしたが、少しずつ自覚や責任感が芽生えてきました。具体的な目標は持たないタイプですが、このお仕事は好きなので、ずっと続けていきたいです」  忙しい日々の息抜きは、意外にも一人ゴハン。齋藤さんと一緒に行きたい人、いっぱいいそうなのに? 「いえいえ(笑)。焼き肉が一番好きで、焼き肉屋さんで一人でお肉と向き合います。一人旅も好きで、少し前に行った石垣島でも、石垣牛の焼き肉を楽しみました」  可憐な笑顔とのギャップもまた、魅力的です。(本誌・野村美絵) ※週刊朝日2018年10月12日号
週刊朝日 2018/10/09 16:00
TOEIC満点も面接で「やる気感じられない」 主婦の再就職に壁
TOEIC満点も面接で「やる気感じられない」 主婦の再就職に壁
サイボウズ 江原なおみさん(47)/1993年、ソニー入社。海外営業やVAIOの業務を担当。2000年、夫の海外転勤に伴い退職し専業主婦に。2人の息子の子育てに専念し、13年、TOEICで満点取得。16年、サイボウズ入社(撮影/岸本絢) RPA女子プロジェクト 前田美智恵さん(41)/2000年、大学卒業後、商社系IT企業や監査法人系コンサルティングファームでSEやITコンサルタントを務める。31歳で結婚し夫の転勤先ブラジル・サンパウロへ。2児を出産。17年3月、帰国(撮影/写真部・小山幸佑)  子育てなどで仕事にブランクがあるハイスキルな専業主婦。人手不足を背景に、彼女たちを採用したい会社が増えている。かつては「時短」が壁だった。だがいま、再び働くためのさまざまな選択肢が出てきている。 *  *  *  主婦が仕事復帰にするにあたって、家庭と仕事がどの程度両立できるか見通せない、という不安があるが、そうした不安を解消する採用法も出てきている。16年間の専業主婦期間を経て、IT企業サイボウズに再就職した江原なおみさん(47)が活用したのは「キャリアママインターン」だ。  江原さんは大学卒業後、ソニーに就職し海外営業などに従事。29歳のとき夫の海外転勤に伴い退社し専業主婦となった。2人の子育てに追われるなか、心境に変化が訪れたのは長男(16)が小学校に上がったときだ。江原さんは言う。 「次男はまだ幼稚園入園前で、『今日、私、大人とひと言も話していない……』と思う日がありました。社会と隔絶されている寂寥感と、この先40年近く続く人生に不安を覚えました」  再就職を考えるも、仕事のブランクは10年ほど。売り込むスキルが必要と考え、TOEICに挑戦し、満点を取った。ところがTOEICのスキルを生かせる求人は、希望する「週3日の時短」ではなく「週5日のフルタイム」ばかり。やっと見つけた求人の面接では、「やる気が感じられない」と落とされた。 「面接の段になると、子どもたちは本当に大丈夫だろうか。余計な茨の道に踏み出すことにならないかと、次々と不安のループに陥り、それが消極的な態度となって出てしまったのだと思います」(江原さん)  局面を変えたのは、16年にサイボウズが実施したキャリアママインターン制度。面接で希望の勤務時間などを聞かれ、それに沿って1カ月間インターンとして働いてみることができた。 「実際に働くことで、子どもの反応や自分の体力、家事との両立などのシミュレーションができ、不安材料をひとつひとつつぶしていくことができました」  現在は9~17時、週5日勤務で1日は在宅勤務だ。今年5月、法務統制部に異動。大学は法学部だったので、就きたかった職種への夢がかなった。  高い人材需要のある領域と、主婦が在宅などで柔軟に働けるリモートワークとのマッチングを進める動きもある。今年5月、人材会社WarisとITベンチャーMAIAなど4社が提携し「RPA女子プロジェクト」を立ち上げた。RPAとはロボットにより定型業務を自動化するシステムだ。例えばタイムカードの勤怠記録や申請された経費の交通費のチェックなど、人力で行われてきた作業を自動化することで業務の効率化を図る。 「RPAの設計作業は高いITスキルはいらず、人事や経理などの業務経験が生きる。女性向きの、いま注目の仕事です」(Waris広報)  同プロジェクトではオンラインで研修やOJTを実施。認定試験を設け、業務委託も始めた。小学生と幼稚園児の2人の子を持つ、前田美智恵さん(41)は研修を経て先月、9年ぶりに仕事復帰した。昨年まで約5年間、商社勤務の夫の海外転勤に伴い、ブラジルのサンパウロで暮らしていた。前田さんは言う。 「RPAの設計作業はリモートでどこにいてもできる。今後、夫が海外転勤になったとしても、例えば日本時間で終了した作業を私が海外時間で引き継ぐなんていうことも物理的には可能。そうなれば夫の転勤に左右されることなくキャリアを継続できるため期待しています」  今月、20年間のブランクを経て専業主婦が仕事復帰するドラマ「主婦カツ!」がNHKでスタート。企画した中尾幸代プロデューサー(39)は言う。 「女性の生き方は専業主婦か兼業かの二択。キャリアを積んだのち家庭に専念し、再び仕事で輝く『第3の生き方』もあることを提示したいと思いました」  オーダーメイドスーツを手がける「KASHIYAMA the Smart Tailor」の銀座ガイドショップには、再就職時の面接の服の相談に訪れる人もいる。フィッターの和田奈津子さん(37)は言う。 「学生のような黒のリクルートスーツでは合わないので、大人の体形にフィットした、紺やグレーのベーシックなスーツをお薦めしています」  前出の大嶋さんは、ブランクのある専業主婦の再就職について次のように指摘する。 「仕事の目標をあらかじめ固定して決めず、できることから始めるのが大事です。自分のスキルや家庭とのバランスを確かめながらスモールステップを踏んでいく。加えて今後は、再就職後も並走してキャリア相談にのるカウンセラーの存在がより重要になってくるでしょう」 (編集部・石田かおる) ※AERA 2018年10月8日号より抜粋
仕事働き方
AERA 2018/10/09 07:00
画家・入江一子102歳が「おばあちゃんって呼ばないで」という理由
画家・入江一子102歳が「おばあちゃんって呼ばないで」という理由
入江一子(いりえ・かずこ)さん/洋画家。1916年、山口県出身。小学校6年生の時に描いた静物画が昭和の御大典で天皇に奉納される。独立美術協会会員、女流画家協会委員。著書に『色彩自在』(三五館)、『101歳の教科書』(生活の友社)。(撮影/小山幸佑) 2017年の女流画家協会展に出品した「回想・四姑娘山(スークーニャンシャン)の青いケシ」。その制作風景はNHKでも紹介され話題に(撮影/小山幸佑) 2000年に「入江一子シルクロード記念館」を東京・阿佐ケ谷にオープン。開館日時などは来館前にホームページで確認を。http://iriekazuko.com/(撮影/小山幸佑)  100歳以上の人を英語では「センテナリアン」という。1世紀(センチュリー)以上生きてきた人は、その存在自体が発光している。いくつになっても「昔」ではなく、「いま」に恋する力があるからなのだろう。  洋画家の入江一子さんは、10月17日から東京・六本木の国立新美術館で始まる「独立展」の準備に追われていた。絵の制作はJR阿佐ケ谷駅から徒歩5分ほどの住宅街の中にある「入江一子シルクロード記念館」で行っている。  ドアを開けると、こぼれるような花、にぎやかな祭りの風景が目に飛び込んでくる。色とりどりの民族衣装を身に着けて踊る人々の力強さ、気高さ。入江ワールドのエナジーが満ちた空間には一瞬で魅了されてしまう。 「独立美術協会が主催する独立展と女流画家協会展が私の主な発表の場なんですよ。独立展には毎年200号(約2.6メートル×約1.8メートル)の絵、女流画家協会展には毎年100号(約1.6メートル×約1.1メートル)の絵を出品しています。大きなものですから、制作には1年かかります。それ以外に商品としての絵も100枚くらい描きますから、ほぼ毎日描いて暮らしている感じ(笑)」  タ、タフ。そう言えば、取材の申し込みの電話も入江さんご本人がとられましたよね? 「はい、耳がいいので。ヘルパーの方やお手伝いの方に助けていただくことも多いですけれど、自分でできることは基本、自分でやることにしています。そのほうがボケませんから」  幼い頃から遺憾なく才能を発揮してきた人だ。貿易商を営む家に生まれ、小学校、女学校時代は朝鮮半島の大邱(テグ)で過ごした。その後、女子美術専門学校(現・女子美術大学)に入学するために単身、日本へ。そして25歳の時に、満州で個展を開催する機会も得ている。 「戦後は日本に戻り、中学校や小学校の美術教員をしながら、絵の制作を続けてきました。好きなんですよ、自分が見たものを絵という形で人に伝えるのが。そしてそれを見て、人が喜んでくれるのが嬉しいの」  そんな入江さんが生涯のテーマとして描き続けるのが、シルクロード沿いで暮らす人々の姿と祭りだ。 「スケッチ旅行を始めたのは、53歳の時です。2000年までの31年間で三十数カ国訪れたでしょうか」  57歳の時訪れたイスタンブールでは燃えるように赤い朝焼けを見た。それは25歳の時に満州で見た真っ赤な夕焼けと重なった。 「この鮮やかな色彩を残さなければ。そしてこの鮮烈な色彩のパワーと人間のエネルギーが満ち溢れている民族の姿を残さなくては。その思いにかられて、そこからは私は憑かれたようにスケッチ旅行を繰り返しました」  入江さんはアフガニスタンのバーミヤンやシリアのパルミラ遺跡も訪れている。だが、バーミヤンの石仏もパルミラ遺跡もそののち、過激派組織によって破壊されてしまった。 「とても胸が苦しいです。私の目の中には、平和な暮らしを営む純朴な人々の姿が焼き付いているというのに。でもだからこそ、私は描き続けないといけないのかなとも思うんです。平和に暮らす人々の姿を描き続けることが、私という画家ができる“平和への祈り”だと思うから」  人は、人の役に立つことをしなくては。それは交流があった故・日野原重明医師の生き方を見て学んだ。 「自分の利益ばかりではなく、人のためになること、世の中のためになることを考えて生きないとね。自分勝手なことをやっている人は身を滅ぼすだけ。そして誰からも尊敬されないし、誰からも相手にされなくなります。自分から孤独な人生を招くことになるんです」  そして人にやさしくすること、家族を大切にすること、何気ない毎日の暮らしを丁寧に生きること。何事も起きない平和のありがたさに感謝すること。ともすれば疎かになりがちなことほど大切なものはないと、入江さんは実感している。 「平和は失われた時に初めて気付くんです。その意識を一人ひとりが持たないと」  今年の独立展の絵にも、入江さんの平和への深い祈りが込められている。  最後に皆さんに、入江さんからひとつだけお願いがあるという。 「私のことをどこかで見かけても、“おばあちゃん”って呼ばないでほしいんです」  やはり“お嬢さん”じゃないと、ダメでしょうか。 「そんなおこがましいことを言うつもりはありませんが、おばあちゃんは、やだ。心はおばあちゃんじゃないし、それに……」  はい? 「そんなことイケメンに言われるのは、絶対やだ(笑)」  やはり1世紀以上を生き抜く人たちは、一筋縄ではいかない人たちなのである。(赤根千鶴子) ※週刊朝日  2018年10月12日号
週刊朝日 2018/10/08 07:00
Hilcrhyme/ソロ名義のTOC、生誕祭でDJ松永(Creepy Nuts)&女性ファン37人をステージへ
Hilcrhyme/ソロ名義のTOC、生誕祭でDJ松永(Creepy Nuts)&女性ファン37人をステージへ
Hilcrhyme/ソロ名義のTOC、生誕祭でDJ松永(Creepy Nuts)&女性ファン37人をステージへ  HilcrhymeのTOCが、自身の誕生日である2018年10月4日、恵比寿リキッドルームで開催した自身初となる生誕祭【TOC生誕祭2018】のオフィシャル・レポートが到着した。 ライブ写真(全5枚)  自身の誕生日である10月4日に、【TOC生誕祭2018】を恵比寿LIQUIDROOMにて開催したHilcrhyme/TOC。 今年7月リリースの「One Man」、そして9月に日比谷野音にて開催されたワンマン・ライヴにて、本格的にHilcrhymeはMCであるTOC一人のプロジェクトとして始動。それを受け、今回のライブは、メインでステージに立つのはTOC一人なのだが、HilcrhymeとしてのTOC(トク)と、ソロとして5年前から活動を展開してきたTOC(ティーオーシー)の、2つのプロジェクトを同時に提示する構成で展開された。  まずはソロであるTOC(ティーオーシー)サイドからライブはスタート。ステージに明かりが灯り、Gucciのスタジャンに身を包んでステージに登場したTOCは、「Today is my birthday!」とシャウトし、2013年の誕生日にリリースされたソロ・デビュー曲「BirthDay」を披露。ソールド・アウトした会場は、ファンが手にするTOCの誕生日を祝う赤いサイリウムに埋め尽くされる。その光景にはTOCも驚いたようで「こんなLIQUIDROOM初めて見たよ。ありがとう」と会場にメッセージする。その言葉と呼応するように、会場からは「おめでとう」というコールが様々な場所から起き、その光景からは、TOCとリスナーとの深いつながりを感じさせられた。 「TOCのソロ・デビューから今年で5年目。毎回来てくれるみんなにお礼を言いたい。本当にありがとう。じゃあ俺のソロにとって重要な作品、アルバム『SAFARI PARK』から」とアナウンスし、2ndアルバム収録の「SAFARI PARK」、そして「関西からも仲間が来てるぜ!」と、ラッパーのMARとSNIPE、そしてTOCがヘッドを務めるレーベルであるDRESS RECORDS所属の弘Jr.をステージに招き入れ、「SIZE feat.MAR, SNIPE, 弘Jr. 」を披露し、会場の熱気を高めていく。  そして「お客さんにサイドキック(メインのラッパーをサポートする役目のラッパー)やらせるなんて、他にいないんじゃない?」という言葉から、客席からTOCの曲を歌える自信のある男性を立候補させ、その中から二人をステージに上げ、共に「Bird」を披露。自ら立候補しただけあり、TOCのラップをしっかりと援護し、TOCも「どうなることかと思ったけど、スゲえ良かったよ。流石俺のファンだな!」と満足げな表情を浮かべる。  そのままハードなビートに彩られた「リスキーダイス」、じっくりと聴かせる「過呼吸」とカラーの違う2曲を披露し、ソロとしての幅の広さを見せる。そして「ソロを5年間やって、当初から変わらない事がある、それは女性をステージに上げる事。今回は齢の数だけ女性をステージに上げたい」と宣言し、37人の女性ファン(!)をステージに上げ、まさに「女性に囲まれながら」、「HATE」を披露。異様な高揚感の中、女性にもみくちゃにされながらラップするTOCと、「何が起こってるんだ……」というあっけにとられた表情を浮かべるバックDJのDJ AGETETSUとのコントラストが、非常に印象的だった。  TOCソロのライブが終了すると、ステージには2年前までTOCのバックDJと務めていたDJ松永(Creepy Nuts)が、TOCの愛車の立体バースデー・ケーキを持って登場。同じ新潟出身であり、旧知の仲である二人の話は、際どい部分にも踏み込みながらも、「TOCさんはめちゃくちゃ正義感が強い、捨て身で人を助けられる、本当に凄い人」とDJ松永がTOCを評すれば、TOCも「松永は俺が去年落ち込んでた時に、むやみに励ましたりするんじゃなくて、良いニュースを出せるようになった時に、反応してくれた。それが嬉しかったし、信用できる」とお互いにへの信頼感を口にし、友情を感じさせるトークを展開。それに続いてはTOCがプロデュースするアイウェア・ブランド「One Blood」のサングラスなどが当たるプレゼント抽選会が行われ、「生誕祭」というコンセプトに相応しい、アットホームな雰囲気で、ライブは進行していく。  DJセットが片付けられ、黒のセットアップに衣装チェンジしたTOC(トク)が再登場すると、Hilcrhymeサイドのライブ・パートがスタート。  初っ端からHilcrhymeをスターダムに押し上げた「春夏秋冬」を披露し、会場からは大きな合唱の声が上がる。そして最近のライヴではあまり披露されなかった「チャイルドプレイ」がパフォームされ、その意図について「この曲はライヴでは久々にやったけど、今日のHilcrhymeのライブにはコンセプトがあるんだ。その意図に気づくかな?」とオーディエンスに謎を問いかけるTOC。  そのまま「じゃあ、こう続けていけば謎が解けるかな」と「BOYHOOD」、「友よ」、「Kaleidoscope 」を披露。「今日披露する楽曲は、2009年のデビューから、2010年、2011年って、リリースした曲を1年毎に披露してるんだ。しかも俺が気に入ってる、好きな曲に絞ったから、そのチョイスも楽しんで欲しい」と、Hilcrhymeパートの選曲コンセプトについて解説する。  そして、「めんどくさい女子に捧げるよ」と「Lost love song」、「めんどくさい男子、一緒に歌ってくれ」と「言えない言えない」と展開し、Hilcrhymeの構築性の高いラヴ・ソングを会場にアピールする。 「9月の野音では、初めてステージ上で涙が止まらなくなったんだ」と、ワンマンライヴを振り返るTOC。「だけど今は笑っていこうぜ!」と、オーディエンスと共に「笑え」とコール・アンド・レスポンスしながら、「WARAE ~In The Mood~ 」、そして「恋の炎」とラスト・スパートをかけ、ラストは最新曲となる「アタリマエ」を披露。活動を中止しなければならなかった事態があったからこそ、いまはHilcrhyme、そしてTOCがリスナーにとってオーディナリーである、つまり「当たり前の存在」である事を、強くオーディエンスに宣言した。 「楽しんでくれた? どこに行っても帰ってくる場所は俺だから、またみんな遊びに来てよ。仲間と、そしてあなたに感謝を。気をつけてね。バイバイ」と軽やかにステージを降りるTOC。その背中に大きな声援が沸き起こり、この日のステージは終了した。  HilcrhymeとTOC。ベース・ミュージックの吸収やエッジなサウンド感といった最新系のヒップホップとのリンクや、タイトで力強いハードなラップ・スタイルなど、ストリートとの接続性を感じさせるTOCソロ。ラップとメロディアスなヴォーカル性を混和させたスタイルと、J-POPとの親和性の高いトラックで、ポップスとしての機能性を高めるHilcrhyme。共にTOC一人でのプロジェクトではあるが、その違いは、ざっくりと言えば、そう切り分けることが出来るだろう。そして、そういったそれぞれのスタイルの違いをこの一夜の中で見せることで、その感触の違いを、リスナーにしっかりと提示した【TOC生誕祭2018】。その意味でもTOCが、Hilcrhyme/TOCの2つをどのようにこれから動かしていくのか、そしてどのようなカラフルな世界観を提示していくのか、今後の展開を期待させられる、非常に充実の好イヴェントだった。  TOCは、この生誕祭を毎年10月4日に開催していくことを高らかに宣言。ぜひ、予定していてほしい。  また、本公演では、2019年1月9日(水)にLIVE DVD/Blu-ray 『Hilcrhyme LIVE 2018「One Man」』が発売されること、そしてこの映像作品の発売を記念したHilcrhyme出演のトーク+先行上映会を12月26日より全国5都市で開催することが発表された。 Text by 高木“JET”晋一郎 Photo by Real☆SHOT MASATO ◎セットリスト 【TOC生誕祭2018】 2018年10月4日(木)恵比寿LIQUIDROOM <TOC> 01. BirthDay 02. 武器と勇気 03. SAFARI PARK 04. SIZE feat.MART,SNIPE,弘Jr. 05. Bird 06. リスキーダイス 07. 過呼吸 08. HATE <Hilcrhyme> 01. 春夏秋冬(27歳/2009年発売) 02. チャイルドプレイ(27歳/2009年発売) 03. BOYHOOD(28歳/2010年発売) 04. 友よ(29歳/2011年発売) 05. Kaleidoscope(30歳/2012年発売) 06. NEW DAY, NEW WORLD (31歳/2013年発売) 07. Lost love song(32歳/2014年発売) 08. 言えない言えない(33歳/2015年発売) 09. WARAE ~In The Mood~(34歳/2016年発売) 10. 恋の炎(35歳/2017年発売) 11. アタリマエ(36歳/2018年発売) ◎リリース情報 LIVE DVD/ Blu-ray『Hilcrhyme LIVE 2018「One Man」』 2019/01/09 RELEASE <Blu-ray(1枚組み)> POXE-12100 / 6,800円(tax out) <DVD(2枚組み)> POBE-12100/1 / 5,800円(tax out)
billboardnews 2018/10/05 00:00
これまで柔道で獲得したメダルの数は? 柔道のうんちく6連発を紹介!
これまで柔道で獲得したメダルの数は? 柔道のうんちく6連発を紹介!
【東京五輪で輝け! 阿部一二三 選手】1997年生まれ。兵庫県出身。日本体育大学3年生。6歳のときに柔道を始め、兵庫県の神港学園高校に進み、17歳のときに国際大会グランドスラム東京で史上最年少優勝を果たした。2017年に初出場した世界選手権の66キロ級では、豪快な投げ技を武器に全6試合中5試合で一本勝ちし、見事に優勝した。 (c)朝日新聞社 パラリンピック2016年リオ大会の柔道男子100キロ超級(視覚障害)3位決定戦。払い腰で一本勝ちする正木健人選手(左) (c)朝日新聞社 1964年10月10日の東京五輪開会式。抜けるような青空に、航空自衛隊の曲技飛行チームにより五輪マークが描かれた (c)朝日新聞社  クラブ活動からオリンピックまで、規模もレベルもさまざまな舞台で、多くの人を夢中にさせるスポーツ。話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』では、毎号、一つの競技を取り上げて、やっても見ても楽しくなるうんちく(深~い知識)を紹介するよ。今回は、柔道を取り上げるよ。 <競技の内容>  畳の上で相手と組み合って、投げたり抑え込んだりして相手を制し、その稽古を通して心身を鍛える日本の武道。技の決まり方には「一本」と「技あり」の2段階があり、どちらかの選手が「一本」、または「技あり」二つで「合わせ技一本」をとれば、その時点で勝ちとなる。五輪は個人種目が男女別、体重別(7階級)で行われ、2020年東京五輪では新種目として男女混合団体が加わる。 ※2016年12月にルールが試験的に改正され、「一本」と「技あり」のほかにあった「有効」がなくなった。「合わせ技一本」もなくなったが復活。 <柔道のうんちく6連発!> (1)「柔道の父」は日本の「五輪の父」  柔道は、明治時代に嘉納治五郎が、日本に昔からあった武術「柔術」のさまざまな流派をまとめ、勝負を競うだけでなく、心身を鍛える武道に発展させて生まれた。嘉納は、柔道以外のスポーツの普及や発展にも力を尽くし、日本最初の国際オリンピック委員会(IOC)委員となり、日本が初参加したストックホルム大会では団長を務めた。 (2)五輪メダル数は合計84!  五輪種目になったのは男子が1964年の東京大会から、女子は92年のバルセロナ大会(スペイン)から。日本のお家芸ともいわれて毎回、好成績を残し、2016年のリオ大会(ブラジル)までに獲得したメダルの数は合計84にもなる。 (3)柔道着の色は昔は白だけ 今は白と青  柔道着の色は、以前は伝統的に白と決められ、特に日本では、白が清い心の象徴とされてきた。しかし、海外の関係者から、対戦する選手がどちらも白色だと区別しにくいなどの声が上がり、1998年以降、五輪などの国際大会では白と青の2種類が使われるようになった。ただし、日本国内の試合では、現在も白の柔道着だけが使用されることが多い。 (4)フランスの競技人口は日本の3倍以上  フランスの柔道の競技人口は約60万人(2013年)。日本は約16万人だから3倍以上になる。男女で楽しめ、体の小さい人でも大きな人を倒せるのが人気の理由だ。男子100キロ超級のテディ・リネール選手は、12年のロンドン大会(イギリス)、16年のリオ大会と五輪2連覇している。 (5)2020東京では初の団体を男女混合で!  五輪ではこれまで個人種目だけだったが、2020年の東京大会では初めて団体種目が行われる。男子3人(73キロ以下、90キロ以下、90キロ超)、女子3人(57キロ以下、70キロ以下、70キロ超)の合計6人チームで戦う。17年の世界選手権では五輪にさきがけて男女混合団体戦が行われ、日本が初代王者に輝き、今年は連覇がかかる。 (6)組んでから始まるパラ柔道は大技が出やすい!  一般の柔道では、最初は両者が離れて立ち、互いに相手の柔道着の襟の有利な位置をつかもうとする「組み手争い」の駆け引きが繰り広げられる。しかし、視覚障害者が行うパラリンピックの柔道は、組み手争いがなく、襟と袖をつかみ、組み合った状態から始まる。だから、いきなり技の掛け合いになり、大技が出やすい。 ◆パラリンピック種目でもある! 【柔道】 パラリンピックの柔道は、視覚障害者だけで行われる。2020年の東京大会では男女混合団体戦はなく、男女別・体重別の階級制で行われる。一般の柔道と大きく違うのは、試合の始め方。両選手が互いに相手の襟と袖をつかみ、組み合った状態から「はじめ」となる。 ※月刊ジュニアエラ 2018年10月号より
ジュニアエラ朝日新聞出版の本東京五輪読書
AERA with Kids+ 2018/10/04 16:00
稼げる人だけがやっている! 「はじめての仕事」がうまくいくコツ
稼げる人だけがやっている! 「はじめての仕事」がうまくいくコツ
和田裕美(わだ・ひろみ)/京都生まれ。作家 株式会社HIROWA代表、京都光華女子大学キャリア形成学科客員教授。営業力・コミュニケーション力・モチベーションアップのための講演・コンサルティングを国内外で展開している。累計200万部超の著書に、『世界No.2セールスウーマンの「売れる営業」に変わる本』『幸せをつかむ! 時間の使い方』『人づきあいのレッスン』『「やる気」が出るコツ、続くコツ』『和田裕美の営業手帳』(以上、ダイヤモンド社)など多数。外資系教育会社でのフルコミッション営業時代、世界第2位の成績を残し、その後、女性初の最年少支社長となった実績がある。●毎日配信、登録無料「ワダビジョン」 http://special.wadahiromi.com/mailmagazine/ ●Twitter @wadahiromi●和田裕美ブログhttp://ameblo.jp/wadahiromi/ 「よし、稼ぐぞ!」なんて意気込んで就職したはずなのに働き始めて1週間、1ヵ月と経過するうちに「この仕事、向いてないわ…」「イメージと違った」などと弱気になっていく。  誰もが経験あるのではないでしょうか。  外資系教育会社でのフルコミッション営業時代、世界第2位の成績を残し、独立後に出版した書籍は累計200万部超えの作家・和田裕美さんが教える「楽しく稼ぐ人になる方法」とは?  彼女が20年かけて伝えてきたことの集大成である書籍『何もなかったわたしがイチから身につけた稼げる技術』の一部を再構成してご紹介。 ●稼げる人には共通する「思考グセ」がある 「わたしの周りには、楽しくお金を稼いでいる人がたくさんいるなあ」  友人たちと食事をしながら、そんなことを思いました。  友人たちの職種は実にさまざま。  生き生きとしている人は、得意分野を生かして前向きに行動しているのです。  彼女、彼らと接していて思うのは、共通する「思考グセ」があるということです。  もちろん、稼げる技術を持っている人も! 「こんなとき、あなたはどうする?」と聞いたら、きっと全員が似たような答えをくれるのではないでしょうか。  たとえば、こんな具合です。  ある会社に、同い年の新人さんが2人同時入社しました。  2人は先輩から同じ指導をされ、同じ課題を出されました。  しかし、日が経つにつれ、Aさんは仕事のモチベーションがどんどん下がり、表情も暗く、ミスも連発してしまいます。  一方のBさんはいつも楽しそう。スポンジのように仕事を吸収していきます。  2人はもともとの能力に差があったわけではありません。  同じ境遇の人間に、なぜここまで差が出たのでしょうか。 ●仕事の「とらえ方」が違う2人  入社してすぐは覚えることだらけです。 「これやって、あれやって」と慣れない仕事を次々振られると、それなりにプレッシャーがかかります。  Aさんは「やばい、全然仕事が追いつかない。なんか、つらい。この仕事、わたしには向いていない……」どんどん自信をなくしていきました。  Bさんは「やっぱり入社してすぐは覚えることが多いし体力も使うなあ。まあ、でもこれも数カ月のことだからがんばろう。そもそも新人なんだから未熟なのは当たり前。修行期間なんだと割り切って、イチから学ばせてもらおう。先輩、これ教えてください!」と、前向きにとらえています。  お金を楽しく稼ぐタイプの人は、みんなBさんと同じ思考グセがあります。  落ち込むときもあるけど、いつも笑顔で前向きなんですね。 ●お金をもらいながら専門学校に通っていると思う  これはわたしのアイデアです。  新人さんのうちは、「お金をもらいながら専門学校に通わせてもらっている」と思うようにすると、心がふわっと軽くなります。  だって、そうだと思いませんか?IT企業のエンジニアがデザイン事務所に転職しようとすれば当然専門スキルが必要で、何も勉強しないまま採用試験を受ければ、「最低でも半年、学校なり独学なり勉強して出直してきて」と突き返されちゃうと思うのです。  こうした「訓練過程」をスキップして、未経験でもいきなり雇ってもらえるのです。 ●有給でプロからの指導あり。「これはラッキー」と思う  有給でプロに指導してもらえるのだから、最初のうちは薄給だとしても、もらえるならラッキー!くらいに思ってしまおうという提案です。  専門学校に通っている身であれば、先輩のダメ出しも前向きにとらえられるはず。 「わたし、ここが弱点だったんだ」 「強化すべき点がわかった」 「今のうちに集中的に学んでおこう」と、先述したBさんのように、前向きに取り組めるはずなのです。 「お給料をもらっているのに『勉強』とはなんだ!」と不愉快に思う上司がいれば、そうしたことを一切口にせず、そっと心の中で言えばいいのです。 「お金をもらって仕事に必要なことを教えてもらって、本当おトクだわ~」  こんな調子で明るく心の中で叫べば、自然と笑顔になりますし、叱られたとしてもクヨクヨせずにすみます。  繰り返しますが、序盤からガンガン成果が出なくても気にしなくて大丈夫です。  むしろ、ビギナーズラックのように売れてしまうほうがこわい。 「わたしって天才かも」なんて過大評価をしてしまって、学ぶ姿勢を忘れがちになるからです。  これは、20代の頃のわたしが上司に再三言われてきたことです。 「人は自分を天才とか完璧とか思った瞬間に、成長が止まる」  完璧じゃないと思えば、何歳になっても成長できるんだという意味です。 ●自分の未熟さ=成長のチャンス  2018年1月に、ライフネット生命保険株式会社の創業者の出口治明さんが立命館アジア太平洋大学(以下APU)第四代学長に就任されました。  APUといえば、学生の半分が海外からやってきた学生で、教員はドクターであること、日本語と英語が堪能と、とてもハードルが高いことで有名です。  出口さんは現在70歳。教育の分野は素人だからと、学内をヒヤリングして回っていらっしゃるのだそうです。いくつになっても前向きにチャレンジされていて、すごいですよね。 「自分なんてまだまだだ」と感じたら「成長のチャンス到来!」とほくそ笑んじゃいましょう。
仕事働き方
ダイヤモンド・オンライン 2018/10/01 17:32
大坂なおみはファッションも「ただ者じゃない」 ドン小西が絶賛
大坂なおみはファッションも「ただ者じゃない」 ドン小西が絶賛
1997年、大阪府生まれ。3歳で米国に渡り、2013年にプロに転向。16年にはグランドスラムの全豪、全仏、全米オープンで3回戦進出。9月9日(日本時間)、全米オープンで優勝し、世界ランキングトップ10入りを果たす。9月13日、東レ・パンパシフィック・オープンで帰国 (c)朝日新聞社 9月13日、東レ・パンパシフィック・オープンで帰国し会見(撮影/遠崎智宏)  9月13日、東レ・パンパシフィック・オープンで帰国し会見、17日はレセプションパーティーと大忙しだったプロテニスプレイヤーの大坂なおみ。ファッションデザイナーのドン小西氏がファッションチェックした。 *  *  *  まず驚いたのは、全米オープンのフォトセッションで着ていたコム デ ギャルソンの白いワンピースだね。コートとは打って変わってものすごくフェミニンで、しかもそれを自然に着こなすあたり、ただ者じゃないと思ったよ。  で、次に驚いたのは今回の帰国時。ボーダーのミニドレスで、原宿あたりで見るスポーツミックスそのまんまだよね。その後も、OL向け通販で人気になりそうなパンツファッションとか、白いドレスに比べるとなぜか似合わない黒の上下とか、帰国中だけでもバリエーションがすごい。なのに、どれも自分のものにして、馴染んでるのがさすがだよ。女子テニス界ではモデルタイプのシャラポワが、ファッションリーダーだった時代もあったけど、今は自然体の彼女。時の流れを感じつつ、これからも絶賛応援しております! (構成/福光恵) ※週刊朝日  2018年10月5日号
週刊朝日 2018/09/29 16:00
ランニングドクター直伝「女性による、女性のための走り方」
ランニングドクター直伝「女性による、女性のための走り方」
秋風のなか走るのは気持ちいい。呼吸でリズムを整え、笑顔で走ることがコツだという(撮影/岡田晃奈) 【ランニングドクター】林幸枝(はやし・ゆきえ)/昭和大学歯学部を卒業。矯正歯科、予防歯科、口腔リハビリテーションなどの歯科医として活動。NPO法人日本医師ジョガーズ連盟公認ランニングドクターに登録(撮影/岡田晃奈) ランナー5カ条(AERA 2018年10月1日号より)  走るにはいい季節になってきた。「今年こそは」と考えている人もいるだろう。記録を伸ばすより、気分もよくなり健康になる「RUN」とは、一体どんなものか。 *  *  *  ラブラブだった男女の仲が、憑きものでも落ちたように冷めることを「秋風が立つ」という。「秋風」を「飽き風」に引っかけた、古今和歌集にも出てくる太古のシャレだ。  一方、中高年ランナーのはしくれである自分の場合、秋風はいわば「飽きてないわよ風」。「こんな暑さのなか走るのは、体に悪い(ラッキー)」とサボりまくっていたけれど、秋の気配とともに、またしぶしぶランニングシューズを出してきた。  というわけで、東京オリンピック2020の選考会も兼ねる来年の東京マラソンの申込期間は、残念ながらもう終わってしまったが、秋風と一緒にせっかく戻ってきた走る気。大事に育てていきたいと思う。  そうして訪ねたのは、歯科医師で、全国のランニングイベントでランニングドクターも務める林幸枝さん(51)だ。ランニングラボと矯正歯科室が一体になった「ラントゥービーラボ」(東京都品川区)を、夫でプロランニングコーチの金哲彦さんとともに運営している。  今回林さんの教えを請うのは、本誌デスクと自分の、中高年女子コンビ。ちなみにデスクは今年2月の誌面で、仕事のうっぷんを「次の日の業務に支障が出るほど」ハードな深夜のランで晴らすことを告白。金さんに「ヤケ走り」と認定された。 「私が走るようになったきっかけも、ストレスからの解放でした」  そう話す林さんがランニングを始めたのは、金さんと出会う前の39歳のとき。歯科医として働きながら、父の介護でいっぱいいっぱいになっていたときだった。お酒やスイーツで、がんばる自分を甘やかす日々だったが「第1回東京マラソン」のポスターを地下鉄で見かける。 「東京でマラソンをやるんだ、と目にとまった。精一杯世話をしても意思の疎通が取れずにイライラしていたとき、そのポスターを思い出して何げなく走ってみたら、気分がすっきりした。クセになって、5分が10分に、10分が15分にと走れる時間が延びていったんです」  その第1回東京マラソンに出場して見事完走。以降は、多くのマラソン大会を走破している。林さんが考えるようになったのは「特に女性に実践してほしい」というリズムを意識したランニング法だ。まず走るときのリズム。ゆるい一定のリズムを呼吸で刻んで走ってみると、ご飯がおいしくなるし、メンタルの変化も大きいと気がついた。 「実は歯科医と関係の深い噛むという行為にも、人それぞれに一定のピッチがあり、自分に合ったリズムで噛むとセロトニンという幸せホルモンが脳内に放出されることがわかっている。ランニングも似ていて、その人に合ったリズムで走れば、気持ちが落ち着き、幸せを感じることもできるんですよね」  生理や排卵など、約1カ月のリズムがある女性の場合は特に、こうしたリズムが重要だと林さんは考える。トレーニングメニューも、こうした体の周期に合わせて組み立てることを、女性ランナーに提案している。 「生理のときは骨盤が開くなど、女性の体の周期は骨格とも関係しています。このリズムを無視して過度に練習すると、体に不調が出ることが多いのでは」  具体的に生理前は、スロージョギングなど燃焼系の有酸素運動、生理中は骨盤が開いているので、無理せず徐々に軽い運動を。一方、生理が終わったあと5日後くらいからはストレッチを加え、その後タイムトライアルなど、追い込むトレーニングをするのに向いているという。  ちなみに閉経前後でも心配ご無用。満月を生理日に見立て、28日間の周期をランニングによって作れば、長年慣れ親しんだ体内時計のリズムを、呼び戻せることもあるとか。イエース!  もうひとつ、女性ランナーでありがちなのは、がんばりすぎてしまうこと。 「今日より明日、明日より明後日と、記録が伸びないと気がすまなくなってしまう」  と、ヤケ走りのデスクも言う。自分にも心当たりがある。たった3センチほどの段差で派手に転ぶとか、好きなタレントの名前を忘れるとか、脳を含めた身体能力は右肩下がりの一途。ところが毎日走っていれば、誰でも走れる距離は延びる。自分が若返ったと勘違いする。 「走れると、それだけで健康体と思い込む女性は多いのでは。でも普段体のリズムが狂うような習慣があると、健康を害すのは誰でも同じ。長く健康で、美しくいられることをモチベーションに、ランニング中は『気持ちよく走れてる?』と、体の声に耳を傾けるのがいいですね」  そう林さんから教えてもらったところで、いよいよ実践練習だ。ウェアに着替えてランナーが多い公園に向かった。  ところで自分が走るのは、たぶん冬以来。汗をかいているせいだと思いたいが、以前はすんなり入った気がするタイツやスポーツブラが、妙にキツい。スポーツブラにいたっては、装着している途中で、脱ぐことも着けることもできなくなり、阿波踊りのような格好のまま緊急停止。夫にブラを引っ張って助けてもらうという失態を演じてしまった。というか、そんなことよりランニングだ。 「走るポイントは大きく三つ。丹田や肩甲骨を意識すること。そして特に腰の姿勢ですね」  まず体の重心である丹田は、地面に対して垂直になるように着地。「シューズの先がちらっと見える」前傾姿勢が基本となる。肩甲骨は大きく回し、ここからリズミカルに腕を振ってピッチを刻んでいく。お尻を落とさず、猫背にならないように。  これらの重要ポイントを押さえ、準備体操をしたあとは、3人でレッツ!ランニング。 「はい、口角を上げましょう。ほっぺたが、サングラスの縁にかかるくらい思い切り!」  林さんから何度も注意が飛ぶ。口角を上げると幸せホルモンが発生。走る苦しさから脱却するには、手軽な方法だという。  もうひとつ、林さんが実践しているのが「ランニング瞑想」だ。こちらヨガからヒントを得たもので、時間を三つに分け、最初は「今日のこと」、次に「過去の過ち」、最後に「未来のこと」を走りながら考える。  例えば「今日のこと」はここに来るまでの一日を回想、「未来のこと」は、「社長になる」など人生の目標でも、「このあとサウナに直行してビール」みたいなご褒美の妄想でもOK。問題は「過去の過ち」。 「私の場合は父にもっとやさしくしてあげたかったなどと考えるかもしれない」(林さん)  自分の場合は子ども時代に飼っていた亀のことを思い出していた。冬眠させてやろうと土を掘って埋めたところ、普通に生き埋めにしてしまった。ごめん。こんな感じで老いも若きも女子はゆるゆるランニング。口角上げて! スマイル0円!(ライター・福光恵) ※AERA 2018年10月1日号
ダイエット健康女子
AERA 2018/09/29 07:00
女子バレーの新星・黒後愛、最高峰の舞台で“絶対的エース”へ【田中夕子】
女子バレーの新星・黒後愛、最高峰の舞台で“絶対的エース”へ【田中夕子】
女子バレー日本代表の黒後愛(写真:getty Images)  2020年に、伝説となるチームをつくる。  16年10月に女子バレー日本代表監督に就任した中田久美は、そう目標を掲げた。1964年の東京五輪で正式種目として採用されたバレーの女子日本代表が金メダルを獲得し、今なお「東洋の魔女」として輝かしい伝説であり続けるように、2年後の東京五輪で再び――。  だが、現実は険しい。  東京五輪の前哨戦として臨んだ今夏のアジア競技大会。酷暑のインドネシア・ジャカルタで開催された大会を2020年のシミュレーションとしたが、中国、タイ、韓国に敗れて結果は4位。表彰台に上がることすらできずに終えた。  そんななか、2年後を見据えて経過ではなく結果が問われる今季の最終戦であり、シーズン発足時から“最重要”として位置付けてきたのが9月29日に開幕する世界選手権だ。バレーボールは例年さまざまな国際大会が開催され、テレビ中継時もそれぞれが「世界一決定戦」と謳われるため、どれがどんな大会なのか、詳しくなければ区別はつきにくいが、世界選手権は三大大会と呼ばれる国際大会の中で最も出場国が多く、長い歴史を誇る大会である。2年後の五輪で上位進出を果たすためには世界選手権で結果を残さなければ厳しい、そう言っても過言ではない、大きなウェイトを占める大会だ。  1カ月にも満たない期間で、6チームによる1次ラウンドを勝ち抜いた上位4チームが2次ラウンドに進出。さらに、そこからまた上位3チームが3次ラウンドに進出し、トップ6による3次ラウンドを勝ち抜いた4チームが準決勝、決勝を戦うハードスケジュールだ。この厳しい戦いを勝ち抜くためには、それぞれの役割を果たし、強い「チーム」として戦うことが大前提ではあるが、同時に、苦しい戦いが続くからこそ「ここで決めてほしい」という場面で得点をもぎ取り、勝利をもたらすようなチームの軸、エースと呼ぶべき存在の確立も世界選手権では注目すべきポイントの1つになるのではないだろうか。  16年のリオデジャネイロ五輪までは、アテネ、北京、ロンドンを含めた四度の五輪に出場した木村沙織がその役割を担ったが、17年3月の引退以後、攻守両面、さらに勝負強さにおいて、木村を超える存在はいない。もちろん誰もが木村になれるわけではないが、エース待望論が続く中、中田監督もその役割を担う存在として期待を寄せるのが、これが三大大会デビューとなる20歳の黒後愛だ。  下北沢成徳高ではエースとして全国大会を制し、攻撃の中心としてだけでなく、サーブレシーブを含む守備面でも活躍、名実共にチームの柱として牽引した。自らのプレーで示すだけでなく、リーダーシップも備えており、中田監督も「スパイクが決まらなくても折れないで、立ち向かって行ける強さがある」と称賛する。黒後自身は「まだまだ自分は課題しかない」と謙遜するが、下北沢成徳高の小川良樹監督や、U-23、ジュニア日本代表(U-20)の安保澄監督からの評価も高く、黒後が現在所属する東レ・アローズの菅野幸一郎監督も「間違いなく近い将来、日本のエースとしてバレー界を引っ張る存在」と公言するほどだ。  下北沢成徳高、東レと所属先も同じでポジションも同一であることから、木村と比較されることも多い。同じバレーボール選手であり、互いに1人の選手なのだから、ポスト、だの、後継者、と呼ばれることについて、少なからぬ嫌悪感はないのかと尋ねると、当の本人はあっけらかんと笑う。 「私なんかが沙織さんと比べられていいの? って感じです。沙織さんの存在は偉大すぎて、比べるところまで全然たどり着けていないし、むしろ『どうなればそこまでいけるんだろう』って私が聞きたいぐらいなんです」  さまざまなテクニックを備えた木村に対し、黒後は高校時代からトレーニングで培ったパワーが持ち味ではあるが、もともとは速いトスを打つのも得意で、器用さも併せ持つ。体幹の強さは攻撃面だけでなく守備面でも発揮され、ジャンプフローターサーブに対するオーバーハンドでのサーブレシーブは国内トップクラスと言っても過言ではない。  子供の頃から憧れだった、という木村の存在が黒後の中でより際立ったのは、8年前に日本で開催された世界選手権で銅メダルを獲得する姿。木村が最後の1本を託され、決め切ったアメリカとの3位決定戦は今でもよく覚えている。ネーションズリーグ、アジア大会と期待値が上がるごとにプレッシャーも増すが、「どんな状況でも自分がやることは同じだし、あまり気負いはない」と言う若きエースが、世界の猛者を相手にどこまで戦うことができるか。いよいよ始まる世界選手権に向け、黒後が言った。 「テレビで見ていた大会に自分が出られるなんて思いませんでしたが、世界選手権はたくさんの方の思いがつまった大会なので、ここでしっかり結果を残したい。それが自分たちにできることだと思うので、結果にこだわって、持ち味を生かせるように頑張ります」  1次ラウンドで対戦するオランダ、2次ラウンドでの対戦が見込まれるブラジル、セルビアなど世界各国も2年後の五輪を見据え、試すのではなく、世界選手権に万全の準備で勝負をかける。本気の“世界”に対して、どれだけひるまず、黒後は持ち前の勝負強さを発揮することができるか。そして、エースとして日本を勝利に導くことができるのか。  29日、アルゼンチンとの開幕戦から真価を問われる戦いが幕を開ける。(文・田中夕子)
dot. 2018/09/28 16:00
ミッツ・マングローブ「初制覇! 女装たちのグランドスラム」
ミッツ・マングローブ ミッツ・マングローブ
ミッツ・マングローブ「初制覇! 女装たちのグランドスラム」
ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する 写真はイメージです (c)GettyImages  ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、「女装たちの妄想」を取り上げる。 *  *  *  日本人がグランドスラム大会のシングルスで優勝するなど、私にとっては『まず起こり得ないランキング』のトップ項目のひとつでした。松岡修造さんが「優勝も夢じゃない!」と叫び続ければ続けるほど、それはいつも既(すんで)のところで阻まれてしまう『究極の夢』なのだと腹をくくった上で、私は長年テニス観戦に向き合ってきました。しかし、『その日』はこんなにも突然やってくるものなのですね。  何故かいちばん感慨がこみ上げたのは、優勝を決めた試合の映像でも優勝トロフィーを掲げた写真でもなく、新聞やネット記事に記された『大坂なおみ全米優勝』という『文字』でした。今までも『伊達ベスト4』『杉山愛ダブルス優勝』『錦織決勝進出』といった見出しが躍るたび、何度も目に焼き付けては、まるでエベレスト登山のように、時間をかけてランキングや成績を上げ、歴史を塗り替え、それでもなかなか頂(いただき)には手が届かない日本テニスの歩みをずっと噛み締めてきたので、この『全米優勝』の4文字には若干の戸惑いさえ覚えます。しかも4大大会ベスト8の経験もなく、世界ランキングトップ10にすら入る前の段階でグランドスラム制覇をしてしまうなんて、かつての旧共産主義国の選手でもなかったことです。  中学時代をウィンブルドン周辺で過ごし、伊達公子さんのデビューやマイケル・チャンの全仏優勝を目の当たりにした私は、「ついにテニス界のセンターコートにもアジア系が食い込んでいける時代が来た!」と発奮し、自らも女子プロテニスプレーヤーとして89年にプロデビューすることを決意。以来、世界中を転戦する日々を送る中、割かし早い段階から頭角を現し、90年には初めてウィンブルドンの決勝に進み(ナブラチロワに敗れる)、その後2000年の引退までの11年間で、ウィンブルドン2勝・全仏1勝・全米1勝という輝かしくも非常に図々しい成績を残しました。しかしそんな私とは裏腹に、2011年に中国の李娜(リー・ナ)が全仏で初優勝を果たすまで、アジア系テニス界の行く手は前述通り決して甘いものではありませんでした。私がこんなに何度もグランドスラムを制することができたのは、『起こり得ない夢』をひたすら妄想の中で叶え続けていたからに他なりません。  現実世界では妄想のやり過ぎで社会不適合者となり、25歳で『新宿2丁目の女装』としてプロデビューという結果に流れ着いた私。でもその時、周りの女装仲間たちもみんな似たような妄想人生を生きていたことを知り驚いたものです。マツコさんなんて、ほぼ私と同時期に女子プロテニス界を牽引し、私が唯一勝てなかった全豪オープンを2度も制していたというではありませんか。さらには女子フィギュアスケート選手としてもリレハンメルとソルトレイクシティ五輪に出場していたとか。  女装たちの妄想は、言うならば『日本人の夢』です。大坂なおみ選手のグランドスラム制覇によって、ようやく私たちも本当の意味での『引退』ができます(荒川静香さんがトリノ五輪で金メダルを獲った時もマツコさんは「これでやっと引退できる」と泣いていた)。ちなみに私は日本人初のグラミー賞(最優秀レコード賞)歌手でもあります。あと、英国王室にも嫁いでいます。 ※週刊朝日  2018年10月5日号
週刊朝日 2018/09/26 16:00
テイラー・スウィフト、実写版『キャッツ』の役どころは? アンドリュー・ロイド・ウェバーが言及
テイラー・スウィフト、実写版『キャッツ』の役どころは? アンドリュー・ロイド・ウェバーが言及
テイラー・スウィフト、実写版『キャッツ』の役どころは? アンドリュー・ロイド・ウェバーが言及  米ショービジネス界のグランドスラムと呼ばれる“EGOT”―【エミー賞】/【グラミー賞】/【アカデミー賞】(オスカー)/【トニー賞】―を全て受賞という偉業を9月に達成したばかりのアンドリュー・ロイド・ウェバー。今年70歳になった彼は現在『シンデレラ』のミュージカルに取り組んでいる他、作曲を手掛けたミュージカル『キャッツ』の実写版の準備にも追われている。  『英国王のスピーチ』で知られるトム・フーパー監督の実写映画ではジェニファー・ハドソンがグリザベラ役で主演している他、ジェームズ・コーデンやイアン・マッケランなども出演するが、2匹の猫を溺愛していることでも有名なテイラー・スウィフトの出演が決定したことも大きな話題になっている。  ウェバーはVultureとのインタビューでテイラーについて、「“マキャヴィティ”(を歌っている)女子(ボンバルリーナかディミータ)のどちらかを演じる予定だ」と明かしたが、どちらになるかはまだ決めていないと話している。「まあ要するにトム・フーパーがすごくいい考えだと思ったんだよ。もちろん彼女は猫が大好きだしね」と彼はテイラーがキャスティングされた経緯を説明し、「そのうち分かるよ。まだ会ったことがないから、会って彼女の仕事ぶりを見るのが楽しみだ」と話している。  ウェバーによると実写版『キャッツ』は11月にクランクインする予定で、現在リハーサルが行われているそうだ。全米での劇場公開は2019年12月20日に決定している。
billboardnews 2018/09/26 00:00
憎い“ほうれい線”! 目立たなくする簡単30秒マッサージ法とは?
憎い“ほうれい線”! 目立たなくする簡単30秒マッサージ法とは?
人さし指の腹を使い、ほうれい線に沿ってらせんを描きながら、下から上に押す 出口アヤさんの30秒セルフマッサージ(週刊朝日2018年9月28日号から) 佐竹真実さんが実践する10のポイント(週刊朝日2018年9月28日号から) 佐竹流「筆によるリンパ流し」。絵の具の筆などで顔の外側に向かってなでるだけ。最後は首からリンパ節へと流す シートパックとは化粧水マスクのこと。化粧水を染み込ませて肌にのせ、乾くまでおく  鏡の前で笑ってみる。すましてみる。すねてみる……どれもダメ。鼻の両脇から口の両端に伸びるライン。このくっきりしすぎた「ほうれい線」が憎い。何とかしたい。すがる思いで、専門家を訪ね回った。  初対面の人の年齢を想像するとき、ほうれい線は大きなバロメーターとなる。その「くっきり度」で、見た目の印象は大きく異なる。 「オンナは口から年をとる」とはよくいったもの。頬の脂肪が重力に負けて下に落ちてくると、口の横に非情なる“加齢のサイン”が浮かび上がる。ほうれい線に悩むこと、すでに15年超。諦めきれない記者(49)は徹底取材に乗り出した。  まず、NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長の塩谷信幸医師を訪ねた。御年86の北里大学名誉教授だ。 「これまで老化の象徴といえば、もっぱら『カラスの足跡』といわれる放射線状の目元の小じわでした。ここ数年、ほうれい線を気にする人も多いですね」  ほうれい線は「線」ではない。頬と口の境目にある「溝」だ。鼻唇溝(びしんこう)という。赤ちゃんにもあるものだ。 「あって当たり前の溝。問題は、頬の脂肪がたるみ、土手が寄って、この溝が深くなることです」  老化現象だから、脂肪がたれるのを完全に防ぐのは難しいという。でも、このまま漫然と放置しておけば、マリアナ海溝より深くなってしまいそう。先生、きっと何かいい対策がありますよね。 「すぐに消したいのなら美容外科が有効でしょう。メスや注射、糸などで……」  いきなり手術!? それはちょっと、心の準備が……。年齢的に手遅れなのかもしれないが、何か予防策はないものだろうか。  美容整形・美容外科の「サフォクリニック」(東京都港区)の白壁征夫院長に助言を求めた。マッサージなど手軽にできることもありますよね。 「血流をよくする点でマッサージは悪くはない。ただ、(目や口などを動かす)表情筋はゴムバンドみたいな筋肉。マッサージをしすぎると、使い古したパンツのゴムみたいに緩んでしまうので、方法や回数に注意が必要です」  表情筋がたるむと、ほうれい線の溝が深まる。たるまない程度に刺激するのが肝要らしい。  マッサージが効く部位は、顔にある四つの「リガメント」(腱鞘=けんしょう)。顔面の上から眼窩(がんか)骨、頬骨、頬上顎、下顎の4カ所だ。  表情筋と骨をつなぐ接着剤の役割をしていて、円柱状に骨膜から直接皮膚についている。貝殻と貝をつなぐ貝柱みたいなものという。そこを押すだけで“緩んだネジ”に刺激が与えられ、リフトアップ効果が期待できるそうだ。  椅子に座って机に両ひじをつき、両親指で、両側の頬骨下の頬上顎リガメントを軽く押すだけでいい。両頬骨を両手親指以外の4本の指で、下から上に少し外側へ向けながら押すのでもよいという。  これまでに2万人以上の顔やボディーをケアしてきたという美容家の出口アヤさんにも教えを願った。44歳には見えない美貌(びぼう)の持ち主で、ほうれい線も目立たない。その秘訣(ひけつ)を何が何でも聞きたい。 「すごく簡単です。30秒でほうれい線を消すマッサージ。これを続けていたら若返りました」  自宅にいながら、わずか30秒の動作でエステと同様の効果が期待できるという。そんな魔法があるの!?  やり方は下記(1)~(3)のとおり。鏡を見ながら、皮膚の奥の筋肉をほぐし、揺らすイメージ……これだけ。 (1)利き手と反対の手の人さし指をほうれい線の下に軽く当て、線をのばしておく (2)利き手の人さし指を少し立て、指の腹でほうれい線に沿って下から上に、らせんを描くように押す (3)人さし指の側面を鼻の横に当て、上下左右に8回ほど揺らす 人さし指の腹を使い、ほうれい線に沿ってらせんを描きながら、下から上に押す 「正しく丁寧に3分くらい続ければ、効果が見えてきます」(出口さん)  もちろん、記者も試してみた。(2)では爪の先が当たると痛いので、爪は短めにしたほうがいい。指先に筋肉を感じながら、しっかり刺激を与えてみる。(3)は鼻の横の筋肉をほぐすイメージ。待合室でも、電話中でも、いつでもどこでもできる。 「私はお手洗いで化粧直しをするついでにやっています。ふだん顔のケアに無頓着な男性がやると、びっくりするぐらい変わるんですよ。『もう私はダメかしら』と諦めかけている中高年の方もいますが、いくつになっても、やり始めれば効果があります」(同)  うーむ。とりあえず続けてみよう。信じる者は救われる、と信じたい。  ただ、何ごともやりすぎは禁物だ。エステティシャン時代にたくさんの顔をケアしてきた出口さんだが、ある日、目の下にしわができた女性が来たという。 「聞けば、当時話題になっていたマッサージを、DVDを見ながらずっとやっていたそうです。適度にやれば問題なかったかもしれませんが、一生懸命やりすぎたのでしょう」(同)  やりすぎればしわを深くさせるだけでなく、顔全体がたるんで、かえってほうれい線が目立ってしまう。女子に人気の「顔ヨガ」も、ほどほどにしたほうがいいだろう。一時ブームとなった美顔ローラーも、テレビを見ながらずっと使い続けるのは避けたい。  美人ヨガ連盟の幸村拓哉さんは、こう指摘する。 「顔ヨガのしすぎがエラ張り顔を作り、たるませることも考えられます。顔の筋肉は使いすぎないほうがいいんです」  物を食べるときの咀嚼(そしゃく)の際に使う「咬筋(こうきん)」の鍛えすぎも、あまりよくないようだ。こっそり明かすと、記者は白壁院長にこう言われた。 「咬筋がすごく発達し、顔が四角くなってきています。若いころに何か運動をしていましたか」  そういえば、かつてチアリーディングをしていた。あれはかなりの力で歯を食いしばる。歯ぎしりの癖もある。咬筋の鍛えすぎで四角顔になる例はアスリートに少なくないという。  幸村さんによれば、鍛えていいのは、口の周囲にある口輪(こうりん)筋。口の中に手を入れて、ほうれい線に沿ってほぐすといいそうだ。  エステティックの専門家にも尋ねてみた。 「エスポワールビューティスクール」(東京都新宿区)の校長で、2千人以上に美容教育をしてきたという佐竹真実さんは、ほうれい線対策として実践していることがある。それが下記の10のポイントだ。 (1)筆を使ったリンパ流し(絵の具の筆などで顔の外側に向かってなでるだけ。最後は首からリンパ節へと流す) (2)ほうれい線のツボ刺激 (3)話すときも笑うときも口を大きくあける (4)シートパックでしっかり保湿(シートパックとは化粧水マスクのこと。化粧水を染み込ませて肌にのせ、乾くまでおく) (5)炭酸パックをする (6)ターバンを使って顔を持ち上げる (7)セラミドやヒアルロン酸入りの化粧水を使う (8)化粧水の後は肌にふたをするために、オイルを塗る (9)頭皮マッサージ (10)姿勢を正す  具体的な方法を聞いてみた。 「(1)は、やさしく埃(ほこり)を取るイメージ。筆でさっと表面汚れを取る。筆がなければ手でも大丈夫。その場合は力を入れすぎないように」  (2)は白壁院長の助言と同じとみていいだろう。(3)は大胆に。たとえば、「きょうは」「おてんきが」「いいですね」と言葉を短く切って無音で口を大きく動かすだけでもいいという。 (4)のシートパックに使うのは、化粧水が染み込んだ市販のシートマスクでなくてもOK。ふつうのシートに手持ちの化粧水を染み込ませたほうが安上がりだ。佐竹さんは、自宅でドライヤーをかける際、いつもシートパックで乾燥を防いでいる。  (5)は、血行促進を期待する炭酸パック。むくみを抑える効果もあるとか。(6)はヘアバンドを顔の輪郭を囲むように縦に巻く。  (7)(8)はコツがある。ほうれい線の周辺には、最初にさらっとした化粧水を塗り、その上から、とろみのある化粧水をつける。最後に顔全体に「ふたをする」ようにオイルを塗る。  頭皮と顔はつながっているので、(9)は顔のたるみを予防するという。  (10)の姿勢について、佐竹さんはこう話す。 「頬づえをつくなどの生活習慣が、ほうれい線を際立たせます。下を向く時間も意識して短くしましょう」  佐竹さんは改めてこう強調する。 「とにかく保湿が何より大事です。潤っている肌は光の反射で、ほうれい線も見えづらくなります」  うん。試すべき方策がわかっただけでも、なんだか前向きになれる。ただ、効果には個人差もある。15年超にわたって私の顔に君臨してきたほうれい線がすーっと消えてくれるかどうか、ちょっと自信がない。(本誌・大崎百紀) ※週刊朝日  2018年9月28日号より抜粋
美容
週刊朝日 2018/09/23 11:30
H ZETTRIO、待望のMV集が10月のライブより会場限定発売 台北ジャズフェスティバルへの出演も決定
H ZETTRIO、待望のMV集が10月のライブより会場限定発売 台北ジャズフェスティバルへの出演も決定
H ZETTRIO、待望のMV集が10月のライブより会場限定発売 台北ジャズフェスティバルへの出演も決定  H ZETTRIOのミュージック・ビデオをアーカイブしたDVD『H ZETTRIO 2013-2018 ~MUSIC VIDEO COLLECTION~』の発売が決定した。  これまでH ZETTRIOのライブパフォーマンス、アレンジ作品、オリジナル楽曲など数多くのユニークなミュージック・ビデオが公開されてきたが、多数のDVD化を求める声があったにもかかわらず実現には至っていなかった。今回ついに発売が決定したMV集に収録されるのは、2013年の1stアルバム『★★★(三つ星)』から最新アルバム『Mysterious Superheroes』に収録された楽曲のために作られた31作品。DVD2枚組という大ボリュームになる。  また本作は、H ZETTRIOの活動の第一期が網羅されており、彼らの歴史をつぶさにたどる事が出来る作品集となっている。このDVDが販売されるのは、10月14日(日)に相模女子大学グリーンホールで開催される【H ZETTRIO IN KANAGAWA ~秋の大感謝祭~ 2018】の会場からとなる。  さらに、つい先日中国・香港と広州でのライブ公演を行ったH ZETTRIO。これが中華圏で話題を呼び、急遽10月に台湾の首都台北で行われる台北ジャズフェスティバルへの出演が決定した。台北といえば約8年前、 H ZETT Mが突発的に一人でストリートライブを試みたところ、師大公園に人があふれ、パニックとなった土地だ。H ZETTRIOとしては初の台湾上陸だが、彼らの認知度は高く、大いに盛り上がることがが予想される(台北ジャズフェスティバル公式WEB (中国語):https://bit.ly/2Nlsupx )。 photo:西岡浩記 (Hiroki Nishioka) ◎ライブ情報 2018年10月14日(日) 【H ZETTRIO IN KANAGAWA ~秋の大感謝祭~】 神奈川・相模女子大学グリーンホール 大ホール OPEN 16:00 / START 17:00 ※全席指定 ※3歳以下入場不可、4歳以上チケット必要 チケット一般発売中 ◎ツアー情報 【Feel Good!!! 18/19】 チケット一般発売中 2018年11月16日(金) 東京・福生市民会館 大ホール 2018年12月01日(土) 沖縄・ミュージックタウン音市場 2018年12月08日(土) 大阪・メルパルクホール 2018年12月13日(木) 愛知・名古屋市芸術創造センター 2018年12月15日(土) 福岡・都久志会館 2018年12月22日(土) 北海道・道新ホール 2018年12月24日(月・祝) 千葉・市川市文化会館 大ホール <土日祝>OPEN 16:00 / START 17:00 <平日> OPEN 18:00 / START 19:00 チケット料金:前売 5,000円(tax in.) 全席指定 (12.1 沖縄公演のみ 別途ドリンク代 整理番号付 全自由 座席がなくなり次第立ち見) ※3歳以下入場不可、4歳以上チケット必要 ◎リリース情報 10月14日(日)よりライブ会場限定販売 【H ZETTRIO 2013 - 2018 ~MUSIC VIDEO COLLECTION~】 APDV-0026/27(2枚組) 7,000円(tax out) [DISC 1] 1みんなのチカラ 2ぼくをみていた 3 Beautiful Flight 4 Trio,Trio,Trio!!! 5 Everything (MUZA KAWASAKI SYMPHONY HALL 150625) 6 Something Special 7 Happy Saturday Night 8 晴天 - Hale Sola - 9 Wonderful Flight 10 Dancing in the mood 11 PIANO CRAZE (Play Only Ver.) 12夢と希望のパレード 13 Den-en 14 Get Happy! 15 Neo Japanesque 16炎のランニング [DISC 2] 1 Next Step 2 祝祭広場のクリスマスマーケット 3 NEWS 4 Fiesta 5 Z ディスカバリー 6 SEVEN 7 MESHI KUTTE YEAH ! 8 DERBY ~栄光の道しるべ~ 9 光のヒンメリ、輝く街 10 What’s Next (Live Ver.) 11 Fusion in Blue 12 Mysterious Superheroes 13どこか遠く 14 Flying Future 15 落陽
billboardnews 2018/09/18 00:00
安室奈美恵はどうする? 引退時の「名スピーチ」
安室奈美恵はどうする? 引退時の「名スピーチ」
引退のあいさつで涙ぐむ宮里藍 (c)朝日新聞社 著名人50の名言に学ぶ 1/5 (新聞各紙の記事、『読売巨人軍75年史』『私の履歴書』『アントニオ猪木自伝』などから編集部作成/週刊朝日2018年9月21日号より) 著名人50の名言に学ぶ 2/5 (新聞各紙の記事、『読売巨人軍75年史』『私の履歴書』『アントニオ猪木自伝』などから編集部作成/週刊朝日2018年9月21日号より) 著名人50の名言に学ぶ 3/5 (新聞各紙の記事、『読売巨人軍75年史』『私の履歴書』『アントニオ猪木自伝』などから編集部作成/週刊朝日2018年9月21日号より) 著名人50の名言に学ぶ 4/5 (新聞各紙の記事、『読売巨人軍75年史』『私の履歴書』『アントニオ猪木自伝』などから編集部作成/週刊朝日2018年9月21日号より) 著名人50の名言に学ぶ 5/5 (新聞各紙の記事、『読売巨人軍75年史』『私の履歴書』『アントニオ猪木自伝』などから編集部作成/週刊朝日2018年9月21日号より)  平成の歌姫と呼ばれた安室奈美恵や、2千本安打を遂げた広島の新井貴浩ら、一時代を築いたスターが今年引退する。ステージの大きさこそ違え、引退、離職、異動、退職などの“引き際”は、だれにでも訪れる。そのときにどう気持ちを整理し、思いを伝えるか。著名人の名言に学びたい。  9月16日に引退する安室奈美恵(敬称略、以下同じ)は、前日15日に出身地沖縄で一夜限りのライブを開く。最後のツアー映像を収めたDVDとブルーレイディスクは8月末の発売以来、早々と100万枚を突破するミリオンセラーに。40歳、デビュー25周年の節目の昨年9月に、1年後の引退を表明していた。  5日に今季限りでの引退を発表したのが、広島の新井貴浩。プロ20年の大ベテランで、チームの精神的支柱。「若手がすごく力をつけている。これからのカープを考えたときに今年がいいんじゃないかなと考えた」と述べた。  スターならずとも、だれもが大小様々な局面で向き合う引き際。では、どんなあいさつをすると、周りの人の心に響くのだろうか。 「あがり症克服協会」理事長で、スピーチ塾講師を務める鳥谷朝代さんは「短く簡潔に。長いのはダメ」と強調し、こう続ける。 「スピーチが苦手な人に限って長い。原稿を見ると、A4用紙4~5枚もあるのに、本人は『もっと言わなきゃ』と思っています。一般的なスピーチは1分以内をめざす。かなり短い時間なので、本当に言いたいことだけを盛り込みます。長い人は『ご指名ですので』『僭越ながら』のような余計な前置きが多いのです」  簡潔で流暢に話そうと、例文集を丸暗記する人がいる。しかし、自分の言葉でないから、不自然で違和感が残る。第一印象を良くしようと出会いの言葉に気を配る一方で、別れの言葉は気遣いを怠る人もいる。その日を最後に会わない人が多いからだろうが、それだけに人間性がにじむ。 「立つ鳥跡を濁さずというように、恨みつらみはNG。イヤな仕事だったとしても、仕事のおかげで成長できたと言い換えましょう。別れのあいさつはその人の印象を決定づけるかもしれません」(鳥谷さん)  引き際のあいさつで、感極まり言葉に詰まる人もいるだろう。「間」があくことは良い印象を与えるハプニングとなることもある。 「流暢ならば良いというものではありません。流暢な人はたくさんいますが、心に残るスピーチは難しいです。言葉は短いほうが効果的で、キャッチーな言葉が心に残ります」と話す。 では、著名人はどんなメッセージを残しているか。著名人の語りに耳を傾けたい。  長嶋茂雄の「わが巨人軍は永久に不滅です」や、キャンディーズの「私たち、普通の女の子に戻ります」は歴史的な引き際の名言。こんな言葉は簡単に残せないが、素朴でも心がこもった表現ならば印象に残る。  マサカリ投法で知られた元ロッテの村田兆治は「私の人生の喜びも悲しみもすべてこのマウンドに」と伝え、元中日の山本昌は「世界で一番幸せな野球人生」と振り返った。マラソンの高橋尚子は「自分の中では完全燃焼して、さわやかな気持ちです」。いずれも飾らぬ言葉で、長年打ち込んだことへの思いが表れた。  鳥谷さんが指摘する、「間」を実感するあいさつは、元横綱千代の富士の引退会見。涙声で「体力の限界……」と感極まり、少し間があいて、「気力もなくなり引退することになりました」と声を絞り出した。  選手の引き際の言葉は引退宣言だが、多くの社会人は異動や退職のあいさつになる。周囲への感謝の思いが欠かせぬ点は同じだ。  元中日の星野仙一は「打倒読売でやってきた私の姿をファンは支持してくれた」と周囲に目を向け、元西武の清原和博は「一番の僕の心の支えは、ファンの皆さんのあたたかい声援と拍手」とお礼を伝えた。元広島の衣笠祥雄は「野球をやってきたおかげで多くの人と知り合うことができた」。女子ゴルフの宮里藍は「引き際のさみしさより、サポートしていただいたたくさんの方への感謝の気持ち」と口にした。  数字をうまく使うことも、印象的な引き際を演出する。  50代で芸能界を引退した上岡龍太郎は「ボクの芸は20世紀で終わり。21世紀からは新しい人生。この道、40年やればいいじゃないですか」と軽妙な語り口。桂歌丸はテレビ番組「笑点」の司会を退く際、「50年間、しゃかりきになってやってきた」と伝え、元巨人の桑田真澄は「21年間、ともに歩んできた(背番号)18番とお別れ」と宣言した。(横山渉) ※週刊朝日  2018年9月21日号より抜粋
週刊朝日 2018/09/15 16:00
300ページ超えの持ち込みを「一気読み」 漫画『約束のネバーランド』と編集者の出会い
熊澤志保 熊澤志保
300ページ超えの持ち込みを「一気読み」 漫画『約束のネバーランド』と編集者の出会い
約束のネバーランド/原作・白井カイウ 作画・出水ぽすか/集英社:衝撃的な設定だが、親子でのファンも多い。主人公は周囲を巻き込み、逆境に立ち向かう (c)白井カイウ・出水ぽすか/集英社 プロミス・シンデレラ/原稿は「たまる一方」なので、ペン入れしてPCに取り込んだ後、娘の落書き用の裏紙にして、捨てる(撮影/植田真紗美) 「異色ずくめのヒット」かもしれない。既刊10巻で累計発行部数600万部を突破、来年1月からテレビアニメ放送も控える『約束のネバーランド』は、主人公は11歳の女の子、人を喰らう鬼の支配する世界から脱出し、新天地を目指す脱獄劇だ。連載されているのは、なんと少年漫画誌の王様、週刊少年ジャンプ。  作品誕生のきっかけは、13年の冬、原作者の白井カイウさんの持ち込みだった。集英社では、電話を受けた新人編集者が持ち込みに対応する。少年ジャンプ編集部の杉田卓さん(29)は、当時、年間300件もの持ち込みに対応していた。 「300ページを超える内容でしたが、その場で一気に読みました」(杉田さん)  海外ドラマやハリウッド映画的な大人向けの雰囲気で、いわゆる「明るい少年漫画」という印象ではない。けれど、とにかく面白かった。物語の切り口、せりふの強さ、テンポ、すべてが非凡で、杉田さんを惹きつけた。 「『少年誌でやりたい』という白井さんの希望もあったし、ぼくも敢えてジャンプでやるのが面白い、と直感しました」  ところが、当初の編集部の反応はイマイチ。それでも、杉田さんには、自信があった。 「ぼくは王道の人気作が大好きな生粋のミーハー。感覚が読者に近いと思っていました。だから、いま評価されてないのは、面白さがきちんと伝わっていないだけで、伝え方を変えればいけると思えたんです」  面白ければ、必ず道は開ける。杉田さんと白井さんは、打ち合わせを重ね、作品を練り上げる作業を繰り返した。  脱獄劇を逆境に立ち向かう話と捉え、ジャンプらしい、努力や友情、勝利といったエッセンスを吹き込んだ。逃げるのは、主人公ら3人だけではなく、施設の全員。誰も見捨てず、前を向いて新しい世界をつくる。  3話目までのプロットが完成し、「おもしろくなった」とGOサインが出た。連載を見据え、続く4話に半年もの時間をかけた。連載作品では、物語を広げるカギになると考えたからだ。 「いまは娯楽が無数にあるから、みんなおいしいとこ取りに慣れている。『そのうち面白くなる』のでは、読者は待ってくれない。最初から強く心をつかまないとヒットは難しい時代だと思います」(杉田さん)  16年8月、連載を開始すると、小中学生のみならず、大学生や社会人からも、大きな反響が寄せられた。少年ジャンプの看板作品のひとつとなった現在も、杉田さんは、読者の反響チェックを欠かさない。 「週刊連載の醍醐味はライブ感。読者からの反響も巻き込んで、作品が動いていくんです」(同)  子どもも大人も胸を躍らせる漫画は、こうして生まれる。 ●娘が寝ている朝に描く  電光石火の勢いで、ヒット作を生んだ漫画家がもう一人いる。橘オレコさん(30)は、「思い立ったら早い性質」。16年のある日、子育て以外にも何かできることをしようとアクリル絵の具を買いに行き、風景を描いた。 「しばらくしてツイッターを始めて、好きな漫画のイラストを描いたら反響があって。うれしくて、絵の具からイラストに切り替えたんです」(橘さん)  イラストを描くのは楽しい。なんとか仕事にできないか。小学生の頃漫画を描いていたのを思い出し、同人誌を作った。同年10月、イラスト投稿サイトpixiv(ピクシブ)に投稿したオリジナル作品が、小学館マンガワン編集部の白水美咲さんの目に留まった。  18年1月、『プロミス・シンデレラ』の連載を開始。アラサー女性と男子高校生をめぐる、「リアル人生ゲーム」は、ツイッターから人気に火がつき、瞬く間に人気作になった。現在、橘さんのツイッターのフォロワー数は、18万人を超える。  橘さんのツイッターでは連載開始前から、「バツイチアラサー女子と男子高校生」というスピンオフが掲載されている。 「描きたくてついつい描いちゃった」と橘さんは笑う。  仕事の時間は、夫と娘が寝ている朝4時から8時までと、午後は夫に幼稚園から戻った娘の面倒を見てもらい、正午すぎから18時まで。 「ネームの返信が待ちきれずにペン入れを進めたり。原稿も描きあげて10分もすると、尊敬する漫画と比べて、ダメだなあと思ってしまうんです」(同)  早く描きたい、上達したい。そんな思いがツイートに溢れる。 「ふぅ、原稿楽しい」「山にこもって1カ月くらい模写に打ち込みたい」  発信から伝わる熱量も、人を惹きつける。(編集部・熊澤志保) ※AERA 2018年9月17日号より抜粋
AERA 2018/09/14 16:00
大坂なおみ、悪態ついたセリーナの“被害者”になるも… 収入では“勝者”に!
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大坂なおみ、悪態ついたセリーナの“被害者”になるも… 収入では“勝者”に!
全米オープンを制した大坂なおみ (c)朝日新聞社  大坂なおみが日本人初のグランドスラム制覇を果たした全米オープン。セリーナ・ウィリアムズとの決勝戦が行われた現地9月8日から数日が経過した今も、日本では史上初の快挙にまだまだ報道の熱が冷める気配はない。しかし、それは日本に限らず大坂が優勝を果たしたアメリカも同様だ。  実際のところアメリカでは、これまで23度グランドスラムを制覇している地元のスーパースター、セリーナ・ウィリアムズが決勝戦で見せた審判への“悪態”の方が大きく報じられている。11日には米メディア『CNN』のウェブサイトが、「栄光の瞬間をウィリアムズの(審判への)罵倒によって台無しにされた、ナオミ オオサカが一番の被害者だろう」と、勝者よりも敗者に注目が集まる現状を表現した。  その一方で同サイトは、セリーナ・ウィリアムズを圧倒した大坂の決勝での素晴らしいパフォーマンスを振り返り、安倍晋三首相がツイッターで祝福したことなど、日本で一躍時の人となっているとも報じ、「栄光の瞬間こそ台無しにされたが、最後に笑うのは彼女だ」とその功績をたたえている。実際、大坂が試合以外でも“勝者”となるのは濃厚のようだ。  大坂は今後、全米オープンの優勝賞金380万ドル(約4億2000万円)もさることながら、その他からも大きな収入を得るとみられている。豪州メディアの『news.com.au』が伝えたところによると、大坂とウェアのスポンサー契約を結んでいる『アディダス』は、その契約を延長する見込みで、なんとその額は米ドルで年間1000万ドル(約11億円)以上になるという。  これは女子のテニスプレイヤーとしては、大坂が全米オープン決勝で下したセリーナ・ウィリアムズ、元世界女王のマリア・シャラポワに次ぐ、史上3番目の高額契約。1位のセリーナ・ウィリアムズが『ナイキ』と結んでいる契約の内容は公表されていないものの、経済誌『フォーブス』によると年間で推定1800万ドル(約20億円)、2位のシャラポワも『ナイキ』と年間1250万ドル(約13億9000万円)で契約したと伝えられている。  錦織圭が『ユニクロ』と交わしたとされる年間2000万ドル(約22億3000万円)の契約には及ばないが、日本、父親の母国であるハイチ、そして人生の大半をアメリカで過ごしている大坂は、スポンサー企業にとって理想的な広告塔なのだという。さらに、日本人として戦っている大坂には、2020年に開催される東京オリンピックの頃にはより大きな契約が舞い込むだろうと『news.com.au』は見ている。  今後は全米オープン以外のグランドスラム制覇や世界ランキング1位達成など、さらなる飛躍が期待される大坂。活躍とともに取り巻く環境が変わるのは必至だが、シャイな20歳のテニスプレイヤーに、日本とアメリカのみならず世界中の注目が集まる。
dot. 2018/09/12 16:00
パワハラ、暴力…女子体操界 19歳宮川選手の周りは“クズ”ばかり
パワハラ、暴力…女子体操界 19歳宮川選手の周りは“クズ”ばかり
2016年のリオデジャネイロ五輪に出場した宮川紗江選手 (c)朝日新聞社  パワハラ、暴力、組織の無責任体質──騒動の渦に巻き込まれた体操女子の宮川紗江(19)が、選手生命の危機に追い込まれている。その責任は、宮川の周囲にいる速見佑斗コーチ(34)や塚原夫妻はもちろん、適切な対応が取れなかった日本体操協会にもある。  1カ月前に表面化したこの問題は解決の方向性が見えず、宮川を取り巻く人たちの“クズっぷり”が目立つ。速見コーチは9月5日に会見を開き、宮川に殴る蹴るの暴力を長年振るっていたことを認めた。 「度重なる暴力行為によって、宮川選手はもちろん周りにいた選手などに対して、不快な思いと恐怖を与えてしまったことを深くおわびいたします」  こう謝罪したが、会見は宮川が行ってから1週間もあと。「暴力しないと誓う」として指導を続けたい意向だが、激しく顔をたたく映像が一部で報じられ、理解は得られにくい。  コーチの暴力が許されないのは当然だが、問題をややこしくしているのは、パワハラの告発を受けた塚原夫妻の動きだ。宮川の会見直後には塚原光男・日本体操協会副会長は、「なぜ、彼女がうそを言うのかわからない」と反発し、会見するとしていた。だが、世論の風向きが悪いと見るや、一部のメディアだけに登場しつつ、公の場に姿を現さなくなった。塚原千恵子・女子強化本部長も同様だ。  協会も対応が後手に回っている。宮川が他の選手やコーチらの前で何度も暴力を振るわれていたのに、止められなかった。塚原夫妻のパワハラ問題の調査は、第三者委員会に事実上丸投げする方針で、時間ばかり過ぎていく。協会に大きな影響力を持つ塚原夫妻に、遠慮しているのではないかとの見方もある。  スポーツ評論家の玉木正之さんは、構造的な問題があるという。 「塚原夫妻によるパワハラの事実関係はともかくとして、協会の組織のあり方が一番悪い。宮川選手が犠牲になりつつあるのに、誰がそれを止めるのか見えてこない。これは体操界だけでなく、日本のスポーツ界全体の問題。それを指摘してこなかったメディアにも責任はあります」  宮川は会見で、代表合宿や世界選手権(10~11月、カタール・ドーハ)への辞退を発表している。東京五輪を2年後に控え、国際大会を経験できないのは非常に痛い。美容外科「高須クリニック」がスポンサーに名乗りを上げているが、宮川が指導者や練習場所を確保できるのかわからない。  このままでは、選手生命をかけた「告発の行方」は、不幸な結末に向かってしまう。(本誌・大塚淳史) ※週刊朝日  2018年9月21日号
週刊朝日 2018/09/12 07:00
学校現場の大問題

学校現場の大問題

クレーム対応や夜間見回りなど、雑務で疲弊する先生たち。休職や早期退職も増え、現場は常に綱渡り状態です。一方、PTAは過渡期にあり、従来型の活動を行う”保守派”と改革を推進する”改革派”がぶつかることもあるようです。現場での新たな取り組みを取材しました。AERAとAERA dot.の合同企画。AERAでは9月24日発売号(9月30日号)で特集します。

学校の大問題
働く価値観格差

働く価値観格差

職場にはびこる世代間ギャップ。上司世代からすると、なんでもハラスメントになる時代、若手は職場の飲み会なんていやだろうし……と、若者と距離を取りがちですが、実は若手たちは「もっと上司や先輩とコミュニケーションを取りたい」と思っている(!) AERA9月23日号では、コミュニケーション不足が招く誤解の実態と、世代間ギャップを解消するための職場の工夫を取材。「置かれた場所で咲きなさい」という言葉に対する世代間の感じ方の違いも取り上げています。

職場の価値観格差
ロシアから見える世界

ロシアから見える世界

プーチン大統領の出現は世界の様相を一変させた。 ウクライナ侵攻、子どもの拉致と洗脳、核攻撃による脅し…世界の常識を覆し、蛮行を働くロシアの背景には何があるのか。 ロシア国民、ロシア社会はなぜそれを許しているのか。その驚きの内情を解き明かす。

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