支援物資を手に集まった人たち(本人提供)
支援物資を手に集まった人たち(本人提供)

 芸能活動の業務提携先である東京・港区のエイベックス本社の1階のスペースを借りて待っていたら、びっくりするほどたくさんの方が物資を届けてくださって、その数は名簿に名前を書いていただいた方だけで、2日間で約1500人にも上りました。最初は個人の車で物資を運んでいましたが追いつかず、日本サニテイションという産業廃棄物処理事業の会社を経営する同級生がいたことを思い出し、連絡すると急遽トラックを出してもらえることになり、4トントラック15台分の物資を届けることができました。被災地のニーズは刻一刻と変わっていくので、役所の方と情報交換しながら、鋸南町のほか南房総などいくつかの場所に物資を配り、そのほかにも自分で取り仕切って山武市にて炊き出しをしたり、生鮮食品デリバリーサービスを運営するベジオベジコに声をかけ、「市原ぞうの国」に野菜や果物を届けていただいたり、地震の際に多くの方に活用された、救援支援マッチングサイトを台風15号のためにセットアップしていただくなど、いろいろな方々が協力をしてくださいました。

 最初に現地に行ったとき、都心から車で1時間半ぐらいの場所なのに、そこで起きていることと都心の日常があまりにも違いすぎ戸惑いました。一方で、たくさんの人を巻き込んでいくことで、より大きな力になるということがとても嬉しかった。呼びかけに応えてくださった多くの方々から「何かしたいけど何をしたらいいのかわからなかったのでありがとうございます!」という声をいたただき、明確に必要なものを提示することによって、こんなにも沢山の方々に協力していただけるのだということに何より自分自身が一番驚き、団体設立の大きなきっかけとなりました。

 個人的には、10年前からボランティア活動を続けてきて、ライフワークになっていますが、今回の経験をきっかけにそのノウハウを活かし、自分がプラットフォームになることで、災害が起きた当日から1日でも早く動ける仕組みを作れるんじゃないかと強く思ったんです。それが、寄付やボランティアの新しい形にもつながると思い、後日、社団法人「Think The DAY」を立ち上げました。

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スタートは地元・宮崎での口蹄疫