月に一度は炊き出しなどの活動を続けている(本人提供)
月に一度は炊き出しなどの活動を続けている(本人提供)

――団体としての目標は。

 1人1日1円から始められる寄付の仕組みをスタートする予定です。そこで集めたお金をもとに、災害が起きてから1日でも早く、必要なものを必要としている人のところにお届けするために「予防」のための募金という仕組みにしたいなと思っています。

 これまでは災害が起きてから、義援金や募金が始まることが多く、使い道は優先順位を決めてから振り分けられるため、必要な人のところに届くには時間がかかってしまいます。

 ボランティアに行って感じることは、炊き出しや支援物資をお届けするなどの動き出しには、然るべき承認が必要な公的機関よりも、民間の私たちの方が柔軟に対応することができ、より早く動けることもあります。

 その日から水もご飯も不足し、少し日が経つと生活必需品、例えば女性であれば生理用品などが必要になっていきます。私たちは日々変わっていく状況の中、災害が起こってからできる限り早く支援に動けるように、資金を準備するための仕組みを作りたいと思っています。一般の方々や、企業にもご協力いただけることが理想です。

――何かボランティアをやってみたいと思っている人にアドバイスはありますか?

 自治体のホームページを見ると、必要な支援・ボランティア情報も出ています。きっかけは何でもいいと思うんです。震災や災害は誰もが明日は我が身で、自分ごととして向き合いやすいトピックスかなと思いますし、現地では力仕事だけでなく、炊き出しや物資の仕分けなど女性や子どもにもできることって実はたくさんあります。現地で動くことがすべてではなく、寄付など様々な関わり方もありますし、それぞれ自分の生活にあった支援の形を見つけて動くことをオススメします。

 ただ、大前提は「自分が幸せで充実して生きていること」。それがないと人の幸せは望めないし、自分が充実して幸せな気持ちでいることが、一番の社会貢献だと言っても過言ではないと思います。その上で手を取り合える人たちと関わって、その先にもう少し幸せと感じる人が増えたら嬉しいなというぐらいの気持ちでいい。自分が生きていくのでいっぱいいっぱいだとしても、それは全然悪いことではないと思います。

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