――活動のきっかけは身近なところにあるんですね。

 自然災害だけでなく、動物愛護や地球環境の問題、子どもの支援、シングルでの子育ての支援など考えられる活動は多岐にわたり、日本に限らずさらに目を向けなければならない部分は海外にもあると思います。取り組む課題の多さに何から手をつけたらいいのかわからなくなることもありますが、私が立ち返るのは「自分の人生の地続きにあると感じられることにまず取り組んでみる」ということ。何かやってみたいという思いがあるなら、自分が理解できることの少し先にある支援を見つけることをオススメします。

 私は乳児院や児童養護施設の支援も続けていますが、それは私が子育てを経験していたことも少なからず影響しています。乳児院に連絡を取り、必要な物資を寄附したり、赤ちゃんを抱っこしたり、清掃のお手伝いをすることも立派なボランティアです。

 そして、足を運んでみると何が足りないのか、何が必要なのかが目に見えてわかってきます。私が伺った乳児院には鉄パイプのベッドと、それより少し値が張る木製のベッドが混在していました。その現状を知り、すべて温かみのある木のベッドに変えてあげたいと目標を立てました。いくつか購入して贈ったのですが、それでは足りないので、私が着ていた洋服をチャリティーマーケットで販売し、その売上金で追加のベッドを購入する活動もしていました。

 この仕事をしていると、洋服を揃えたり、いただくことも多く、ありがたいことですが、すごく増えてしまいます。身近な人に譲ったりしていたのですが、目的を明かして販売すると、みんなにも喜んでもらえてそれが支援にもつながる。こういったことも私のライフワークの一つとなっています。

活動を通してさまざまな世代と交流を重ねる(本人提供)
活動を通してさまざまな世代と交流を重ねる(本人提供)

 地震(2016年)の炊き出しに行ったときには、乳児~高齢者までの方が一緒に暮らす施設を訪ねました。その中の児童福祉施設の子どもたちと交流を続けているのですが、みんなたまらなく可愛くて、次に会う約束をすごく楽しみにしてくれているのも嬉しくて、それが私にとっても頑張る理由になっています。自分がモデルとして出演した、熊本での東京ガールズコレクションに子どもたちを招待したり、中・高校生の女の子が「メイクとかできない」と言っていたのを聞いて、メイクレッスンもしました。彼女たちにメイク道具を持ってもらう為に、その時は関わりのある企業さんに声をかけ、提供していただきました。また、隣接する老人ホームにも届けるとおばあちゃんたちが泣いて喜んでくれたりして……。あ、ここにもやるべきことが!と目標がどんどん広がっていきます。

次のページ
民間だからできること 「予防」のための募金へ