いまはまだ数人の団体ですが、今回お世話になった方々からも「自分たちにできることがあったら今後も声をかけてください」と言っていただく機会も多く、支援の輪が広がっていると感じます。このような素敵なつながりをもっと大きく広げていくことが、今の私の目標です。


自ら取り仕切って炊き出しすることも(本人提供)
自ら取り仕切って炊き出しすることも(本人提供)

――そもそも、10年前に活動を始めたきっかけは?

 2010年に地元・宮崎県で口蹄疫が広がり、県の義援金に寄付をしたのがスタートです。たくさんの畜産農家が被害を受け、動物たちが殺処分になって心を痛めている状況を知りました。当時は子どもたちも小さく、家を空けてボランティアに行くことができませんでした。その後も、九州に台風が来たり、地震が起きたりする度に、自分ができる範囲で動いてきました。

 例えば、大きな台風が来る前は、農家のみなさんはいつもより早くたくさんの量を収穫して、売らなくてはいけません。私のように芸能の仕事をしている人間が呼びかけ、現場に立つと嬉しいことにお客さんが集まってくださるので、販売会も賑やかになります。子どもたちも連れて行くとお手伝いをしてくれるので、一緒に義援金を募ったりしながら、家族でできることも始めました。

 先述したベジオベジコのみなさんとのつながりも最初は、私の地元で20代の農家の息子たちが起業して、規格外の野菜を販売しているということを知り、連絡をとって会社に訪問させてもらったのがきっかけでした。彼らはITで農家を活性化したいという思いを持っていたので「私にできることがあったら応援したい」と考えていましたし、私は母親として子どもたちに食育を行いたいと思っていたタイミングでもありました。子どもたちは東京で育っていたので、野菜も魚もお店で売られた状態のものしか知らず、どんな人たちが携わって自分たちの手元に届くかを知って欲しい。その上で子どもたちが生産者の皆さんと一緒に土いじりをして季節の野菜を学んだり、実際に皆さんと直接触れ合うことによって「いただきます」の言葉に生産者の方の存在を感じ、心からの言葉として言えるようになって欲しいと考えたからです。

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