グラスゴー大学のClaire氏らも、スコットランドにおけるコロナ感染者33,281人とそうでない62,957人を最長18カ月間追跡調査した結果、コロナ感染者31,486人のうち1,856人 (6%) は感染から18カ月経過した時点(most recent follow-up)で全く回復しておらず、半数近い13,350人 (42%) は部分的に回復したものの完全回復には至っていなかったことを報告しています。

 コロナの罹患はどうやら健康上の悩みをもたらすだけではないようです。コロナ罹患後の長期症状に悩んでいるほとんどの人が社会からの偏見にも苛まれていることが、英国のサウサンプトン大学とサセックス大学の研究チームによるオンライン調査により浮き彫りになったことが報告されています。その報告によると、実際の偏見(Enacted stigma: 体調不良のせいで不当に扱われること)、内なる偏見(internalised stigma: 自身の体調不良を恥じたり、気にすること)、予期された偏見(anticipated stigma: 体調不良のせいで不利になると予想すること)の3種類の偏見に関する英国在住の966人の情報が解析された結果、95.4%が上記の偏見のうち少なくとも1つを「時々」経験し、75.9%が「しばしば」または「常に」経験していたことがわかりました。

 また、62.7%は蔑ろにされたり付き合いを絶たれるなどの実際の偏見が少なくとも時々あり、90.8%はこうした実際の偏見を予期することが少なくとも時々あったと報告し、86.4%は体調不良を恥じたり、役立たずと感じたり、長期症状のない人とは異なっていると思い込むなど、コロナ罹患後の長期症状に関連する内なる偏見に少なくとも時々苛まれていたこともわかりました。

 さらに、5人に3人(60.9%)はコロナ罹患後の長期症状に悩んでいることを打ち明けることに少なくとも時々は細心の注意を払っており、3人に1人(33.7%)はlong COVIDを打ち明けたことを後悔したことが少なくとも時々あったこともわかりました。

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コロナ後「咳だけ続いて周囲が冷たい」という訴えも