明治大学から1位指名で阪神入りした高山俊 (c)朝日新聞社
明治大学から1位指名で阪神入りした高山俊 (c)朝日新聞社

 夏の甲子園大会は中止となったものの全国各地で代替大会が続々と開幕しており、高校生ドラフト候補についても連日報道されている。早くもプロ志望を表明している選手もいるが、指名される可能性が高くても大学に進んで更に高い順位でのプロ入りを目指す選手も毎年存在している。いつプロ入りすれば良いかはその選手によって異なるのは当然だが、プロでの4年間と大学での4年間を経た選手、どちらがレギュラーを獲得している例が多いのか、またどんな傾向があるのかを検証してみたいと思う。

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 レギュラーの基準は投手であればシーズン100イニング、もしくは40試合に登板。野手であればシーズン100試合出場とした。そして2008年の統一ドラフト以降で指名された選手で高校卒は5年以内、大学卒は1年目にこの基準を満たした選手を洗い出したところ以下のようになった。また今シーズン基準を満たす可能性が高い選手も予備軍として人数に加えている。

高校卒投手:40人

赤川克紀(2008年ヤクルト1位):4年目に156回2/3登板
八木亮祐(2008年ヤクルト2位):5年目に152回登板
西勇輝(2008年オリックス3位):3年目に130回2/3登板
日高亮(2008年ヤクルト4位):4年目に66試合登板
辛島航(2008年楽天6位):4年目に103回1/3登板
岡田俊哉(2009年中日1位):4年目に66試合登板
菊池雄星(2009年西武1位):4年目に108回登板
今村猛(2009年広島1位):2年目に54試合登板
国吉佑樹(2009年横浜育成1位):3年目に112回2/3登板
西野勇士(2009年ロッテ育成5位):5年目に139回2/3登板
塚原頌平(2010年オリックス4位):5年目に41試合登板
中崎翔太(2010年広島6位):5年目に69試合登板
千賀滉大(2010年ソフトバンク育成4位):3年目に51試合登板
武田翔太(2011年ソフトバンク1位):4年目に164回2/3登板
釜田佳直(2011年楽天2位):1年目に112回1/3登板
上沢直之(2011年日本ハム6位):3年目に135回1/3登板
藤浪晋太郎(2012年阪神1位):1年目に137回2/3登板
大谷翔平(2012年日本ハム1位):2年目に155回1/3登板
若松駿太(2012年中日7位):3年目に140回登板
松井裕樹(2013年楽天1位):1年目に116回登板
田口麗斗(2013年巨人3位):3年目に162回登板
二木康太(2013年ロッテ6位):3年目に116回1/3登板
砂田毅樹(2013年横浜育成1位):4年目に62試合登板
高橋光成(2014年西武1位):2年目に118回登板
高橋純平(2015年ソフトバンク1位):4年目に45試合登板
小笠原慎之介(2015年中日1位):2年目に119回登板
堀瑞輝(2016年日本ハム1位):3年目に53試合登板
今井達也(2016年西武1位):3年目に135回1/3登板
梅野雄吾(2016年ヤクルト3位):3年目に68試合登板
山本由伸(2016年オリックス4位):2年目に54試合登板
アドゥワ誠(2016年広島5位):2年目に53試合登板
種市篤暉(2016年ロッテ6位):3年目に116回2/3登板

予備軍:8人

高橋奎二(2015年ヤクルト3位):今季5年目
寺島成輝(2016年ヤクルト1位):今季4年目
藤嶋健人(2016年中日5位):今季4年目
榊原翼(2016年オリックス育成2位):今季4年目
長谷川宙輝(2016年ソフトバンク育成2位):今季4年目
平良海馬(2017年西武4位):今季3年目
遠藤淳志(2017年広島5位):今季3年目
山本拓実(2017年中日6位):今季3年目

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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