また投手と違うのは今宮、筒香、山田、森、岡本、村上と1位指名で早くからレギュラーに定着した選手のスケールの大きさだ。2006年高校生ドラフト1位の坂本勇人巨人)もこのケースに当てはまり、今季出てきた選手では太田椋も続く可能性が十分にある。こう見ると、野手の穴を即戦力で埋めるのは相当難しいということが分かるだろう。

 ここ数年のドラフトを見ていても、高校生野手の1位指名が増加しているが、このデータを見てもその傾向はうなずけるものである。時間がかかると言われていた捕手も田村と森、長距離砲も岡本や村上の出現でプロが高校生を見る目も変わってきているはずだ。将来中心選手が担えるスケールの大きい高校生野手の人気は今後も高くなることが予想されるだろう。(文・西尾典文)

●西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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