先述の2人に比べればはるかに格は落ちるが、スティーブ・ピアース一塁手兼外野手も一時はメジャーで脚光を浴びたスラッガー。メジャーでの出番を増やしたのは30代に入ってからという遅咲きの苦労人で、レギュラーを張ったことは一度もないが、レッドソックスでプレーした2018年のワールドシリーズでは3ホーマー、8打点の大活躍でMVPに輝いた。メジャー通算では13年間で91本塁打。36歳となった今季は29試合の出場で1ホーマーに終わったが、大舞台で見せた勝負強さは魅力的だ。

 さらに年齢と実績を下げてみると、来日の実現性は高まってくる。実際、すでにヤクルトが今オフにゴールドグラブ賞獲得の経歴を持つアルシデス・エスコバー遊撃手を獲得済みだ。エスコバーはロイヤルズ時代の2015年にオールスターとゴールドグラブ賞に選出。長くレギュラーとして活躍した。しかし昨オフにFAになるとマイナー契約しか結べず、32歳で迎えた今季はホワイトソックスの3Aで打率2割8分6厘、10本塁打、70打点をマークしたがメジャーには復帰できなかった。

 メジャー11年で通算41本塁打とパワーはないが二塁打の多い中距離打者で、狭い神宮球場ならば長打も期待できそう。通算174盗塁の機動力と守備力ももちろんセールスポイントになる。

 さらには巨人が興味を示していると報じられたのが、ゴールドグラブ賞2回のジェラルド・パーラ外野手。こちらはダイヤモンドバックス時代の2011年と2013年にゴールドグラブ賞を獲得し、その後はブルワーズやロッキーズなどで主力として活躍した。

 今季はナショナルズで主に左の代打の切り札として活躍。ジャイアンツからナショナルズへ移籍後の初安打は逆転満塁ホームランで、7月には代打で4打席連続の打点をマークするなど勝負強さを見せた。登場曲の「ベイビー・シャーク」に合わせて手を叩く「シャークダンス」は観客やチームメイトにも浸透し、球団初のワールドシリーズ制覇を達成したナショナルズのムードメーカーとして存在感を発揮。メジャー通算成績は打率2割7分6厘、88本塁打、522打点だ。

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元セーブ王も現在はフリーエージェント