あまり視界が開けない展望席最前列の窓際(撮影/安藤昌季)
あまり視界が開けない展望席最前列の窓際(撮影/安藤昌季)
グループ旅行などで座席を向かい合わせにする場合、横長の窓の列車では柱が中央に来ない座席を選ぼう(撮影/安藤昌季)
グループ旅行などで座席を向かい合わせにする場合、横長の窓の列車では柱が中央に来ない座席を選ぼう(撮影/安藤昌季)
背もたれの可動式枕、レッグレスト、インアームテーブル、背もたれのテーブルを出した状態(撮影/安藤昌季)
背もたれの可動式枕、レッグレスト、インアームテーブル、背もたれのテーブルを出した状態(撮影/安藤昌季)
限定メニューもチェックポイントに加えたい(撮影/安藤昌季)
限定メニューもチェックポイントに加えたい(撮影/安藤昌季)

 筆者は乗り物ライターを生業としているが、鉄道の趣味趣向を分類するなら「座席鉄」である。「座席鉄」とは聞き慣れない言葉だと思うが、鉄道を中心とする乗り物の座席にこだわり、その居住性を楽しむという鉄道趣味である。乗り物に乗る場合、接している時間が最も長いのは外観ではなく、座席を中心とした居住性の部分である。だから「座席」にこだわることは、旅を快適に楽しくするすべだと考えている。

「座席鉄」ではない皆さまも、例えば映画館に映画を見に行く際には、座席選びにこだわったりはされないだろうか。どの席ならスクリーンが見やすいのか、お手洗いに行きやすいのか、など考えられるのではないかと思う。乗り物もまったく同じであり、座席選びには意味があると考える次第である。

■新幹線や特急列車の「よい座席選び」

 何をもって「よい座席」とするのかは、乗車する人の条件でも異なる。例えば東海道新幹線普通車にビジネスで乗車して、車内でノートパソコンを使いたい場合と仮定してみよう。

 この場合、望ましいのは「電源とテーブルの確保」である。東海道新幹線は、ほぼ全列車がN700系新幹線で運行されている。この車両は、近年の新幹線車両の大半と同じく、窓側のA席、E席に近い側壁と、車端部のデッキと接した最前列、最後列の壁面にコンセントが設置されている。つまり、2人掛けの通路側と、3人掛けの通路側、真ん中の席を確保した場合は、電源の確保が難しいということになる。理論的には窓側の人に声掛けをした上で、トリプルタップと延長ケーブルを用意して自席まで伸ばすこともできようが、実行にはなかなか勇気が必要である。

 つまり、インターネット予約、もしくはみどりの窓口で「電源のある座席を選んで指定する」のが望ましいということになる。1人の出張ならこれでいいのだが、電源のある席が満席のとき、あるいは1人ではなく、3~4人で乗車するとしたら、また違ってくる。

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コンセントを装備した普通車両も増加中