錦織圭、ウィンブルドンの躍進で掴んだ「自信」と「好感触」 (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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錦織圭、ウィンブルドンの躍進で掴んだ「自信」と「好感触」

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内田暁dot.

ウィンブルドンでベスト8入りした錦織圭 (c)朝日新聞社

ウィンブルドンでベスト8入りした錦織圭 (c)朝日新聞社

「圭の仕上がりは、素晴らしいよ!」

 ウィンブルドン開幕を翌日に控えた、練習コートでのこと。錦織圭のマネージャーは、満面の笑みをこぼしてそう言った。

 練習か、あるいは実戦か――これはウィンブルドンに挑むにあたり、多くの選手たちが直面する命題だ。全仏オープンとウィンブルドンという2つの4大大会の間に横たわる時間は、わずかに3週間。しかもサーフェス(コートの種類)は赤土から芝へと、その特性が180度と言っても良いほどに激変する。

 とりわけクレーに慣れた選手たちが、芝に移行し苦しめられるのがフットワークだ。足元の滑り方が大きく異なるコートでは、身体を動かすメカニズムから使う筋肉も変わってくる。その移行期に、実戦を多く踏み自然と身体を慣らしていくのか、あるいは練習とトレーニングにより計画的に適応していくのか……その方向性を指し示すのは、ベテランの選手ですら見極めるのに頭を悩ます繊細で微妙な羅針盤だ。
 
 全仏後に、芝のゲーリーウェイバーオープン(ハレ開催)に出場するのは、この5年間、錦織が取ってきたルーティーンである。だが過去3年間はいずれも大会中にケガを負い、実戦と練習のいずれも不十分なままにウィンブルドンを迎えてきた。トップ10入りを果たし、実力的にはベスト8以上を十分狙える位置にいながら、これまで4回戦の壁を突破できなかった最大の理由もここにあった。

 今年も錦織は、例年通りにハレ大会に出場。2回戦で敗れはしたが、ケガなく試合を終えられたことは、当然ながら大きな意味を持った。

 錦織のコーチのマイケル・チャンは、ハレ大会が同週に開催される他の大会より優れている点として「練習コートが多いこと」を挙げている。実は練習時間の確保は、芝で選手の頭を悩ませるもうひとつの問題だ。使うほどに消耗する芝は、練習時間も限られる。その年の気象状況にも左右されるが、1日1時間しか練習できないことも珍しくない。

 その点において恵まれているというハレに、錦織は敗戦後も3日間滞在し、アレクサンダー・ズベレフやドミニク・ティームらのトップ選手、そして台頭著しい若手のステファノ・チチパスらと充実の練習が積めたという。さらにはトレーニングでも、下半身を重点的に鍛えつつ、フットワークの強化にも時間を割いた。



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