食事の開始の前には摂食・嚥下障害の有無を調べます。軽症例では、少量の水を飲むテストやゼリーを食べるフードテストをおこない、ベッドを30度程度起こし、あごを引いた姿勢で、少量ずつのみ込む訓練をして普通食に近づけます。

 言語障害には、ろれつが回らない構音障害と、言葉の意味がわからない失語症があります。失語症では、読むことや書くことの障害にも訓練をおこないます。

 生活期を過ごす場所はさまざまですが、自宅に戻る場合は段差をなくす、玄関やトイレ、風呂に手すりをつけるなど、安全かつ快適に生活できるようリフォームが必要です。通所リハビリなどを継続し、外出する機会を作りましょう。

■高次脳機能障害とは

 脳卒中や事故で脳が損傷され、知覚、記憶、思考などの認知と行動に障害が現れる状態です。

 手足の麻痺などに比べ、高次脳機能障害は一見しただけではわかりにくいことが多いのが特徴です。日時や場所が覚えられない記憶障害、会話が困難になる失語症、簡単な動作の順序がわからない失行、感情のコントロールが難しい社会的行動障害などがあります。

 高次脳機能障害はリハビリ症例や社会資源によるサービスがまだ不十分で、一般にも理解されにくいことが課題です。