プレ思春期とよばれる9歳、10歳は、子どもの体も心も大きく変化を迎える時期です。いつもイライラしていたり、なんとなくだるそうに見えるのも、脳の中でさまざまなホルモンなどが活発に分泌されるているため。心も体もとても不安定な状態なのです。
また、この頃になると自我もしっかりと確立されてきます。ですから、それまでは気にならなかった、ほかの人との違いや差もわかるようになるのです。
そんな多感なプレ思春期の子どもたちが、より大きくストレスを感じるのが「友だち」と「塾」。親には見えにくい部分でもあり、子どもたちもなかなか本音を言いづらい部分でもあります。『AERA with Kids 秋号』では、子どもの本音に寄り添う親の対応を、専門家に聞きました。
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【ストレス1:友だち】
「小学校では、2年ごとにクラス替えが行うところが多いのです。すると、1年生の次は3年生。このクラスが4年生になって友だちが固定化すると、グループが生まれやすくなるんです。とくに、女子はその傾向が顕著ですね」と話すのは、教員生活を経て、現在は風路教育研究所を主宰する風路京輝さんです。
友だちグループは、プレ思春期の子どもたちの大きな悩みの種にもなるのです。
■グループに入れない
中には、まだどこの友だちグループにも入れていない子どももいます。入りたいのに、入れない焦りと寂しさは、大きなストレスに。風路さんは「自己肯定感が高く、自分に自信がある子どもは、グループに属さなくても平気なのです。逆に、自信がない子どもは、いつも誰かと一緒でないと不安で、友だちと固まる傾向があります」と話します。
「もし、子どもがこんな悩みを持っていることがわかったら、担任の先生にこの状況を知らせておくのがベターでしょう。高学年になると、修学旅行などの行事もあります。グループに関しては、先生が配慮してくれるはずです」
■グループをかわりたい
「今のグループには意地悪な子がいるから、ほかのグループに入りたい。でも、ほかはどこもしっかり固まっているから……」とひそかに悩んでいる子どももいます。風路さんは「日ごろ、学校での人間関係やその子の性格を把握しているのは、が担任の先生です。現状を相談してみましょう。ほかのグループに声をかけてくれるなど、力を貸してくれますよ」と話します。