友だち関係で悩む子どもを前に、親はつい「じゃあ、◯◯ちゃんにいれて、って言えば?」などと言いたくなってしまうところ。しかし、ベストは、子どもの様子を観察して、気になることは担任の先生に相談しておくこと。状態を共有しておくことなのです。

「子どもの友だちストレスを軽減させるには、子どもの得意なことを見つけて、自信を持たせてあげることも有効です。また、親も保護者会やPTA活動に参加するなど、学校とかかわりをもっておくこともおすすめです。クラスの雰囲気も自分の目で確かめられるし、わが子の学校での様子も耳に入ってきますよ」

 もうこのくらいの年齢だから、そこまで関わらなくても大丈夫かな、と親は思いがち。でも、この時期こそ、手はかけずにそっと見守る姿勢が大切なのです。

【ストレス2:塾】
 中学受験に向けて、塾に通い始めるのも、プレ思春期のころがもっとも多く見られます。しかし「塾では、勉強以外の葛藤もたくさん経験するのです」と話すのは、有名中学受験塾で10年以上算数の講師を務める田村真紀さん(仮名)です。

■成績マウンティング

 塾で行われるテストの成績で、クラスやコースが分けられるところも多くあります。そんなとき、友だちから「おまえ、コースが落ちたー!」とからかわれてしまうと、からかわれた当人は悔しいやら悲しいやら……。

「テストの成績は、塾の子どもたちにとって格好の話題です。それをマウンティングされたら、子どもは落ち込んでしまうのです。そんなとき、親が『こんな成績とって、もうあとがないのよ!』なんて追い打ちをかけるような言葉を浴びせたのでは、子どもは傷ついてしまいます。もうじゅうぶん自覚しているのだから、しっかりと子どもの話を聞いて、気持ちをポジティブに変換させてあげましょう」

■塾の費用が気になる

 実は「高いお金を払ってくれているから、頑張らなきゃ……」と塾の費用を気にしている子どもも多く見られるそう。これが、子どもへのプレッシャーとなります。「子どもに対して、お金の話はNGです。ただでさえ成績のプレッシャーと戦っているのに、さらに親に負担をかけているという負い目を感じさせては気の毒です」と田村さんは話します。

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