「商品には保険の対象となる診療費の70%、または50%を限度の範囲内でお支払いする二つのタイプがあります」(アニコム損保経営企画部課長の塩澤みきさん)

「ふぁみりぃ50%プラン」は、支払い割合が診療費の50%。限度額は通院入院では1日あたり最高1万円まで、手術は1回あたり最高10万円まで。1年間に利用できる日数は、通院と入院がそれぞれで20日まで、手術は2回まで利用できる。支払い割合が70%になるプランもある。

「新規契約の対象年齢は、保険契約が始まる日で7歳11カ月までですが、継続契約は原則として一生、続けることができます」(塩澤さん)

 保険料はは1種類だけだが、犬は犬種によって五つのクラスに分けられている。たとえば、1歳で50%プランに加入した場合、チワワは月払いで2340円だが、ドーベルマンでは3630円になる。

「犬種によってかかりやすい病気のリスクが異なります。アニコムは体の大きさだけでなくリスクに基づき、保険料を決めているので、犬種で差が出るのです」

 アニコムならでは独自のメリットもある。アニコムの保険に対応している病院であれば、窓口に保険証を提示するだけで保険金の請求が完了する。他の損保会社や少額短期保険会社では、動物病院の領収書を保険会社に送る必要がある。受理されてから指定口座に保険金が振り込まれる仕組みだ。

 一方、少額短期保険会社のペットメディカルサポートの商品「PS保険」の場合、特徴的なのは、保険料が安いこと。1歳のチワワの保険料は月額1500円で済む。

「我が社は、販売はインターネットが基本で、対面販売の代理店制度は採用していません。また、本社も東京のみで、人件費やオフィス代などの経費がかからないようにしています。それが、保険料の安さにつながっているのです」(ペットメディカルサポート取締役の猪又司さん)

 動物病院の領収書をペットメディカルサポートに送付し、保険金を請求する手続きは必要だが、補償内容は損保会社と肩を並べる。通院の補償は1日あたり1万円まで、限度日数は年20日、入院は1日あたり2万円までで限度日数は年30日まで、手術での限度額は1回あたり10万円で異なる手術2回まで請求ができる。

 前述の宮越さんは、ペット保険を比較するとき、まず補償額を足し、総額で比べるとよいとアドバイスする。たとえば、支払い割合が70%プランで通院・入院が1日あたり最高1万4千円まで、利用日数は年20日、手術1回あたり14万円で2回まで利用できるという商品の場合、受け取れる総額は、最多で56万円になる。

 次にチェックしたいのが保険料だ。年払いやマイクロチップをつけていると割安になる会社もある。また、保険の利用状況によっては、継続加入した場合、翌年の保険料が安くなることもある。

 補償と保険料が把握できたら、さらに加入できる年齢や継続契約した場合に終身かどうか、保険請求の方法、特約の有無を検討していこう。ペット保険の中には、入院と手術に特化し、通院は保障しない商品や、1回の限度額、加入できる年齢が違う商品もある。

※アエラムック『動物病院 上手な選び方』から抜粋