■子どもたちが大人だったから理解してもらえた
幸い火傷は軽くすみ、ここから話がとんとん拍子に進む……はずだったが。
「結婚を決めたと、友人たちに報告をしました。皆驚きとともに、心から喜んでくれて。でも、すぐに結婚式は挙げず、入籍もしませんでした」
劇的なプロポーズを受け、高まる気持ち。友人にも報告したのに、どうして先に進まなかったのだろうか。
「彼はすぐに再婚したいと思っていたものの、実は離婚してまだそんなに時間が経っていなかったんです。ずいぶん前から奥さんとは別居していたので、実質は離婚状態でしたが。また、私の父の具合が少し悪くなってきて。そんなに慌てなくても、結婚式、入籍はひと呼吸おいてからでもいいかな、って思ったんです。まずは一緒に暮らしてみようかな、って」
ご主人には子どもが3人いた。子どもといっても皆成長して、一番上の子は社会人に、二番目と三番目は大学生で、家を出てそれぞれひとり暮らしをしている。
「子連れ婚ではありますが、彼はひとりで生活していたので、私と一緒に暮らすことについては案外スムーズでした。子どもたちもみんな大人というか、お父さんのことはお父さんが決めればいい、というようなところがあって。再婚については特に反対はなく、すんなり私のことも受け入れてくれました。今でも本当に感謝しています。これが、私も彼ももっと若くて、子どもたちも小さかったら……、状況は少し違っていたかもしれませんね」