「私たち、結婚しました!」――続けて届いた2通の結婚報告はがき。お葬式に参列することのほうが増えていたというのに、まさか同年代である50代の友人から結婚話を聞かされるとは。もしかして、と調べたところ、ここ20数年で50歳前後の結婚増加が判明。総数から見れば少ないものの、“50歳からの結婚”が増えていることは間違いないようだ。連載「50歳から結婚してみませんか?」では、結婚という大きな決断を50歳で下すことになった5人の女性の本音とリアルに迫る。第3回は、伊藤あや子さん(仮名・52歳・会社員)の場合をお届けする。
* * *
「顔を火傷して包帯ぐるぐる巻のミイラ姿の私に『僕がキミの傷を治してあげるから、大丈夫! 結婚しよう』、そう言ってくれたんです」
52歳の伊藤あや子さん(仮名)が結婚を考えるようになったのは、40代後半から。一人っ子で育ち、親が80歳を超え、このままいけば、私は独りぼっちになってしまう……。そんな気持ちから、“婚活”を少しずつ始めた。その甲斐あって、知人が紹介してくれたのが、開業医である今のご主人だ。それはおつき合いがゆっくりと始まっていた頃だった。