ともかく帰宅して病院に電話すると、入院準備してすぐ来てくださいとのこと。

 まだ陣痛は全くなかったので、ドキドキしながらもテキパキと準備を整えて、夫の運転で病院へ。

 すぐに検査してもらうと、子宮口は全く開いていないものの、破水で間違いないということでそのまま入院することに。

 よく、陣痛が始まって病院に駆けつけても、子宮口が開いていないと家に帰されると聞くが、破水の場合はそこから感染する危険が発生するので入院になることが多いらしい。

 夜9時頃に入院し、

「さあいよいよ陣痛だ! もういつ来てもおかしくない!」

 と待ち続けたが一向にそれらしき痛みは来ないまま、朝を迎えてしまった。

 その日の昼だったと思う。子宮口を開くための処置を提案された。

 昆布でできた棒を差し込んでふやかして開く、というものだ。

「出汁が出ちゃうじゃないか!!」

 当然そう思う人もいるだろう……その時の私は考えつかなかったが夫はそこを心配していた。

 軽くグーでやってやった。

次のページ
時々別の部屋から聞こえてくる叫び声…