その代わり「フリースタイル出産」という特徴があった。それは、分娩台以外にベッドや畳、水中出産の中から選べるというものだ。

 水中か畳か。

 そのどちらかで迷った結果、畳の上でのスタイルを選んだ。

 畳の上でゴロゴロと楽な体勢を取れる方が良いような気がしたからだ。

 この判断は後に吉と出るか凶と出るか……。

 なにせ初めての経験なので、賭けである。

 安産につながると聞けば何でも試した。

 運動をした方が良いと聞いてプールに通って週3で泳いだ。

 会陰が裂けるのを防ぐため、カレンデュラオイルでマッサージもした。

 ママさんヨガもした。

 経験談もたくさん聞いた。

友人A「痛いよおー(にやり)」
友人B「ほんとに痛いよおー(にやり)」

 という恐怖が増すだけの体験談から、

「私はね、陣痛が長い方がラクなのよ、だんだん痛みに慣れるからね」

 という、3人産んだベテラン看護師の話。それから、

「鼻からスイカってよく言いますね、でも実際は、グレープフルーツくらいですから」(ヨガ講師)
「いつかは終わる痛みです」(看護師)

 という、もやっとするアドバイス。

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そしてその時はやってきた…