42歳で電撃結婚、翌年には高齢出産。激動2年を経た女優・水野美紀さんが、“母性”ホルモンに振り回され、育児に奮闘する日々を開けっぴろげにつづった連載「余力ゼロで生きてます」。第2回は破水から入院、陣痛促進剤投与まで。子宮口を開くために処置された予想外の物体とは? あくまでも、ノンフィクションです!
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人生において、ともすれば命の危険にさらされるくらいの痛みと、涙が溢れるくらいの喜びが「同居する」場面、というものはあるだろうか?
私は最近経験した。
そして読者の皆さんの母親はもれなく経験されているはずだ。
そう。出産だ。
話は今から一年ほどさかのぼる。
臨月を迎えた私は不安と恐怖に苛まれていた。
一体、陣痛やら分娩(ぶんべん)の時の痛みとやらはどれ程のものなのか。
もうすぐ必ず訪れる、その痛みのことを考えるのが怖い。
怖くない妊婦なんているものか。
無痛分娩にしなかったのは、一番通いやすい病院が、たまたま無痛分娩を扱っていなかったからという理由だけ。