「病院のご飯が豪華で美味しかった」
という、出産に関係ない感想から、
「最後にいきむ時はね、すごく気持ちがいいよ!」
といった前向きな意見までたくさんヒアリングした。
しかし、それで心の準備が整ったかと言われればNOだ!!
Xデーに向けて恐怖は増すばかりである。
そしてその時はやってきた。
予定日を過ぎても音沙汰がなく、気晴らしに、夕食の買い物がてら近所の商店街を夫婦で散歩していた時のこと。
ふと、ぬるい水が股から流れ出たのを感じた。
おちょこ半分くらい。
「破水……か?」
イメージでは大量にバシャー! っと出るのが破水である。
何たって、破裂の破である。
立ち止まった瞬間、再び、今度はおちょこ一杯くらいの出水。
これはきっと破水だ。
7割くらいの確信を持って夫にそう伝えた瞬間、夫の瞳孔が開いた。
おっと、動揺しているぞこれはかなり動揺しているけども何とか冷静を装わんと頑張っている。