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医学部受験が佳境を迎えている。各大学の特徴を知るためには、全体を俯瞰して比べるのも有効だ。発売中のAERAムック『AERA Premium 医者・医学部がわかる2018』では、学費や医師数、過去20年間の難易度の変移など、医学部の「数字」を徹底調査。ここでは、私立大医学部6年間でかかる学費と偏差値、医師国家試験合格率などを紹介する。
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2008年に順天堂大が6年間の学費を約900万円下げた結果、志願者が集まり、偏差値が上がった。それ以降、昭和大、東邦大、帝京大、東海大、藤田保健衛生大、愛知医科大などが学費を下げた。
表を見るとわかるが、学費と難易度はいわば「反比例」で、学費が安い大学は一般的に偏差値が高い。
18年度入試では、御三家の日本医科大が、6年間の学費を570万円下げ、順天堂大との差は約150万円に縮まった。
「将来のリーダーを育てる大学でありたいという思いを込めて、学費を値下げしました。昨年夏のオープンキャンパスは、予約制で千人以上集まり、参加できない受験生もいました」(日本医科大・小澤一史医学部長)
国家試験の合格率をみると、偏差値62以下の大学では、兵庫医科大、藤田保健衛生大、川崎医科大が比較的高い。これらの大学では、国試対策にも力を入れている。
一方で、合格が難しそうな学生を20人以上留年させる大学も複数ある。この結果、見かけの合格率は高くなる。厚生労働省「学校別合格者状況」で、志望校の出願者数と受験者数をチェックしておこう。
(文/庄村敦子)
※『AERA Premium 医者・医学部がわかる2018』から抜粋
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