このように、着替えたくない理由がありますので、まずはそれを探りましょう。冬は浴室を出た場所が寒いという理由で着替えを拒んでいる人もいます。女性の場合は人が見ているところでの着替えは嫌だという人も。これもまた、当然のことです。対処できるものは対処してあげてください。
【Q6】夜、一人で寝るのを嫌がります
【A6】幻聴など気になることがあるのかもしれません
一人で寝るのを嫌がる場合、何か不安を抱えていることが多いです。例えば聞こえないはずの声が聞こえる幻聴、見えるはずのないものが見える幻視によるもの。また、昔の体験を思い出していることもあります。泥棒に入られたことを思い出した場合、怖くなって一人で布団に入っていられない、というのは当然のことでしょう。
まずは不安の理由を聞いてみましょう。そのとき大事なのは決してご本人の訴えを否定しないということです。一緒にいるご家族であれば予想がつくことも多いと思います。そのうえで、例えば泥棒が怖いのであれば、「鍵をかけたから大丈夫」などと安心してもらいます。対応が難しい場合は主治医に相談しましょう。
【Q7】デイサービスを利用しようと思っていますが、本人は乗り気ではないようです
【A7】複数の施設を体験し、「ここなら通いたい」という所を見つけましょう
まず、「認知症だからデイサービスに行ったほうがいいよ」などという言い方はよくありません。病気があるからと特別視されることが認知症の人はとても嫌なのです。デイサービスなどの介護施設はご本人のためのもの。「楽しいプログラムがあるよ」などと誘ってみましょう。
なお、高齢者にはデイサービスというと「一方的に介護される」というイメージを持つ人も多いです。「認知症があるとばかにされるのではないか」と心配する人もいます。いいスタッフのいる施設に行き、温かく受け入れてもらうと、こうした心配は払拭されます。
また、家族が体験したくないようなサービスは本人も嫌なはずです。家族も一緒に複数の施設を体験して決めましょう。