「成功の秘訣(ひけつ)を教えてください」「どうやったらそんな風にうまくできるのですか」という質問をされて、嫌な気分になる人はいません。イライラのパワハラ上司でも、何かしら人より秀でているところはあるはずですから、そこに注目し、タイミングよく質問を投げかけるだけで、上司の態度も軟化して、職場の空気もよくなるはずです。
●「できていないところ」ではなく、「できているところ」に着目する
これはリーダー的な立場にいる人にとくに心がけて欲しいことですが、部下のできていないところばかりが目に付いたとしても、できるだけ「できているところ」に着目することが大事です。
「注目し、指摘したことが増大する」というのが心理現象の法則です。営業数字が上がらない部下がいたとして、「数字が足りていないのにやる気がない!」「1日の訪問件数がまったく足りていない!」とその原因を指摘する前に、できている点を指摘しましょう。
「目標数字には達していないけど、70%まできたね。残り30%の数字をどうやって作ろうか?」「1日の訪問件数、忙しい中、平均3、4件回れているのは良いね。ここからさらに増やすには、どういう工夫ができるかな」というように、できていることを指摘して、そこからのもう一工夫を促す話し方を心がけてください。
これは職場に限らず、お子さんへの声掛けや、パートナーへの声掛けにも当てはまる法則です。
人はついつい、できていないところに目がいき、そこを指摘してしまいがちですが、そうすればそうするほど、良くないところが増大する、という法則を忘れないでください。
まずは自分自身の気分を整えて、明るい気分で周りと接する。声をかけるときも、できていないことではなく、できていることに着目して質問を投げかける。
これを続けていけば、あなたの良い気分に感染した人が増えていき、気分よく働ける職場に変わっていくはずです。(プロコーチ・夢実現応援家 藤由達藏)