どうにも職場の雰囲気が暗い。上司のキャラクターかもしれないが、いつもピリピリしていて息が詰まる……。職場の空気が悪くて嫌だという人も大勢いると思いますが、「自分が少し変わるだけで、職場の気分も簡単に上がります」とコーチングのプロは語ります。
『やっぱり、気分を上げればすべてうまくいく』(朝日新聞出版)の著者でもあるプロコーチの藤由達藏さんに、暗い職場を簡単に明るくする方法について聞きました。
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「ブラック企業」とか「心が折れる職場」「不機嫌な職場」というキーワードが脚光を浴びるようになって久しいですが、1日の大半を過ごす職場環境の良しあしは働く人個々人の気分に大きな影響を与え、その結果、仕事のパフォーマンスを上げもすれば、下げることにもなります。
「職場の雰囲気が悪い」「上司が不機嫌で、みんなの士気が下がっている」「誰も助けてくれない」といった、さまざまな痛みや苦しみの声が渦巻いていますが、自分自身がちょと変わるだけで、周りや職場の気分を上げられる簡単な方法をいくつかご紹介します。
●“気分”の強力な感染力を利用する
不機嫌な人が1人いると、周りの空気も悪くなる。逆に明るい人が1人いれば、周りの空気もパッと良くなる。この「気分の感染力」については、実感としてわかる人が多いのではないでしょうか。
私たちのコミュニケーションは、「合わせ鏡」によく例えられます。こちらが仏頂面なら相手も仏頂面になりますし、こちらが笑顔で接すれば、相手も笑顔を返してくれるのです。
この原理を利用して、どんなに不機嫌な職場でも、自分だけはいつも口角を上げて、ほほ笑みながら人に接するようにしてみてください。自分が「良い気分の発信源」となるだけで、職場の雰囲気はじわじわと良くなっていきます。
●イライラ、パワハラ系上司への対処法
そうはいっても、いつもイライラして、怒鳴り散らしているような上司には、とても笑顔で接することなんてできない、という人もいるかもしれません。
そういう上司と接するときに有効なのが、「成功の要因を聞く」という方法です。基本的にどんな人でも、質問されるとついつい答えを考えてしまいます。その性質を利用するのです。