日本三大和牛のひとつ、松阪牛。一般的な和牛に比べて、脂身が溶け出す温度が低いといわれており、口にした人が「溶ける、溶ける!」と表現するほど、肉質は柔らかく、脂の質がいい、日本が誇るブランド牛だ。
楽天トラベルが調査した「三重県を旅した人が選ぶ!三重県・旅めしランキング」によると、最もおいしかったという票が集まった旅めしは、ダントツで松阪牛のすき焼きだった。
ランキングは以下の通り。
1位 松阪牛のすき焼き
2位 伊勢うどん
3位 てこね寿司
4位 とんてき
5位 うなぎ料理
6位 ハマグリ料理
7位 秋刀魚寿司
8位 めはり寿司
9位 亀山みそ焼きうどん
10位 松阪鶏の焼き肉
ここで気になるのが、10位の「松阪鶏の焼き肉」。実は、松阪牛の産地である三重県松阪市では、牛肉だけでなく豚肉や鶏肉も「松阪ブランド」化し、地域をもり立てているのだ。
まだまだ知名度の低い「松阪豚」だが、脂のおいしさは豚の中で断トツと言われており、その組成は油脂分30%、コラーゲンをなんと70%も含んでいるという。さらに、ゆでてもあくがほとんど出ず、焼いても煙が少ないのも大きな特徴。
そんな「松阪豚」を開発したのは、日本養豚業界のレジェンドと呼ばれる山越弘一さんだ。山越畜産の代表を務める山越さんは、豚の生体をひと目見ただけで部位ごとの肉のつき方やサシの入り方までわかってしまうという。そんな山越さんは、松阪豚のおいしさの理由を「やっぱり水。なだらかな山系の広葉樹の葉っぱが、養分をたっぷり含んだ腐葉土になる。そのミネラルをたっぷり含んだ地下水がいいんですわ」(公式サイトより)と、分析する。
ちなみに、「松坂ポーク」という名を耳にしたことがあるだろうか。「松阪豚」と「松阪ポーク」、何が違うの? と思うかもしれないが、実は大きな違いがある。
松阪ポークは四日市の畜産公社がつくる中国産種類の黒毛豚であり、国産三元豚品種の松阪豚とはまったく別ものなのだ。松阪市ではなく四日市市の畜産公社が販売していて、名前だけ「松阪」を使用しているだけなのだという。