2015年、2016年と連覇を果たし、今年3連覇を狙う青学大が今年も優勝候補の筆頭だ。(C)朝日新聞社
2015年、2016年と連覇を果たし、今年3連覇を狙う青学大が今年も優勝候補の筆頭だ。(C)朝日新聞社
この記事の写真をすべて見る

 毎年、新年早々、30%近い視聴率を稼ぎだすスポーツ中継。それが「箱根駅伝」だ。
1月2日、3日の2日間、朝7時から午後2時頃までテレビに釘づけになっている日本人は多く、翌朝のスポーツ新聞の一面を飾る。日頃は地味な扱いになりがちな陸上競技としては破格の注目度を誇る。

 その人気過熱ゆえに、日本のマラソンの弱体化の責任を箱根駅伝に求める向きもあるが、箱根駅伝が多くの人を楽しませてくれていることは間違いない。せっかくのこの大イベント、今年も楽しみ尽くすべく、みどころを紹介する。

●成るか、3連覇&3冠! ~王者・青学大に死角なし

 今年、もっとも注目されているのは、青山学院大学の箱根3連覇、そして「学生駅伝3冠」が成るか? ということだ。

 2014年の箱根5位から、2015年一気に優勝。その勢いのままに2016年には連覇を達成した青学大。昨年2016年は11月の全日本大学駅伝でも初優勝を果たし、10月の出雲駅伝に続き、すでに2冠。今回の箱根駅伝で3連覇を果たせば、同時に学生駅伝3冠も成し遂げることになる。

 それ相応のプレッシャーもあるだろうが、それだけ現在の青学大の力が抜けているということでもある。昨年の箱根優勝メンバーから4年生の4人は抜けたものの、秋山雄飛、田村和希、下田裕太と区間賞を獲ったメンバーが3人も残っている。区間賞こそは逃したものの2区で3位の激走をした一色恭志、6区2位の小野田勇次もおり、選手層が厚い。今年の箱根も青学大が主役の座を譲りそうにない。

●虎視眈々と青学大を追う早大、駒大

 青学大に迫れる可能性がもっとも高そうなのは、全日本駅伝で青学大を最後まで苦しめた早稲田大学だ。全日本駅伝で区間2位をそろえた鈴木洋平、平和真、武田凛太郎、さらに昨年の箱根9区区間賞の井戸浩貴と4年生に強力メンバーが並ぶ。全日本4区区間賞の2年生・永山博基、5区2位の1年生・新迫志希など力のある下級生もバランスよく活躍できれば、2011年以来の優勝も見えてくる。

 2008年以来、箱根の優勝から遠ざかっている駒澤大学は、昨年の箱根で3区2位、1万mとハーフマラソンでも現役学生トップの記録をもつ4年生・中谷圭佑の復調に命運がかかっている。故障により中谷を欠いた駒大は出雲5位、全日本4位と苦戦を強いられているが、箱根には補欠でエントリーされている。中谷が完全復活できれば、全日本でも区間3位と善戦した大塚祥平、工藤有生らも勢いづく。そうなれば、青学大、早大に食らいつき、勝負に持ち込めそうだ。

次のページ