灘中の入試は算数が特に難しく、スピードや発想力を要求する計算系の問題と、じっくり考えさせる図形などの問題が出題され、試験は2日間にわたって行われます。だから、同級生は算数が得意な子たちばかり。息子たちは塾の「最高レベル特訓算数」などで鍛えられたこともあり、中学入学後も難なく授業についていけました。
●リンゴを使った3次元の感覚
医学部は他学部と比べて定員が少ないのが特徴です。東大を例に挙げると理Ⅰは定員1108人なのに対し、理IIIは100人。他の大学も医学部は定員が少ないので、ちょっとした失点、失敗が命取りになります。特に差がつきやすい数学で点を取るには、12歳までに算数を鍛えておくのが重要です。
息子たちが算数・数学を得意科目にできたのは、1歳ごろから始めた公文のおかげだと思います。1歳から通い、年齢や学年に関係なく、自分のペースでどんどん進められるのがよかった。読み、書き、そして計算の基礎学力がつき、浜学園に入った小学3年の2月には、長男の算数は中学2年生のレベルまで進んでいました。
算数・数学については、家庭学習でも工夫をしました。
公文のプリントなど、紙に書かれた数字は2次元の世界なので、幼い子どもには想像しにくい。本物のリンゴなどを使って3次元の感覚を身につけるようにすると、理解が進みます。リンゴ1個を半分に切ったり、4分の1に切ったりすると、分数や小数の理屈が目で見てわかります。頭の中で立体的な映像に変換できるようになると、植木算や旅人算などの文章題も苦労しなくなり、数学に移行しやすくなるんです。
ミスを減らすために、親ができることはいろいろあります。
まず、数字を丁寧に書くクセをつけさせることです。そうしないと0なのか6なのか9なのかわからず、計算ミスをしやすくなります。答え合わせは親がして、どの問題を間違えたか、苦手はどこかをチェックすることが大切。医学部に合格しようと思ったら、「わかったつもり」になってごまかさないことです。