続いて「なにか言うと、理詰めで反論されそうで、ついガマンしてしまう」という場合。
「ここ、汚れているよ」。家事などで手が回らないところを容赦なく指摘し、正論を説く夫。「私だってがんばっているのよ」と反論すると、説教を長引かせるだけです。「あなたはすごいね」と認めた上で、「私はうまくえきないの。どうしたらいい?」「じゃあ、掃除お願いできる?」と、相談やお願いをする、「負けて勝つ」作戦を試してみましょう。
最後に「仕事で疲れていて、話し合う気もない夫」への対処法です。
一日中、母子2人で過ごした妻は、夫に話したいことがいっぱいです。でも夫は機のない返事。大事な用件でも「今じゃなきゃダメ?」「今度聞くね」といった生返事ばかり。こんな夫にはアポをとると効果的です。夫は仕事で頭がいっぱいだと考えられます。それなら仕事の要領で、事前に時間の約束をしましょう。自分の意見を通したいときほど、相手のやり方を尊重することが大切です。
「夫と妻で価値観が異なるからこそ、子育てにおいて違う役割を担えます」と、池内さんは話します。ところが昨今はパパがもう1人のママになり、妻の言いなりに夫が家事や育児をする夫婦が増えているようです。夫婦で助け合うのはいいことですが、子どもが成長して、いざ厳しく叱らないといけない場面などで父親本来の役割を果たせなくなる可能性もあります。「夫の役割は妻の代理ではなく、妻を支えること。夫婦の役割を見直すことも大切かもしれません」
東京家族ラボ代表 池内ひろ美さん
夫婦・家族問題評論家・家族問題コンサルタント。一般社団法人日本女子力推進事業団代表理事。『結婚の学校』(幻冬舎)ほか、著書多数
※AERA with Baby 2016年2月号より抜粋