親の介護に苦しむ中年の貧困層が増えている(※イメージ写真)
親の介護に苦しむ中年の貧困層が増えている(※イメージ写真)
この記事の写真をすべて見る

 30代後半、40代前半の貧困層、いわゆる「下流中年」が親の介護をする「若貧介護世帯」が増えているようだ。

 シゲノブさん(41)は、82歳の父と70歳の母と3人で暮らしている。大阪市内のサラリーマン家庭に育ったシゲノブさんは、子どもの頃から、ずっと両親に「とにかく大学に行け」と言われて育った。高校は大阪の公立進学校から関西の有名私大に進学したが、シゲノブさんは、そんな進路をどうにも受け入れ難かった。

「本当は高校を出て“お笑い芸人”の道に進みたかった。それを親がギャーギャー言うので仕方なく大学に進学しました。大学さえ行けば、好きなことをさせてやるというので仕方なく……」

 大学4年の時の就職活動は“超氷河期”といわれ、就職は困難を極めた。だが、シゲノブさんにとってこれは好都合だった。

「とにかく就職活動をしたという実績を親に見せつけることができた。就職できないなら、これは自分で独立してやっていくしかない。“お笑いの道”へという切り札になりました」

次のページ