■歌舞伎とライダー
吉:ここ(浜離宮ホール)から歌舞伎座は近いですけど、理佐さん、歌舞伎は定期的に観てるよね。梨園っていうんですか、あそこの男の子が産まれるだの、あそこは女の子しか産まれないだの、あるいは女形の方々の生活だの、そういう下世話なところも好きだよね。
伊:それも大好物です。大好きです。
吉:面白い世界なんだろうなと思いますね。一緒に歌舞伎を観に行ったらこの人、一人で桟敷(さじき)席を取ってたんですよ。独身の漫画家って、そういうところに金使うんだみたいな。それで桟敷席でネームをやってるんですよ。
伊:じゃあ言うけど、桟敷席にビールの保冷バッグ持ってきて、いっぱい飲んで。歌舞伎座の喫茶室にワインオープナーあるかって聞きに行ってさ。飲む気まんまんな歌舞伎だったね。
吉:ちょっと恥ずかしかったですね。でも子どもできてからは、この人は一人だったり、歌舞伎友だちのおばさまたちと行っていて。観たい気はするんですよ、時代小説とか好きじゃないですか。あと吉原とかね、歴史的なところを散歩するの好きで、歌舞伎見るとぐっとくるからね。今後はちょっと行こうかなと思ってます。
伊:一回、ドタキャンしたからね。それから怒って、私は誘ってないのよ。気づいてた? 当日の朝、「俺、行かない」って言ったから。
吉:あったっけ? そうか……。染五郎さんが僕の名前を出したとかって教えてくれたよね。誰から聞いたんだっけ。
伊:「ゲゲゲの女房」の脚本を書いた山本むつみさんね。私のすごい前の担当さんで歌舞伎好きで、染五郎さんに脚本をお願いしてみたい人を聞いたら、3人あげて。そのうちの1人が吉田さんだったという話をしたら、吉田さんはその夜に染五郎さんの夢を見たんだよね。
吉:テレビに出てる染五郎さんを、ファンとして見ている夢(笑)。まあ、マンガ家の仕事をやってきたお陰で、芸能人に会えたりとかはよくあったよね。
伊:会ってない、会ってない(笑)。
吉:伊藤さんは山田孝之に会いたいんだよね。
伊:山田孝之さんは、(吉田さんに)似てるから好きなんだよ。アハハハハ! パソコンのデスクトップは山田孝之さんのどアップ写真にしているんだけれど、子どもがちらっと見て、「これ誰?」って聞くから、「昔のお父さんだよ。若いときの」と言うと、「すごい若いね」って。全然違う人だって、分かってるんだか、分かってないんだか。
吉:最近は見分けつくようになったでしょ。嘘だって言うようになったでしょ?
伊:どうかなあ。すごい若いということで、遠さは表している。
吉:伊藤さんは録画機能でキーワードを入れると録ってくれるっていうのに、山田孝之入れてるんでしょ?
伊:嫌なの?
吉:いやいや、嫌じゃない。俺、役者の誰とか、歌手の誰とかをそこまで好きになるとかないじゃないですか。
伊:でも、テレビでライダー関係の人が出ると「ライダー、ライダー」って。ライダー関係の役者さんは全部覚えるよね。