オーストラリアで開催中のアジアカップは、1月20日にグループリーグの最終日を迎え、日本はヨルダンに2-0で勝って3連勝。勝ち点を9に伸ばしてグループDの1位でベスト8進出を決めた。日本は1月23日に準々決勝でグループCの2位UAEとシドニーで対戦する。
勝てばもちろん、引き分けでも首位通過が決定する日本。実力的に負ける相手ではないものの、ヨルダンは勝たなければベスト8に進出できないため、慎重な試合運びが要求された。というのも、日本と同じく2連勝で最終戦を迎えたグループAのオーストラリアとグループCのUAEは、押し気味に試合を進めながら、それぞれ韓国とイランに0-1で敗れて首位の座を明け渡したからだ。
スコアレスのまま試合が長引けば、何が起こるか分からないし、相手につけ入る隙を与えることになる。このため、できるだけ早い時間帯に先制点が欲しかった。前半10分、乾の得点は、その前のクロスがゴールラインを割ったとして取り消されたが、前半24分に岡崎のシュートのこぼれ球を本田が蹴りこんで先制したことで、日本はグッと楽になった。
後半のヨルダンは、選手交代とシステム変更で反撃を試みたものの、時間の経過とともに消耗も激しく、プレーが雑になり、反則も多くなった。そんなヨルダンに、後半37分、交代出場の武藤のクロスから香川が追加点を決めてとどめを刺した。香川にとっては、去年6月のザンビア戦以来のゴールだ。試合を重ねるごとに復調していたが、“ゴール”という結果の出ない香川だけに、「素直にうれしかった」と喜びを語っていた。
ここまで今大会を取材していて感じたのは、中東勢のレベルダウンだ。過去に優勝経験のあるサウジアラビアやクウェートがグループリーグで敗退しただけでなく、大量失点を喫している。ベスト8は東アジア3、中東3、中央アジア1、オセアニア1という顔ぶれだが、もともと中央アジアとオセアニアは1チームしか出場していない。東アジアで敗退したチームは、ワイルドカードで出場した北朝鮮だけだ。