とりあえずジーナ式にしたがって朝7時に起こすことから始めてみたが、すぐに午前中の昼寝で行き詰まる。今までぐずったら授乳して眠らせる、場当たり的な昼寝だったため、突然「今日から9時半にお昼寝だよ~」と寝かしつけたところで当然のごとく眠ってくれない。

 ここで立ちはだかるのが、ジーナ式のポイントの一つ「間違ったねんねサインを身につけさせないだ。ねんねサインとは、赤ちゃんが「これをしたら眠るんだ」と覚える合図のこと。

 例えば我が家では、眠くなると吸いたがるおっぱいが「ねんねサイン」になっていた。長男はミルクと母乳の混合から完全ミルクに移行していたので、ほとんど出ないおっぱいは眠る前のおしゃぶりになっていたのだ。おっぱいを吸わせ続けると目をつぶり始めるので、その後しばらく抱っこし続け(ここが長い)、完全に寝入ったところで布団にそっと置く……というのが眠る時のルーティーン。だいたいこの方法で寝てくれるが、寝かしつけに1時間以上かかる上、ひたすらおっぱいを吸わせ続けるのがしんどい方法でもあった。

 しかしジーナ式では、この方法がNGとなる。ジーナは、静かな寝室のベビーベッドでひとりで寝つくことを身に付けさせるように提唱しているのだ。が、実践するには問題があった。まず、我が家はベビーベッドではなく布団派。加えてジーナ式を始めた時点で10カ月になっていた長男は、一人で寝室に置いておくと泣きながら自力で引き戸を開け、寝室から脱出するのだ。

 そこで考え出したのが「屍作戦」だ。布団を敷いた暗い寝室に長男を連れて行き、私はできるだけ存在感を消し、基本、屍のようにただただ布団に横たわる……という方法。長男は当然、室内を徘徊したり、寝室を出ようとしたりするが、その際は淡々と阻止。布団に連れ戻し、自分はまた静かに横たわる、を繰り返す。

 やがて眠くなった長男はおっぱいを吸いたがって泣き出すが、これも淡々とやりすごす。正直、これが一番つらかった。おっぱいをあげたいのをぐっと堪え、作戦を続行するのだ。すると、泣き声が徐々に弱まってくることに気がつく。そのうちに泣きながらも布団をゴロゴロし始め、次第にその動きも緩慢に。そしてついに、寝息が聞こえ始めたのだ。

 初めておっぱいなしで眠った……! 感動しつつ時計を確認すると、寝かしつけにかかったのは50分程。短時間とは言えないが、以前よりは短くなっている。

 午後の寝かしつけも、時間はかかったが同様の方法で成功した。これは、いけるかもしれない! いそいそと「ジーナ式」用のノートを作り、日々の睡眠時間や授乳時間を記録。ジーナ式スケジュールに近づける日々が始まった。が、事はそう簡単ではなかった。

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