うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格。ベストセラー『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』の著者・杉山奈津子さんが、今や5歳児母。日々子育てに奮闘する中で見えてきた“なっちゃん流教育論”をお届けします。
この連載が本になりました。タイトルは『東大ママのラク&サボでも「できる子」になる育児法』です。杉山さん自身が心理カウンセラーとして学んできた学術的根拠も交えつつ語る「私の育児論」を、ぜひご覧ください。
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連日、テレビをつければコロナのニュースばかりで、「コロナ疲れ」という言葉に加え、最近では「コロナ鬱(うつ)」や「コロナ離婚」という単語まで耳にするようになりました。
不可解なのは、「〇〇県で初の感染者」なんて情報が、「速報」で流れることです。
もし各県の境目に高い壁があり、徹底した交通規制でもしているなら理解できるのですが、普通に移動できる状態なのに県で人数を区切り、急速に全国に知らせる意味はあるのでしょうか? 自分が住んでいる付近の場所なら感染者数を知って備えようと思いますが、遠い場所の情報を速報で得たからといって、私たちに何ができるというわけでもないため、ただただ気がめいります。
■マイナスなニュースに触れていると、精神に悪影響を及ぼす
デマと強調しつつトイレットペーパーがなくなっている映像を流したり、確実に食料の買い占めが起きると予測できるのに、全く対策をしないまま都知事が外出を控えるよう会見を開いたり……。「あえて国民の不安を煽っているのでは?」と疑いたくなるような報道がたくさん流れてきます。
心理学では、マイナスな言葉やニュースに触れていると、脳はどんどんマイナスなものばかりを見つけやすくなることがわかっています。また、人はマイナスなものを見るとストレスからネットやメディアを見やすくなる傾向があり、さらにそこでストレスがたまるという悪循環に陥りやすくなります。
予防法や回復した退院者の数、その後の経過など有益な情報はほしいですが、個人ではどうしようもできないレベルのニュースを、朝から晩までテレビから無作為に拾い続けていても、ただ精神に悪影響を及ぼすだけです。