具体的には、不安や恐れに対しては、まずは自分の状態の変化に気づくことが必要だ。不安や恐怖から、自分の状態が客観的に見えなくなっている場合もある。

 丸山医師によれば、話したり書きとめたりする作業も、自分の抱えているストレスを理解し、発散するのに有効だという。

「日記や、お子さんなら絵日記を描くのもいいと思います。子どもは潜在的ストレスを絵に具体化すると言われていますから、お子さんのストレスを周囲が理解する助けにもなるでしょう」

 そして、重要なのは「日常を継続する」ことだ。

 日本赤十字社では、過去の災害時、避難所用に「1日に1回は声を出して笑いましょう」と呼びかけるポスターを作ったことがある。

「ふさぎこんでしまいがちな環境で、ほっこりする、にっこりする瞬間は必要です。笑うことは免疫力を高める側面もあります。世代によるかもしれませんが、落語の人情噺(にんじょうばなし)とか寅さんの映画とか、そういったユーモアや笑いを生活の中に取り入れるのもいいでしょう」(丸山医師)

(編集部・高橋有紀、小長光哲郎)

AERA 2020年6月1日号より抜粋

▼▼▼AERA最新号はこちら▼▼▼