自分がどんな状態にあるか、知ることもストレスに対応する第一歩になる。日常を継続し、にっこりする瞬間を持つことも必要だ(撮影/写真部・張溢文)
自分がどんな状態にあるか、知ることもストレスに対応する第一歩になる。日常を継続し、にっこりする瞬間を持つことも必要だ(撮影/写真部・張溢文)
AERA 2020年6月1日号より
AERA 2020年6月1日号より

 コロナ禍の自粛生活を頑張りすぎてはいないだろうか。いわゆる「コロナハイ」状態の疲れが、反動となって来る頃だ。どう向き合えばいいのか。AERA 2020年6月1日号から。

【あなたは大丈夫?ストレスをチェックしてみよう】

*  *  *

 新型コロナウイルス感染防止に配慮して、仕事も特別対応。外出自粛でやりたいことを我慢して、慣れないZoomで会議に飲み会。料理をインスタにアップして、「支援! 絆!」を口実にネットショッピングざんまい。

 いま大変な状況で頑張っている私たち。協力している私たち。そんな私たちえらい!と、なんとなくテンションが上がる……。まるで、「コロナハイ」のような日々を送っていたのは、自分だけだろうか。

「共同体意識というか、そういう雰囲気はなんとなく感じます。でも、不安なのはその反動がくるとき。いつか疲れてしまって、何もする気がなくなる、眠れない、集中できなくなる、といったことが、やはり起こります」

 日本産業カウンセラー協会シニア産業カウンセラーの伊藤とく美さんは、そう指摘する。

 リモートワークやオンライン授業という新しい環境に順応するストレスで、すでに疲弊している人も多いかもしれない。

 本来、4月といえば入学・進学や入社といった新生活がスタートする時期だった。コロナ禍におけるストレスについて、感染が拡大した「時期」がより負荷をかけたのでは、と言うのは日本臨床心理士会支援事業部の齋藤ユリさんだ。

「新しい環境に慣れるまで、人によってはものすごくストレスがかかります。通常であれば、オリエンテーションや歓迎会、同期や同級生、先輩、先生などの細やかなフォローがあることで乗り切れていきます。でも、そういうサポートがコロナ禍でなかなか難しい。この時期でなければ、もっと横のつながりがあったはずです」

 ストレスがかかり、ハイの後の揺り戻しも懸念される。不安を分かち合う相手もいない状況で、私たちはストレスとどう付き合っていけばよいのだろうか。齋藤さんは、自分に合ったストレスコーピング(ストレスへの対処法)を行うポイントとして、「三つのR」を挙げた。

著者プロフィールを見る
小長光哲郎

小長光哲郎

ライター/AERA編集部 1966年、福岡県北九州市生まれ。月刊誌などの編集者を経て、2019年よりAERA編集部

小長光哲郎の記事一覧はこちら
次のページ