コロナ禍の自粛生活を頑張りすぎてはいないだろうか。いわゆる「コロナハイ」状態の疲れが、反動となって来る頃だ。どう向き合えばいいのか。AERA 2020年6月1日号から。
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新型コロナウイルス感染防止に配慮して、仕事も特別対応。外出自粛でやりたいことを我慢して、慣れないZoomで会議に飲み会。料理をインスタにアップして、「支援! 絆!」を口実にネットショッピングざんまい。
いま大変な状況で頑張っている私たち。協力している私たち。そんな私たちえらい!と、なんとなくテンションが上がる……。まるで、「コロナハイ」のような日々を送っていたのは、自分だけだろうか。
「共同体意識というか、そういう雰囲気はなんとなく感じます。でも、不安なのはその反動がくるとき。いつか疲れてしまって、何もする気がなくなる、眠れない、集中できなくなる、といったことが、やはり起こります」
日本産業カウンセラー協会シニア産業カウンセラーの伊藤とく美さんは、そう指摘する。
リモートワークやオンライン授業という新しい環境に順応するストレスで、すでに疲弊している人も多いかもしれない。
本来、4月といえば入学・進学や入社といった新生活がスタートする時期だった。コロナ禍におけるストレスについて、感染が拡大した「時期」がより負荷をかけたのでは、と言うのは日本臨床心理士会支援事業部の齋藤ユリさんだ。
「新しい環境に慣れるまで、人によってはものすごくストレスがかかります。通常であれば、オリエンテーションや歓迎会、同期や同級生、先輩、先生などの細やかなフォローがあることで乗り切れていきます。でも、そういうサポートがコロナ禍でなかなか難しい。この時期でなければ、もっと横のつながりがあったはずです」
ストレスがかかり、ハイの後の揺り戻しも懸念される。不安を分かち合う相手もいない状況で、私たちはストレスとどう付き合っていけばよいのだろうか。齋藤さんは、自分に合ったストレスコーピング(ストレスへの対処法)を行うポイントとして、「三つのR」を挙げた。