一方、貴族院のIlora 氏らによると、イギリスのおけるスーパーマーケット全体の売上高は43%の上昇だったのに対して、アルコールの売上高はロックダウン開始の3月21日からの1週間のうちに67%も上昇しました。新型コロナウイルス感染流行前からアルコール中毒だった人や中毒に近かった人は特に注意が必要であること、そしてアルコール性の肝疾患は今後一層増えるだろうと指摘しています。
クリニックで診療していると、「外出を控えるようになり、自炊する機会が増えた」「会食がなくなり、家で食事を取ることが多くなった」という声が患者さんから多く聞かれる一方で、「在宅勤務になり、運動を全くしていません」「体重が増えてしまいました」という声も多く聞かれます。スクワットのような簡単な筋トレなど、家の中でも可能な簡単な運動習慣をつけるようにアドバイスしていますが、健康的な食生活になった一方で、運動不足による体重増加や生活習慣病の悪化などが、今後深刻な問題となってくる可能性は十分にあるでしょう。
院内感染の報告を受けて、健康診断が中止や延期になってしまい、しばらく受診できていない、という方も多いのではないでしょうか。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、検診や検査を受けられなかったことによる影響もすでに予想されています。
IQVIAの報告によると、新型コロナウイルスの流行により医療機関を受診できなかったことを受けて、6月5日までの3カ月間に米国の8万人以上の人々が、乳がん・前立腺がん・大腸がん・子宮頸がん・肺がんの5つの診断が得られない、または診断が遅れると推定されたといいます。基準の2月に比べて4月の初めには乳がん、前立腺がん、大腸がん、子宮頸がん、肺がんの検診や検査数が4割から9割も減ってしまったことから、乳がんは36,000人、前立腺がんは22,600人、大腸がんは18,800人、子宮頸がんは2,500人、肺がんは450人が、診断が得られない、ないしは診断が遅れてしまうと推定されています。