そんな時、ヨガのレッスンがオンラインで配信されていて、教室に通わなくても自宅でヨガができることを知りました。早速、オンラインでヨガマットを購入し、数年ぶりにヨガを始めたのでした。
そもそもヨガとは、古代インド発祥の、精神統一や瞑想、呼吸法によって自己鍛錬を実践する手段。仏教における座禅も、元をたどればインドにおけるヨガの一種であるように、宗教的な色合いが強いものだったヨガですが、近代に入って欧米諸国に広まる中で、宗教的要素は薄れ、健康増進や疲労回復を目的とした健康法と変化し、さらに1980年代のフィットネスブームを受けフィットネス仕様へとアレンジされたヨガが、米国で脚光・人気を得たことで、世界中に広まるに至ったようです。
『Medical News Today』のライターであるCatharine氏は、都市生活は私たちの脳や身体に負担をかけるが、そのような負担は植物をそばに置いたり、瞑想やヨガで気持ちを落ち着かせることで軽減するかもしれないと指摘し、加齢に伴って脳皮質が薄くなるのを瞑想で抑制しうることも示唆されていると紹介しています。
ヨガが身体に与える影響についての研究結果も報告されています。例えば、ワシントン大学のDaniel 氏らによると、20歳から70歳の342人の大人を対象とした無作為化試験の結果、痛みに関連した思考や行動を変えるトレーニングと、瞑想とヨガを併用したトレーニングのどちらも、慢性的な腰痛の軽減と関連していたといいます。また、ボストン大学医学部のRobert氏らは、320人を対象とした無作為化試験の結果、ヨガによる腰痛の治療効果は理学療法に劣らなかったと報告しています。
深く呼吸をし、ポーズをとり、瞑想をする。コロナによる自粛をきっかけに、こうしたことを繰り返す時間を日常に取り入れられたことで、気持ちを落ち着かせると同時に前向きになれたような気がします。腰痛で悩んでいるという方は、ぜひ一度ヨガを試してみてはいかがでしょうか。