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42歳での電撃結婚。そして伝説の高齢出産から2年。母として、女優として、ますますパワーアップした水野美紀さんの連載「子育て女優の繁忙記『続・余力ゼロで生きてます』」。今回は、3歳になる我が子の言葉に成長を感じ、自分の毎年の誕生日に、驚きの共通点を見つけます。
* * *
子「なめくじたべたいの」
私「えっ?」
子「なめくじ」
私「食べたいの?」
子「やきやきしてたべるの」
私「なめくじ焼いてたべたいの?」
子「うん」
子供は突拍子もないことを言い出す。言い出すが、そこには何かきっかけがあり、文脈があるものだ。
このなめくじ発言。どうやらうちの子、公園で誰かがなめくじに塩をかけているのを目撃したことがきっかけなのだ。
塩をかけるイコールお料理。お料理イコール食べる。
だから、なめくじは、お料理して食べるものと繋がったようだ。
まだ姪っ子が2歳の頃。
実家で私の母が仏壇のろうそくに火をつけた時に、その姪っ子は目をきらきらさせて仏壇に駆け寄ると、「はっぴばーすでーとぅーゆー!」と元気に歌い出し、「おめでとー!」と火を吹き消してしまった。
ちょっと前に誕生日を祝ってもらったばかりの姪っ子は、ろうそくイコール誕生日、と繋がったのだろう。
仏壇に向かって無邪気に歌う姿のシュールさったらなかった。
あの光景をありありと思い出した。
こないだ、私に駆け寄って足に抱きついて、「ちーたんね、なんか元気ないみたい」という我が子。
さっきまで元気に走り回っていたので怪しいとは思いつつ、「どうしたの?」と聞くと、「げんきないみたいなの」と甘えた声を出す。
「だいじょうぶ?」と聞くと、「おせんべい食べたら元気になるかもよ」ときた。体をくねくねさせながら。
大好きなおせんべいをねだるのにも工夫がみられるようになった。
なんだか感慨深い。
そんな我が子は、とうとう今月3歳になる。
最近は唐突に「ウンチのうたうたって?」とねだられることが多くなり、適当なウンチの歌を即興で歌うというスキルを試されている。
なんとか、「うーんちうんち、ぶりぶりぶり~」と歌っていると即座に、「じゃあねえ、ウンチとおやつのうた、うたって」とくる。
ああ、私がシンガーソングライターだったら。即座に素敵なうんちとおやつの歌を作って歌ったことだろう。
親に課されるスキルはとんでもなく幅広い。
とりあえず、「おやつをたべよう~おやつをたべたらうんちだよ~」などなど、とてもひどい歌で乗り切ろうと頑張るが、「じゃあねえ、ウンチとおやつとくまさんのうた!」要求はどんどん高くなる。