降霊させたい。私に平井堅さんを降霊させたい。
きたる誕生日に向けて、「ちーたん、もうすぐお誕生日だよ。お誕生日のプレゼント、何がほしい?」と聞いてみると、「むち!!(虫)」と即答された。
ちょっと、あれか、あれなんだろうかうちの子は。
「ほら、おやつとか、アイスクリームのおもちゃとか、あたらしい靴とか、ぬいぐるみとか、絵本とか、いろいろあるでしょ? 何がほしい?」
「むち!!」
むちの一点張りである。日を改めて聞いてみよう。きっと気が変わっていることだろう。
そして私も誕生日を迎え、一つ歳を重ねた。
自粛明け、各局がドラマ撮影を再会。
フェイスシールドを携えて現場に赴く日々が始まった。
撮影現場の家が取り壊されてしまうという危機に見舞われたドラマ「浦安鉄筋家族」も、無事に新居が見つかって撮影再開にこぎつけた。
一つのエピソードの中で旧家と新家、間取りの違う二つの家が混在する事態。
これを無事と言って良いのかは分からない。
分からないが、もう、ちからわざで面白く乗り切ることになった。
「浦安鉄筋家族」という作品だからこそ成立可能なちからわざ。
ちなみに、主演佐藤二朗さんの主催する劇団名は「ちからわざ」。
残りの撮影、力を合わせてフルスロットルで駆け抜けます。
どうかオンエアで見届けてください。
くしくも浦安鉄筋家族の撮影再開日は、私の誕生日でした。
この作品で幕をあけた46歳。面白いことになりそう。
ちなみに45歳の幕開けは「奪い愛、夏」。
44歳の幕開けは「探偵が早すぎる」。
43歳はその時臨月。
こう振り返ってみると、ずっと面白いことになっていると気づく。
コメディーはとにかく体力がいる。体力の続く限りこの面白い波にのっていくつもりだ。
さて、もう一度聞いてみよう。
私「お誕生日、なにがほしいの?」
子「えっと、ケーキ」
私「ケーキはあるから、プレゼント、なにがほしい?」
子「クリーム」
私「えっと、クリームはケーキについてるから……」
子「クレープ」
私「うん、じゃ、食べ物じゃない物だとなにかな?」
子「ぶどう」
えっと、また日を改めてきいてみます。
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