ある女の子は、肉がどうしても食べられませんでした。その子と話していると、どうやら嫌いな理由は肉の匂いや食感ではないかと思いました。
そこで、彼女のお母さんに鶏肉のささみを使った料理のレシピをお伝えしました。このレシピなら、ささみがとても柔らかく仕上がるので、肉嫌いの子の初めの一歩にぴったりだと思ったのです。これがステップ2です。
どうして嫌いなのか、親も向き合って真剣に考えてみることです。原因がわかれば、解決法も生まれます。肉などは臭みや食感をクリアすると驚くほどあっという間に食べられるようになります。逆に生姜などの癖のある食材は、徐々に慣れさせてあげるといつの間にか食べられるようになるものです。
ところがここでもう一つ問題があります。「私はお肉が嫌い!」とすでにインプットされた子どもに、いかにして肉を食べてもらうかです。
そこで紹介したいのが、ステップ3。一緒に作って味見しちゃう「はらぺこ大作戦」です。
料理をしているうちに、だんだんお腹が空いてきますし、しかも自分で作っているものだから何だか美味しそうに見えてきます。そのタイミングで、味見をしてもらうのです。
目下、私の課題は、6歳の娘の生姜嫌いと、3歳息子のトマト嫌いを克服すること。どうやら娘は生姜のツンッという風味が嫌なようですが、牛肉のしぐれ煮に入れたら食べられることがわかりました。息子はトマトにちょっとの塩と蜂蜜をかけると大丈夫みたい。でも、まだ食べてくれる時とダメな時があるので、「はらぺこ大作戦」を実行中です。
好き嫌い克服に、残念ながら魔法のような近道ありません。1年に1つ、2つ克服できたらOK、というぐらい気長にゆっくり取り組みましょう。時間はかかりますが、これも子育てにおけるかけがいのない時間になるはずです。子どもが大きくなった時、嫌いだった食べ物を一緒に食べながら、「これ、昔は食べられなかったのにね」なんて笑いながら話す日が来るかもしません。