低所得者向けのイメージもあるが、所得制限はない。実は誰でも申し込むことができる“穴場”なのだ。
利用者はどういったところに魅力を感じているのか。グレープハウスは自立支援型で、前出の女性は、このケアハウスにたどり着くまでにいろんな高齢者施設を転々としてきた。夫と、デイサービスと老人保健施設を併せ持った佐野市(栃木県)のサ高住に入居した。
佐野の街も住みやすく気に入っていたが、夫が先に旅立ち、息子からも「一人になったら近いところに住んでほしい」と言われていたため、神奈川県内のいくつかのケアハウスを見学し、グレープハウスに決めた。
「私はいくつかの持病がありますので、それらの専門医院が周辺にあるのも安心です」(女性)
同じケアハウスに住む70代の女性は、夫を看取ったあと、1人で年金で暮らせる場所を探し、この場所を選んだ。選んだ理由をこう語る。
「まず料金が低いことがよかったです。たまに自炊をしてもいいという点にも惹かれました。ボランティアをしたかったので、事前にボランティアセンターが近くにあるかも確かめました」
さらにすごいケアハウスもある。ラポーレ駿河(静岡市)は、鉄筋コンクリート造りで、地上6階建て。清潔感があり、高級ホテルのようだ。近くには川が流れ、静岡駅からバスで40分だ。
一人部屋は56室。ワンルームタイプで、26.26平方メートルの広さ。バリアフリー設計で、トイレにミニキッチン、収納、洗面所、電話、エアコンも付いている。洗濯機の設置も可能。緊急時のナースコールもあり、安心だ。夫婦部屋は7室。53.55平方メートルで2DK、8畳の寝室、6畳の和室、12畳のフローリングがある。他のケアハウスと比べて、かなり広い。共用設備も充実している。浴場には季節を感じる坪庭があり、足を伸ばしながら浸かることができる。「温泉に来た気分になれる」ほどだ。365日、12時から22時の間で利用することができる。介護が必要になっても、各フロアに個浴風呂があり、利用できる。その他にはマッサージチェアやカラオケ設備もある。