■自治体の窓口に申請しないと支援は受けられない
この連載でも何度も申し上げてきましたが、社会保障のほとんどは必要書類などをそろえて、自分や家族が申請しないと適用されません。この介護保険も同様で、利用にあたっては申請が必要です。
窓口は各市区町村や地域包括支援センターで、加入者本人あるいは親族が申請を行ないます。その後、市区町村によって主治医の意見書が求められるほか、介護認定調査員が派遣され、聞き取り調査が行われます。
認定調査や主治医の意見書に基づくコンピューターでの一次判定と、介護認定審査会での二次判定があり、申請から1カ月ほどで後述する「要介護度」が決定されます(認定結果に不服がある場合、通知があった日の翌日から60日以内に都道府県の介護保険審査会に申し立てが可能)。
決定認定後は、ケアプラン(※)あるいは介護予防ケアプランの作成が必要となりますが、プラン作成に関しては全額保険が適用されるので、介護支援専門員の資格を持った専門家(ケアマネジャー)に相談をしたうえで作成するのが一般的です。
※ケアプラン=利用者の心身の状況や置かれている環境に応じて、どのような介護サービスを組み合わせて利用すればいいかを記載した計画書
■7段階に分かれた「要介護度」。最大で月額36万2170円の介護サービス
要介護度は、介護あるいは支援がどれくらい必要なのかを表す指標です。その認定ランクによって介護保険の適用範囲は異なり、下のリストのように「要支援」の1~2、「要介護」の1~5の7段階に分かれています。
要支援とは、「日常生活の全部もしくは一部について、一定の期間(※)にわたり継続して常時介護を要する状態の軽減、もしくは悪化の防止に特に支援を要すると見込まれる」状態をいいます。
つまり「いまのところすぐに常時介護の必要はないが、将来的に要介護状態になるかもしれないので、今から支援をする」ということです。要支援認定を受けた人は、介護予防サービスを受けられます。