SNSの恐ろしさは、断片的な情報で短絡的な判断をする人が非常に多いことです。扇動されやすいとも言えます。自分がSNSで情報を得た場合は、必ず情報を咀嚼してから自分の意見を述べるべきです。検索すれば区議の発言や主張を見ることができます。区議の発言の趣旨は、「出生率の低下を防ぐために、(男女で)結婚をして出産や子育てすることの大切さを子供たちに教えるべきだ」という意見だと思います。性の多様化やマイノリティーについての教育と同様に、一般的な結婚や出産の意義も教育しないと少子化に歯止めが効かない、という話をしています。
根本にあるのは、少子化対策の話です。例え話で、もし仮に全員がLGBTになった場合、子供の数は増えないという趣旨の発言をされています。言葉は受け手によって印象が変わるとは思いますが、この言葉だけを切り取ると全く違う印象になります。ここまで読むと、今回の炎上の構図が理解できると思います。
人の数だけ意見があり、多様性があります。オンラインでも現実でも、性的指向も含めてです。これに対して、否定したり同調圧力をかけたりするのは相手の人格を否定することかもしれません。私ももちろんLGBTの方々や生き方を否定することはありませんし、身近にいます。
自分と違う意見や生き方、考え方、価値観、性的指向を持っている相手を、「そんな生き方もあるんだなぁ」と捉えて受け入れる姿勢が重要です。多様な価値観を認めない発言を、悪気なくする人も多いです。「いい歳なんだから結婚しなさい」「子供はいいよ~産みなよ」「兄弟がいないとかわいそうだよ」「母乳で育てたら?」などの発言です。悪意はないので、頻繁に人を苦しめます。
全く同じ人生を歩む人はいないので、違っていて当たり前です。相手を自分と同じ意見にしようとすると、争いが起こるか周りに人がいなくなります。
※文中の表現の一部を修正いたしました。