その後、JR東日本は185系のリニューアルによる居住性向上、特急、急行とも50キロまでの自由席を500円均一(現在は520円)に整備されたこともあり、2002年11月30日をもって「新特急」は発展的解消を遂げた。
現在では、JRグループの多くの特急で定期券と自由席特急券の組み合わせ乗車ができる。また、JR東日本の常磐線や中央本線の特急は全車指定席なので、普通車指定席との組み合わせ乗車も可能だ。JR九州も普通車指定席やグリーン車との組み合わせもできる。
■特急形車両の回送列車を旅客列車化
国鉄在来線の通勤特急ではないが、1984年6月1日から東北本線上野~大宮で乗車整理券300円(大人・子ども同額)を払えば、確実に着席できるサービスを開始した。エル特急「あさま18・20号」が終点上野到着後、折り返し回送列車を活用したもので、当時は列車愛称なしだったが、のちに「ホームライナー大宮」と命名された。
「定員制」という新感覚の有料列車は好評を博す。1986年11月1日のダイヤ改正から、「特急の回送列車を有効活用」という“縛り”をなくし、ホームライナーが一気に花開く。特に東海道本線東京~小田原に設定された「湘南ライナー」は、車内販売を実施する力の入れようであった。その後も運転本数が増え、現在も需要が高い。
しかし、21世紀に入ると、JR東日本首都圏エリアの一部やJR西日本では、ホームライナーの特急化もしくは快速化が進んだ。
その一方、JR東海はホームライナーの運行を続け、特急より安い料金(乗車整理券330円)で座席を提供し、通勤客のニーズに応えている。同社は独自の方式をとり、乗車整理券と称しつつ座席は全車指定席制で、座席指定区間は乗車駅から終点まで。JR東日本のように乗車口で駅員が乗車整理券を拝見することはせず、車内でも購入できる態勢をとっている。
■特急ロマンスカーは観光からビジネスにシフト
小田急電鉄の取り組みは早く、1967年6月23日から特急ロマンスカーの定期券乗車を可能にした。2020年現在、東京メトロやJR東海御殿場線(松田~御殿場)にまたがっての乗車もできる。