私は、子どもの「学び育つ」主体性に焦点をおいて学習をサポートしていこうと呼びかけてきました。
「教育」の「教え育てる」という視点が、教える側の視点に偏りがちなことに注意して、学ぶ側の子どもたちにいま一度焦点を向け直さなければならない。そのメッセージを込めて、「学育」という言葉を提唱してきました。
「学育」に視点をシフトすることは、才能を伸ばすための最重要ヒントです。子どもの主体的な学びを引き出すには、まず、教育方法や教材を決めつけず、子どもにフィットしたものを見つけていくことが必要です。
どれだけ世間でいいと言われていても、あなたの子どもに合わなければ意味がありません。「いい教材のはずなのに、できないなんてお前はダメだ。」ではなくて、その子どもに合わない教材や学習環境を変えることに目を向けなくてはいけません。
それから、ステレオタイプで子どもに「レッテルを貼る」のをさけましょう。
「あなたは国語ができるけれど、数学は苦手ね」
こうした何げない声かけが、大きなマイナスの影響を与えてしまうことがわかってきています。
「不登校」「勉強嫌い」「落ちこぼれ」とネガティブなラベルで子どもを決めつけてしまうこと自体が、子どもの個性や才能をつぶして、子どもを本当にダメにしてしまうのです。
■自分の学びは自分でデザインする!「Design Your Learning」とは?
スタンフォード大学オンラインハイスクールでは、子どもたちの可能性をみんないっしょの横並びの枠組みで制限せず、子ども一人一人が必要な学習環境をサポートできるような学校づくりをしてきました。私は、その考え方を「Design Your Learning」と呼んでいます。
例えば、オンラインハイスクールでは、通常の「統一カリキュラム」や「学年」がありません。
年齢でなく、学習進度や目標に合わせたカリキュラムを生徒それぞれにデザインしていくために、アカデミックアドバイザーがサポートします。そのため、13歳で歴史の授業は通常の中1レベル授業だが、数学は大学レベルのコースを履修なんていうことがザラです。