毎朝起きて学校に向かう。自分の子どもが、そんな「普通の子」と同じことができない時、「どうしてうちの子に限って、不登校になってしまったんだろう……」と悩み、学校に行きたくないと言う子どもを「我慢が足りない」「どうして皆と同じようにできないの?」と責めてしまうことがあるかもしれません。そのような悩みを抱える親御さんたちの悩みに応えるために、アメリカのシリコンバレーにある「スタンフォード・オンラインハイスクール」の校長、星友啓さんにインタビューしました。同校は、オンラインスクールながら全米の学校中でもトップ校として認知されています。
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■成績が悪い、学校についていけない天才児たち
私が校長を務める学校には、いわゆる「ギフテッド(天才児)」と呼ばれる子どもたちが多く在籍しています。「ギフテッド」と判定される子どもたちの中にも、学校での成績が低い子どもたちが少なくありません。
通説となっている、「天才は成績が良い」というのは誤り。才能の開花は適切なサポートがあってこそです。
天才かどうかにかかわらず、「成績が芳しくない」というのは、その子どもが才能や適性に見合った学習サポートを受けていない、あるいは受けてこなかったことを表しているに過ぎません。
子どもたちの才能は多様です。その子ども自身が学校の枠組みに合わないと、勉強がつまらない、同級生とうまくいかない、社会性がない、成績が悪い、不登校などの形で表れます。
特に「ギフテッド」の子どもたちは、早くから周りとは違った考え方をしたり、物事の本質を見抜いた疑問を抱いたりしがちで、「普通」の学校では「変わり者」や「不適合」のレッテルを貼られてしまいがちです。
皆が同じ授業、同じ進度という公教育の「平等」が、「ギフテッド」の子どもたちの個性や才能を潰し、彼らにとって学校を生きづらい環境にしてしまいかねないのです。
「不登校」は現在の学校環境が子どもの個性や才能をサポートできないということの表れにすぎません。
「不登校」の子どもを「ダメ」と決めつけるのではなく、その子どもの個性や才能の「叫び」を受け止めて、適切なサポートを考えていく必要があるのです。