中高年男性の悩みの一つ、ED(勃起障害)。40歳代で「中折れ」を気にする人もかなりいるようだが、性の機能は長生きする上でも重要だと、東京歯科大学市川総合病院教授(泌尿器科)の丸茂健医師は警告する。

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 EDの定義は、セックスするのに十分な硬さの勃起を得られないことと、十分な硬さを維持できないことです。原因はいくつかありますが、いちばん多いのが高血圧に起因する動脈硬化。病院のED外来で50歳以上の患者さん100人を診察すると、約20人は高血圧症にかかっています。

 血圧の高い状態が続くと動脈硬化が起こり血管が狭くなります。陰茎への血液も動脈を通って運ばれるので、体中の動脈硬化が起こると勃起に必要な血液が流れていかないのです。

 次に多いのが糖尿病。脳からの性的刺激は脊髄を通って骨盤の中の細い神経を通り陰茎に伝わりますが、長いこと糖尿が続くと、末梢神経が弱くなって刺激が陰茎に届かないわけです。

 そのほかにも、加齢による男性ホルモンの減少や海綿体の機能の衰え、ストレスやうつ病なども原因になるし、膀胱がんや直腸がん、前立腺がんなどの根治的手術で勃起に必要な骨盤内の神経と臓器を一緒に切除することで、EDを引き起こすこともあります。

週刊朝日 2013年3月29日号