今週末に迫った大学入学共通テスト。コロナ禍も重なり、不安の上に不安が募る。東大クイズ王として活躍する伊沢拓司さんに、本番までにあと少し、何ができるのかを聞いた。
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――大学入学共通テストまであと数日。生活面と勉強面で、本番に向けてやっておいた方がいいことを教えてください。
生活面に関しては、本当に体調管理が重要です。あとは事前の準備ですよね。当日に必要な持ち物、自分で本当にほしいと思うものは事前にそろえておきましょう。あとは、数日前から試験の日程に合わせて1日を過ごすようにしてください。試験当日と同じ時間に起きて、前日と同じ時間に寝る。一朝一夕にその時間に合わせることはできないし、ましてや前日は不安なので眠りづらいはずですからね。
ここで大事なのは「奇をてらったことをしない」です。とにかく健康に気をつけて、食事は控えめにして、しっかり睡眠をとる。食べたいものを食べて精神的に安定するなら、それもOKだと思います。
――勉強のほうはどうでしょう?
直前だからしなければいけないことは、あまりないですね。直前だからこそ変なことをしないことのほうが大事です。僕自身も、今までやったことのない勉強をするよりは、本番の前々日までは問題を解いていて、前日は暗記事項の見直しを中心にしました。英単語帳、古文単語帳をひっくり返して、その目次を見返して、覚え忘れてるものはないかをチェックしていました。もっとも前日いきなり目次を見ると焦るので、これは1カ月前くらいから始めて、徐々に分量を増やして……という感じです。この場合、使い慣れたものじゃないと不安になるので気をつけましょう。
ガッツリ点数を稼ごうと、前日まで新しい問題に手をつけたくなるかもしれませんが、基本的には「できるよね」っていう確認をすることで、メンタル面と知識面を補強するほうがおすすめです。問題を解く場合も、自分が過去にやって合っていた問題を解き直すのがいいと思います。できるという自信がつくし、ミスも防げます。進んでいる感じがしないかもしれませんが、確認は当日の点数を確実なものにする、立派な進歩です。解けた問題をミスして失点するほうがダメージは大きい。当日はテンパってド忘れすることもありますからね。