エンゼルス・大谷翔平(写真/Getty Images)
エンゼルス・大谷翔平(写真/Getty Images)
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 メジャー4年目を迎えたエンゼルス・大谷翔平。二刀流にもますます磨きがかかり、連日の投打にわたる活躍に、アメリカのファンからも「まるでスーパーマンだ」と驚きの声が上がっている。

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 だが、今さら言うまでもなく、大谷は日本球界在籍時から文句なしに凄かった。そんな稀代の天才が、日本ハム時代の5年間に残した“伝説のビックリシーン”を振り返ってみよう。

 片手で軽くスイングしただけなのに、バックスクリーンへと運ぶ特大本塁打を放ったのが、2015年5月19日の楽天戦だ。

 2対2の3回、先頭打者として左打席に入った大谷は、塩見貴洋からファウル3球と粘ったあとのカウント2-2からの8球目、見逃せばボールになりそうな外角高めスライダーに反応。泳ぎ気味の体勢で、左腕の押し込みが効かない状態にもかかわらず、右腕一本で軽く振り抜いた。

「感じは悪くなかった」と本人が言うとおり、バットの芯でとらえた打球は、バックスクリーン右に飛び込む3試合ぶりの勝ち越しの3号ソロとなった。

 今年5月9日のドジャース戦でも、6回に片手で右翼フェンス直撃のタイムリー二塁打を放った大谷だが、日本のファンは6年前にもっと衝撃的なシーンを見ていたことになる。

 今度は投手編。暴投がバックネットにめり込んで抜けなくなる珍事が起きたのが、14年8月17日の西武戦だ。

 初回の立ち上がり、1死から渡辺直人に右前安打を許した大谷は、次打者・栗山巧への1ストライクからの2球目がすっぽ抜け、捕手・大野奨太が必死に差し出すミットの遙か上を通過する暴投となった。

 慌ててバックネットまで追いかけた大野だったが、なんと、ボールは金網にめり込んだ状態で挟まっていた。大野は後ろ向きの姿勢で軽く引き抜こうとしたが、同じ暴投でも大谷のボールは強度が違っていたようで、最初は失敗。気を引き締め直して再挑戦し、ようやく抜き取りに成功した。

 この間に一塁走者・渡辺は三塁まで進んでいたが、ボールデッドが宣告され、渡辺はテイク・ワン・ベースで二塁に戻されて試合再開となった。

 暴投は、3連戦を前に西武ドームのマウンドの傾斜角が微調整で変わったことが原因だった。

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久保田龍雄

久保田龍雄

久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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